「鼻を折る(はなをおる)」という慣用句があります。
日常会話でもよく使われるので、広く知られている表現だとは思います。
この記事では、「鼻を折る」の意味と使い方、類義語や英語表現まで詳しく紹介しています。
鼻を折るの意味は?
「鼻を折る」という表現は、他人の自信過剰や傲慢さを打ち砕き、その人に恥を感じさせる行為を指します。
一般的に、鼻は自尊心やプライドを象徴する部分と見なされます。
例えば、人が自慢していたり、得意げになっている様子を「鼻が高い」ということがあります。
したがって、「鼻を折る」とは、そのような人のプライドを傷つけることを意味するというわけです。
鼻を折るの由来は?
「鼻を折る」の語源については、詳しいことは分かっていません。
ただ、「鼻」が持つ象徴的なイメージから生まれたのは確かなようです。
似たような表現で、「鼻柱を折る」や「鼻っ柱を折る」という言い回しもあります。
元々「鼻柱」とは、競争心や勝ちたいという気持ちを意味すると考えられています。
同じように、「鼻」は自信やプライドと関連付けられます。
先ほど例としてあげた「鼻が高い」という表現からも明らかでしょう。
このように、自信やプライドを象徴する「鼻」を折ることから、人の自信をくじき、恥を感じさせることを意味するというわけです。
鼻を折るの使い方をご紹介
「鼻を折る」の使い方として、5つの例文を紹介します。
- 上司が自分の意見が最も優れていると自信満々だったが、部下の提案が採用されたことで、彼の鼻を折ることとなった。
- サッカーの試合で、自分のチームが最強だと思っていたが、初戦で無名のチームに大敗し、鼻を折られる結果となった。
- ディベート大会で、自信満々に誤った情報を披露していた学生の鼻を折るため、正確なデータと論理で反論した。
- 慢心していると、予想外の出来事で鼻を折られることがあるので、常に謙虚な姿勢を忘れてはならない。
- 彼は会議で他の同僚の提案を無視し、いつも自分のアイデアを押し通そうとする。その傲慢な態度に、いつか鼻を折ってやりたいと強く思う。
鼻を折るの類義語をご紹介
「鼻を折る」の類語としては、前述した「鼻柱を折る」や「鼻っ柱を折る」があります。
その他
- 鼻をへし折る
- 凹(へこ)ます
- がつんとやる
- ぎゃふんと言わせる
- 顔を潰(つぶ)す
- 面目(めんぼく)を失わせる
- 体面(たいめん)を傷つける
- 煮え湯を飲ませる
などの表現があげられます。
鼻を折るの対義語をご紹介
「鼻を折る」の直接的な対義語をあげるのは難しいですが、他人のプライドや名誉を保ち、支持する意味を表す言葉が考えられます。
例えば
- 顔を立てる
- 花を持たせる
- 面目(めんぼく)を立てる
- 面子(めんつ)を立てる
といった表現があげられます。
鼻を折るの英語表現をご紹介
「鼻を折る」の英語表現としては、“take someone down a peg”や“cut someone down to size”があげられます。
それぞれ直訳すると、「誰かを一つの段階に下げる」「誰かを適切な大きさに切り下げる」となり、自信過剰や傲慢な態度を持つ人を謙虚にさせる、またはその人のプライドを傷つける行為を指します。
(新しい選手が自分の技術を自慢した後、経験豊富なチームメンバーによってすぐに鼻を折られた。)
(彼女はクラスで一番だと思っていたが、最終試験の結果が彼女の鼻を折った。)
という形で使われます。
まとめ
「鼻を折る」とは、他人のプライドや傲慢さを打ち砕き、恥をかかせる行為を指します。
親しい間柄では、時にこの方法でいさめることが効果的かもしれません。
ですが、さすがに親しくない人に対しては、相手のプライドを尊重し、失礼のないように接することが賢明ですね。
このバランスを保つことが、人間関係を円滑にする鍵となるでしょう。