「一致団結」という四字熟語があります。
多くの人が協力し合う様子を意味する言葉で、日常会話でもよく使われますね。
この記事では、「一致団結」の意味と由来、例文から類義語や対義語まで詳しく紹介しています。
一致団結の意味は?
「一致団結」は「いっちだんけつ」と読みます。
多くの人が共通の目的や目標に向かって力を合わせ、協力し合うことを意味します。
団体やチームがバラバラになったり、それぞれが自分勝手に行動することを避け、みんなで力を合わせて行動する様子を示しています。
一致団結の由来は?
「一致団結」は、中国の古典「淮南子」に見られる教えに起源を持ちます。
夫五指之更彈,不若卷手之一挃。
という言葉があり、書き下すと「五指のこもごも弾くは捲手の一挃に若かず。」となります。
現代語に訳すと「五本の指はそれぞれ単独では力が弱いが、一つになって握り拳を作ると強大な力を発揮する」という意味になります。
手の動きをたとえたもので、この一節から「一致団結」という言葉が生まれました。
「一致団結」は、「一致」と「団結」という二つの語句から成り立っています。
「一致」は、複数の要素や人々が共通の目標や思いで結びつくことを指し、「団結」は、集団が一丸となって協力し合う状態を意味します。
そこから「一致団結」は、多数の人々が一つの目標に向かって心を合わせ、共に力を尽くすことを示しています。
一致団結の使い方は?
一致団結の使い方として、例文を5つ紹介します。
- プロジェクトの締め切りが迫る中、チーム全員が一致団結して夜遅くまで作業し、見事期限内に仕上げることができた。
- 選手一人ひとりが自己の役割を全うし、一致団結して戦った結果、チームは大会で優勝した。
- 地域の清掃活動において、住民たちは一致団結して公園をきれいにするために協力し合い、結果として地域全体がより住みやすい場所となった。
- 自分ひとりでは手に負えなかったが、友人たちと一致団結することで、大掛かりな地元のチャリティーイベントを無事に開催することができた。
- 災害時において、国民全員が一致団結して支援活動を行い、被災者への迅速な救助と復旧作業が行われた。
一致団結の類義語は?
「一致団結」の類義語として、以下の2つを紹介します。
一心同体(いっしんどうたい)
文字通りには「一つの心と一つの体」という意味で、二人以上の人が同じ思いや目的を共有し、非常に密接な関係にあることを表します。
個々人の間の強い結束や深い信頼関係を示す際に用いられ、一人の人間のように息がぴったりと合って行動することを意味します。
チームワークやパートナーシップが非常に高いレベルで成立していることを強調する際に使われます。
二人三脚(ににんさんきゃく)
文字どおり二人で一緒に足を結びつけ、三本の足で歩く競技から来ています。
二人以上の人が協力し合い、共通の目標に向かって努力する様子を象徴的に表します。
一人では達成できないことも、力を合わせることで乗り越えられるという協力と団結の精神を示しています。
主に、困難な状況を共に乗り越えるための協力や、目標達成のためのチームワークを強調する際に用いられます。
一致団結の対義語は?
「一致団結」の直接的な対義語をあげるのは難しいですが、反対の意味合いを持つ表現を以下に3つ紹介します。
独断専行(どくだんせんこう)
他人の意見や立場を考慮せず、自分の判断だけで勝手に物事を進めることを意味します。
集団やチーム内での協調性や協力関係を無視するものであり、一致団結して目標に向かう姿勢とは対照的な様子を示しています。
我田引水(がでんいんすい)
自分の利益や都合の良いように事を運ぼうとする行動や考え方を指します。
公平性や公正性を欠き、集団全体の利益や目標よりも個人の欲望を優先する態度を示します。
孤軍奮闘(こぐんふんとう)
他人の助けや協力を得られずに、一人で困難に立ち向かい、努力し続けることを意味します。
周囲の支持や理解が得られない中でも、個人が自らの信念や目標のために奮闘する様子を描写します。
先に紹介した独断専行と我田引水は、自己中心的な行動を指しますが、孤軍奮闘は、他に協力を得ることができない中での個人の努力や精神力を称賛するニュアンスを含んでいます。
まとめ
「一致団結」とは、多くの人が共通の目的に向かって力を合わせることを意味します。
個人で行動するよりも、他人と協力することで大きな成果を得ることができるという教えを含んでいます。
よく知られている表現であり、日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われるので、適切に活用するようにしたいですね。