多くの人が一つの場所に集まることを、「一堂に会する」という表現することがあります。
フォーマルな場面や文書でよく使われますが、漢字表記には注意が必要です。
「一堂」を「一同」としたり、「会する」を「介する」としたりするケースがありますが、実はこれらは間違いです。
この記事では、「一堂に会する」の意味から使い方と言い換え表現を詳しく紹介しています。
一堂に会するの意味は?
「一堂に会する」という表現は、数多くの人々が同一の場所に集まる状況を表します。
ここでの「一堂」とは、具体的には「一箇所」という意味です。
「会する」とは、「集まる」という行為を指します。
そこから、「一つの場所に集まる」という意味になります。
「一堂」と「会する」という2つの語句の意味を押さえておくと、その様子が分かりやすくなりますね。
一堂に会するの漢字表記に注意!
「一堂に会する」という表現は、間違った漢字が使用されることがよくあります。
ここでは、その具体例と誤りである理由を説明していきます。
「一同」は間違い!
まず、「一同に会する」と表記されることがありますが、これは間違いです。
というのも、「一堂」と「一同」は異なる意味を持っているからです。
前述したように、「一堂」は「一箇所」いうような場所を表します。
対して、「一同」は「その場にいるすべての人々」や「全員」という意味で、「社員一同」などと用いられます。
そのため、「一同に会する」と表現してしまうと、「全員に集まる」という不自然な意味合いになってしまいます。
以上の理由から、「一堂」を「一同」と表記するのは間違いになるというわけです。
「介する」は間違い!
「一堂に介する」という表記も間違いです。
「介する」という言葉は、「二者の間に入る」や「仲介する」という意味を持ちます。
そのため、「一堂に介する」と表現してしまうと、意味が通じなくなります。
あえて直訳すると、「同じ場所に仲介する」となるかもしれませんが、これでは意味不明ですよね。
なので、「会する」を「介する」と表記するのは誤りというわけです。
一堂に会するの例文をご紹介
「一堂に会する」の例文を以下に5つ紹介します。
- プロジェクトの始動にあたり、会議室にはチームメンバーが一堂に会した。
- 年に一度、家族は故郷の祖父母の家に一堂に会し、伝統的なお祭りを一緒に楽しむ。
- 新しい年の始まりにあたり、地域のコミュニティセンターで、住民たちが目標と希望を共有するため一堂に会する。
- 国際平和会議の開会式で、世界各国からの代表者たちが一堂に会し、連帯のメッセージを発信した。
- 人気アイドルグループが一堂に会するというイベントが開催され、大勢のファンが会場に詰めかけた。
一堂に会するの類義語をご紹介
「一堂に会する」の類義語は、多くの人が一つの場所に集まるという意味の言葉が当てはまります。
- 一箇所に集まる
- 勢ぞろいする
- 結集する
- 集結する
- 顔を揃える
- 役者が揃う
などの表現があげられます。
まとめ
「一堂に会する」は、多数の人々が一つの同じ場所に集まることを意味します。
「一同」や「介する」という表記は誤りなので、混同しないことが大切です。
「一堂に会する」の語句の成り立ちを理解すると、間違いがなくなり、意味も分かりやすくなりますね。
特にフォーマルな文脈で、「集まる」という表現をより強調したいときに使うことができます。