「眉に唾をつける(まゆにつばをつける)」という慣用句があります。

「眉唾(まゆつば)」と略して使われることがよくありますね。

意味するところは、簡単に言うと、「疑わしい」や「信用できない」となります。

この記事では、「眉に唾をつける」の意味と例文、類義語や対義語まで詳しく紹介しています。

眉に唾をつけるの意味は?

「眉に唾をつける」とは、騙されないように警戒する、または用心するという意味の日本の慣用句です。

何かを信じる前に一度立ち止まり、疑ってかかる態度を取ることを勧める際に用いられます。

略して「眉唾(まゆつば)」「眉唾物(まゆつばもの)」とも言われます。

眉に唾をつけるの由来は?

「眉に唾をつける」は、昔から伝わる迷信や呪術的な行為に由来しており、悪いことから身を守るための呪い返しや護符として唾を使う習慣があったことに基づいています。

特にキツネやタヌキは人を欺く、騙す生き物と見なされてきました。

見た目は愛らしいですが、実はずる賢い存在というわけです。

そして、キツネやタヌキに騙されないための対策として、「眉に唾をつける」という迷信がありました。

この習慣は、キツネやタヌキが人間の眉毛の数を数えて変身するという信仰に基づいています。

唾液で眉毛を濡らして固めることで、その数を隠し、結果としてこれらの生き物に騙されることがなくなるとされていたのです。

眉に唾をつけるの使い方は?

眉に唾をつけるの使い方として、例文を5つ紹介します。

  1. 彼からの突然の謝罪メールを見て、何か裏があるのではと思い、眉に唾をつけることにした。
  2. その投資案件のリターンが高すぎると聞いて、すぐに眉に唾をつけるべきだと感じた。
  3. 新しいダイエット法が奇跡を約束しているが、眉に唾をつけて慎重に検討する必要がある。
  4. 彼の話はいつも眉唾のようで、半信半疑の状態で聞いている。
  5. その都市伝説はかなり眉唾だが、面白いと思う人も多いだろう。
  6. ネットで見つけた健康食品は、効果が科学的に証明されていない眉唾物だ。
  7. あの有名人が推薦している商品は、実際には眉唾物で、期待するほどの効果はないかもしれない。

1~3は「眉に唾をつける」を使った例、4と5は「眉唾」、6と7は「眉唾物」の例文となります。

眉に唾をつけるの類義語は?

「眉に唾をつける」の類義語としては、疑わしいという意味を持つ言葉となります。

以下に同じような意味を持つ表現を3つ紹介します。

胡散臭い(うさんくさい)

何かが信用できない、怪しい、または疑わしいと感じる状況を指します。

人や物事に対して不信感を抱いている時に使われます。

荒唐無稽(こうとうむけい)

根拠がなく、現実離れしているという意味で、話や主張が非現実的で信じがたいときに用います。

話が大げさであるとか、全くの作り話であることを示唆しています。

人を見たら泥棒と思え(ひとをみたらどろぼうとおもえ)

常に警戒心を持って人と接するべきだという意味で使われることわざです。

他人を過度に信用しないようにという教訓を含んでおり、常に疑いの目を持つことの重要性を説いています。

眉に唾をつけるの対義語は?

「眉に唾をつける」の直接的な対義語は存在しないようです。

ただ、信じてよいや信用できるという意味の言葉が対義語に近いでしょう。

そのような表現を以下に3つ紹介しました。

折り紙付き(おりがみつき)

人の能力や品質が高く評価され、その証として認められていることを意味します。

もともとは、商品などの品質が良いことを証明するために折り紙を添えて贈られたことから来ています。

お墨付き(おすみつき)

何かが公式に認められたり、信頼性が高いことを示す際に使われます。

かつて公文書に墨で印をつけることから、その事実や品質が公に保証されている状態を指します。

太鼓判を押す(たいこばんをおす)

何かに対して強い承認や支持を示す表現です。

文字通り、太鼓のように大きな印を押すことから、確実な信頼や賛同を意味しています。

まとめ

「眉に唾をつける」とは、騙されないように警戒することを意味する表現です。

略して「眉唾」や「眉唾物」とも言われ、疑わしい話や信じがたい情報に対して用いられます。

この言葉は迷信から生まれ、特にキツネやタヌキのような、人を欺くとされる生き物から身を守るための行為として始まりました。

迷信とはいえ、騙されないようにするための様子がよく分かりますね。

このような由来を知ることで、より適切に、そして慎重に使うことができるようになります。

ただし、そのネガティブな意味合いから、他人に対して使用する際には注意が必要です。