霜降り明星の粗品さんが語ったことで、少し話題となった水中人工物恐怖症

実は、私自身もその傾向があります。
症状としては、そんなに重いものではなく、水中人工物恐怖症と言えるのかどうか判断しにくいところがありますが。

そもそも水中人工物恐怖症という言葉が新しい用語で、医学的に1つの恐怖症としてカテゴリーを確立しているとは言えない状況です。
今後、研究が進められ、恐怖症の1つとしてしっかりと定義されるものだとは思います。

今はまだそういう状況ですが、私自身の経験もふまえ、水中人工物恐怖症の原因や症状についてお話していきます。

水中人工物恐怖症はなぜ起こる?

水中人工物恐怖症の原因については、色々な考察があります。

  • 想像力が豊かである
  • 水に対するトラウマがある
  • 閉所恐怖症や海洋恐怖症など他の恐怖症を持っている
  • 生存本能が強い

このように色々な原因が考えられています。

どれに当てはまるかは、人によって異なるでしょう。
原因が1つだけではなく、複数の原因が絡みあっていることも考えられます。

水中人工物恐怖症は、その名の通り、水中にある人工物に恐怖を抱くというものです。

対象となるものは、水中にあるものならほぼ何でもと言えます。
沈んだ船や碇(いかり)はもちろんのこと、プールの排水溝や標識などなど。

ただし、これまた、恐怖の対象となるものや症状の程度は、人それぞれでしょう。
人によっては、海に沈んでいるペットボトルなどのゴミや、遊園地の水中アトラクションなどが怖いというケースもあるようです。

注目すべきなのは、対象物に対して抱く恐怖に合理的な理由がないという点です。

例えば、海でサメを見たり、川でワニを見たら、大抵の人は怖いと感じるでしょう。
サメやワニといった動物は、自分に直接危険をもたらすかもしれないので、襲われると怖いという感情を抱くのは自然なことです。

ところが、海の中にある船や碇、プールの中にある排水溝や標識などは、それ自体は自分に危害をもたらすものではないですよね。
なのに、そのような人工物に対して恐怖心を抱いてしまう。

ここに合理的な理由は見当たらないということです。

そのため、水中人工物恐怖症ついて、上で述べたとおり、色々と複数の原因が考えられているわけです。

1つの最も有力な説としては、人工物に対して違和感をおぼえ、本能的に危機回避反応をしてしまうというものがあります。
そうすると、人間の生存本能が水中人工物恐怖症の原因というのも、うなづけますね。


さて、私の水中人工物恐怖症についてですが。
おそらく水に対するトラウマが大きな原因だと思います。
ただ、トラウマとはいっても、対象は水そのものではなく、水の中にある物です。

小学生のときに水泳を習っていましたが、プールの中にある黒い十字架のような標識に、怖くなったのがきっかけです。

初めてスイミングスクールに訪れたときから、ちょっと怖いなぁ~と思っていたのですが。
少しずつその恐怖心が積もっていった感じで、いつしか耐えられなくなってしまいました。

屋内プールだったのですが、水の中は妙に暗いんですね。
その薄暗い水の中に、十字架のような表示が出てくるわけです。
表示のある所で、見えないように目を閉じて泳いでいましたが、そんな対処法では無理がありました。

一応、無事に1級まで昇級して、しばらくしてからスイミングスクールを辞めましたが。
かなり辛かったので、辞めた日のこととか、どういう経緯で辞めたのか、全く記憶がありません。

大人になった現在は普通に泳ぐことはできますが、そのときのスイミングスクールのことを思い出すと、恐怖心が芽生えてしまいます。
ごくたまにですが、夢に出てくることもあります。
もちろん、悪夢です😰

もし今、仮にあのプールで泳ぐことになったとしたら、まず泳ぐことはできません。
雰囲気が似ているプールだと、今でも泳ぐことはできないと思います。


あと、想像力が豊かというのも当てはまります。
想像力が他の人より豊かであるかどうかは、多分に主観的なものではあるでしょう。

でも、私は学生のころから、親戚や友人に「そんなことまでよく想像するなあ~」とよく言われてきました。
なので、人並み以上は想像力が豊かなのだと思います。

ただ、これは裏を返せば、「心配性」と言うこともできます。
色んなことを想像してしまうので、他の人だと気にもとめないようなことでも、必要以上に気にして心配してしまう傾向があります。

実際、先のプールの十字架のような標識は、黒い線がタテとヨコに重なっているだけです。
その表示は、単に目印の意味でしかありません。

けれども、そこで想像力が働き、その表示から何か怖いものが出てくるのではないか?というような、おかしな心配をしてしまうわけです。

特に子供のころは好奇心が強いですからね。
色々なことを学んでいくうちに、学んだことをつなぎ合わせ、連想して、自分の独自の発想をする…

想像力が豊かだと、ときにネガティブなものを生み出してしまうこともあるのでしょう。

水中人工物恐怖症の症状の具体例は?

水中人工物恐怖症は、他の恐怖症や障害と似ています。

  • 不安や恐怖を感じる
  • 筋肉が緊張する
  • 体が痛くなる
  • 息切れや息苦しさを感じる
  • 血圧が上昇する
  • 汗をかく
  • 吐き気やめまいがする

水中にある人工物を見ると、このような症状を引き起こします。
ひどい場合だと、失神してしまうケースもあるそうです。

そしてまた、私の例となりますが。

海でも、普通の魚とか釣り竿とかを見ても平気です。
プールでも、ゴーグルとか浮き輪とかビーチサンダルとかは大丈夫です。

ですが、少し不自然なものになると、恐怖を抱いてしまいます。

海だと、深海魚などはダメですね。
海底にある洞穴のようなものもダメ。

プールだと、排水溝は無理です。
また、標識でも不気味なものはダメです。

そういったものを見ると、息切れやめまいを発症することがあります。
先に述べたとおり、十字架のような表示があったものなら、パニックになると思います。

さらに、私にとって究極に怖いのが、
です…

小学生のときは、滝で泳ぐことはできました。
けれども、水泳をやめてから、ある日遠足で滝を見る機会がありました。
山の上の方から見下ろす形で、滝を見たのですが。

滝って、水の落下点の滝つほのところが深いですよね。
その部分が回りの水の色と違って、かなり濃い青色だったんです。

その光景を目にしたら、異常なまでに怖くなってしまったというわけです。

もう、それ以来、滝で泳ぐことはできないのはもちろん、滝を見るだけても恐怖を感じてしまいます。

社会人になってから、とある水力発電所を訪れる機会があったのですが。
怖くてたまりませんでした(汗)

滝と同じように、水面に大きな穴のようなものが出てくるんですよね。
もう、それが怖くて、怖くて…

別に滝でおぼれたとか、そういう経験はないのに、見ただけでトラウマになってしまってます。
今でも、滝を連想させるものは全くもって受けつけません。

例えば、お風呂でシャワーをあびるとき。
目を閉じて、頭の上からシャワーをし、それが冷たいと感じると、怖くなるときがあります。
これだけのシチュエーションで、滝を連想してしまうんです。

ときには、このまま滝にワープしてしまったらどうしよう!と想像してしまって、怖くなったことがあります。
ここまでくると、さすがにちょっとおかしいですよね💦

と、まあ、私の症状は以上のようなものですが、やはり人によって異なってくるでしょう。
こういった症状が、医学的・学術的見地から水中人工物恐怖症に該当するかどうか、厳密なところは分かりません。

ですが、現在一般的に言われている水中人工物恐怖症に当てはまるものと考えられます。
水中にある人工物に対して、他の人より異常に不安や恐怖を感じるのであれば、水中人工物恐怖症と言ってよいと思います。

まとめ

水中人工物恐怖症という言葉は、比較的新しい用語です。
少しずつ浸透してきましたが、医学的に立証されているものであるかというと、まだ発展途上という感じです。

特に現在は、一口に恐怖症と言っても、細分化して、様々な病名が付けられていますからね。

水中人工物恐怖症が医学的に実証された1つのカテゴリとして確立するのも、少し先のことになるかもしれません。

また、水中人工物恐怖症でも、普通に泳げる人はたくさんいるようです。
私自身も水泳は得意で、今でも普通に泳げます。
バラフライを含め、色々なスタイルで泳ぐことができます。

ですが、あるとき、突然水中にある物に対して、合理的な説明のつかない恐怖を抱いてしまうんです。

生存本能なのか、トラウマなのか、想像力が豊かなのか。
確実なことは分かりませんが、おそらくあらゆる要素がからみあっているのでしょう。

そうした私自身の体験、また同じような体験をした多くの人の話から、水中人工物恐怖症は、医学的な見地からは別としても、発症してしまう人が多くなるのではないかと予想しています。