「篩(ふるい)にかける」という慣用句があります。
一言でいうと、選ぶことを意味します。
特に厳しく選択することを表します。
日常生活でもよく使われる表現ですね。
この記事では、「篩にかける」の意味と例文、類義語や対義語まで詳しく紹介しています。
篩にかけるの意味は?
「篩にかける」は「ふるいにかける」と読みます。
「篩にかける」とは、物事を厳しく選別または審査することを意味します。
本来は粒子や物質を篩(ふるい)でふるって細かいものと粗いものを分ける行為から来ていますが、転じて、情報やアイデア、人材などを厳しく吟味し、適切なものだけを選び出すことを指します。
篩にかけるの由来は?
「篩(ふるい)」とは、粒状や粉末状の物質を分類するために使用される、底部に網が取り付けられた枠のことを指します。
篩を用いることで、網目のサイズに応じて細かい粒子を選別し、大きな粒や固体を分離することが可能になります。
例えば、調理時に調味料を均等に振り分けたり、ケーキ作りにおいて薄力粉をふるってダマを取り除くなど、食材の質感を整える際に用いられます。
液体と固体を分ける場合には、コーヒーフィルターのようなろ紙が使用されることがあります。
また、エアコンや空気清浄機、掃除機に見られるように、空気中の微粒子やゴミを捉えるためのフィルターも、ふるいの原理を応用したものです。
この「ふるい」の仕組みから、「篩にかける」という表現が生まれ、選択や評価の過程で、特定の条件や基準を満たさないものを排除し、優れたものや必要なものだけを抽出する行為を指すようになりました。
篩にかけるの使い方は?
篩にかけるの使い方として、例文を5つ紹介します。
- 新しいプロジェクトチームのメンバー選定では、応募者全員のスキルと経験を厳しく篩にかけ、最も適した候補者だけを選び出した。
- 論文の情報源を選定する際、信頼性と正確性を篩にかけて、質の高い参考文献だけを使用することにした。
- 料理をする前に、薄力粉を篩にかけてダマを取り除き、ケーキがふわふわに仕上がるように心掛けている。
- ソフトウェア開発において、コードのバグを見つけ出すために、全てのプログラム行を細かく篩にかける作業が行われた。
- 地域で有名な学習塾の特進クラスは、毎年難関校の合格者を多数輩出しているが、塾の入学試験の結果と面接を通じて、希望者を厳しく篩にかけている。
篩にかけるの類義語は?
「篩にかける」の類義語として、以下の2つを紹介します。
白羽の矢が立つ(しらはのやがたつ)
多くの中から特定の人や物を選び出すことを意味する表現です。
昔、羽の白い矢を特別なものとして選ぶ習慣から来ています。
現代では、人材選抜や何かを選び出す際に使われ、その中でも特に目立つ、または適任と考えられる人や物を指す際に用いられます。
獅子の子落とし(ししのこおとし)
厳しい試練や選抜を通じて、本当に価値のある人材や物を見極めることを意味します。
獅子が高い場所から子どもを落とし、自力で登ってこられる強い子だけを育てるという言い伝えに由来しています。
厳しい条件や試験を設け、その中から真に優れた能力や資質を持つものだけを選び出す様子を表現する際に使われます。
その他、より一般的な言い方としては
- 選別
- 選考
- 分別
- えり分ける
- 取捨選択(しゅしゃせんたく)
- 淘汰
- スクリーニング
などの表現があげられます。
篩にかけるの対義語は?
篩にかけるの対義語として考えられる表現は、選別や厳選のプロセスを行わず、広く受け入れる、同じように扱うという意味の言葉が考えられます。
以下にいくつか例を挙げます。
- 無差別
- 平等に扱う
- 区別しない
- 同一視する
- 一律に扱う
- 一緒くたにする
- 分け隔て(わけへだて)なく
まとめ
「篩にかける」とは、物事を厳しく選別または審査する行為を指します。
ふるいの使用法を思い浮かべれば、意味が分かりやすくなりますね。
日常生活やビジネスシーンにおいても、物事を選び分けることはどうしても必要になります。
広く用いられる表現なので、その背景を理解しておくと便利でしょう。