前回、ジャネーの法則が怖いという話と、加齢とともに時間が短く感じられる理由について説明しました。

今回は、ジャネーの法則に逆らうための対策についてお話していきます。

年をとるごとに、体感する時間が短くなるということには、一定の真実が含まれています。

それを否定したところで、むなしいだけです。

大切なのは、事実を受け入れたうえで、どのように対処していくか?でしょう。

今回は、年齢を重ねても、体感する時間が短くならないようにするにはどうしたらよいか?について、お話していきます。

最近、社会問題となっている認知症の予防法にも通じるものがあるので、是非ご参考いただければと思います。

新しいことを学び挑戦する

ジャネーの法則への対策の1つは、日々新しいことを学び、チャレンジしていくことです。

大学を卒業してから、ほとんど勉強しなくなる人が多いというのは、よく言われることですよね。

「人間は20歳で人生の半分の時間を体験してしまう」という説を前回の記事で紹介しましたが、あながち的外れな考察でもなさそうです。

私も大学に入るまでは受験勉強にいそしみ、大学生になっても、単位や資格をとるために勉強しましたが。
大学を卒業してからは、社会人として生活していくための最低限の知識しか学びませんでした。

40歳を過ぎた現在になって、ようやく生涯学習の大切さを痛感しているところです。
同じような想いを抱く方も多いのではないでしょうか。

会社で勤務したとて、そこで得た知識や経験で対応できることが多く、ルーチンワークに陥りがちです。
仕事に時間をとられれば、改めて新しい知識や経験を得ようという意欲がそがれてしまいますよね。

しかし、最近は人々の価値観が多様化し、仕事に対する考え方も変わってきています。
特にコロナ渦によって、さらにパラダイムシフトが進んだような形です。

しかも、現在は、新しい学びや経験を得ることができる機会が多くなってきています。
インターネットを利用できる空間があれば、色々な体験や学習ができる環境が整っています。

大学や大学院に通ったり、通信制の大学を利用したり。
そこまでしなくても、大学レベルの学習ができるサービスなどもありますしね。

勉学以外でも、趣味や余暇を楽しもう!ということもよく言われます。
今では、もう常識というか、当たり前の話になった感がありますね。

  • 読書をする
  • 旅行にいく
  • 習い事をする
  • 映画を観る
  • イベントに参加する

などなど、いくらでも思いつくのではないでしょうか。

ただ、そうは言っても、勉学にしろ、趣味にしろ、気が向かないのに無理やり行っても、エネルギーを浪費してしまいます。

なので、まずは、小さなことでいいので、環境を変えていくことが大切になります。

例えば、

  • 会社からの帰り道で、今までとは違う道を通ってみる
  • 昼食を違う場所でとる
  • 近くの公園に行って、景色をながめる

などなど。

こんな簡単なことでいいの?と思われるかもしれませんが。
何事もちりつもで、バカにはできません。

上記の例は、私が実際にやっていることでもあり、効果があるのを実感しています。

「あれ、こんな建物あったの?」

「いつの間に、新しいお店ができたの?」

「よく見ると、こんな風になっていたのか~」

と、色々と新たな発見があり、感情に変化がおこります。

小さなことでも環境が変われば、脳に刺激を与えるようです。

というわけなので、まずは無理なく簡単にできることから始めてみるのがおススメです。

たとえ小さな一歩でも環境を変えれば、次のステップに進むのが楽になりますので。

運動をする

ジャネーの法則にかぎらず、豊かな生活をおくるために欠かせないことですが。

やはり、運動をするのは大切になります。

前回お話したとおり、加齢とともに身体の代謝が落ちると、主観的な体感時間が短くなるようです。

また、代謝の低下は、時間に対する感覚に影響を与えるだけではなく。

根本的に、健康を損なう大きな要因であるのは、誰もが知っていることでしょう。

したがって、日々の生活のなかで運動を取り入れることは大切です。

ただし、いきなり激しい運動をするのは、身体を痛めてしまう恐れがあるので、かえって逆効果です。

まずは身体に負担がかからない適度な運動から始めて、少しずつ激しい動きを取り入れることですね。

では、適度な運動とは、どれくらいのものなのか?

よく言われるのは、少し汗ばむくらいがちょうどよいということです。
一般的な基準としては、1日30分のウオーキングを週に5回くらいだそうです。

ですが、当然、代謝の程度は個人差があるので、これはあくまで目安です。
慢性的な運動不足だと、10分歩いただけで疲れてしまうということもあるでしょう。

なので、運動をする場合も、できるところから少しずつ始めるのが大切になりますね。

また、ウオーキングをするときは、呼吸を意識するのがよいようです。
1歩進むごとに呼吸を合わせ、リズムを作っていく感覚です。

例えば、3歩連続で息を吸って、その後の3歩は連続で息をはくという感じです。
最近注目されているマインドフルネスに近いものがありますね。

ただ、そうは言っても、外へ出て歩く時間がない、あるいはその気力がないという方もいらっしゃるでしょう。

そういう場合は、自宅の中で立っているときに、スクワットをするだけでも効果的です。
普段あまり運動をしていないケースだと、ゆっくりと5回くらい行うだけで、結構な運動量になるそうです。

その他、家の中でできることは色々あります。
ストレッチをするとか、体操をするとか、筋トレをするとか。

もちろん、家の中でできるものでも、なかなか乗り気にならない場合もあるでしょう。
そんなときでも、ほんのちょっとでもいいので、トライしてみるのが大切です。

まずはスクワット1回、あるいは深呼吸1回でもいいので、やってみましょう。
最低1日1回と決めて続ければ、その1回だけでも習慣になります。

歯みがきや洗顔と同じで、日々のルーティーンに当たり前のように取り込まれていきます。

そうなれば、もうやらないのが気持ち悪くなり、回数も増やしたくなるはずです。

とにもかくにも、まずは小さな一歩から。
無理なくできるところから始めるのがコツですね。

何事にもおいても、最初の一歩を踏み出せば、次の一歩を踏み出しやすくなります。

体感する時間を長くし、健康で豊かな生活をおくるためにも、ぜひ意識していただければと思います。