「目白押し」という慣用句があります。

人や物事が集まって、込み合っている様子を指す言葉です。

日常会話でもよく使われる表現ですね。

ただ、その由来についてはあまり知られていないようです。

特に「目白」という言葉が何を表しているのか、気になるところでしょう。

この記事では、「目白押し」の意味と由来、例文から類義語や対義語まで詳しく紹介しています。

目白押しの意味は?

「目白押し」は「めじろおし」と読みます。

多くの人や物事が集まって非常に混雑している状態、またはある場所やイベントなどに注目が集まり、人気が高い状態を指す表現です。

また、大勢で横に並んで押し合い、列から出た者が再び端に加わって押し合う遊びとして、「目白押し」というものがあります。

ただ、一般的にはあまり知られていないようで、遊びの名称として使うことは少ないかもしれませんが、地域によっては今でも楽しまれている場合があります。

目白押しの由来は?

「目白押し」の「目白」は、小さな鳥のメジロのことです。

メジロは木の枝に密集して止まる習性があります。

「目白押し」は、メジロがお互いに押し合うように並んでいる様子に由来しています。

メジロは目の周りに白い輪を持つ約12センチメートルの鳥で、この特徴が名前の由来となっています。

見た目は愛らしく、英語でもそのまま「white-eye」と呼ばれます。

このメジロが枝に集まって並ぶ習性から、人々が場所を争ってひしめき合う光景や、事象が一箇所に集中する状況を形容する際に「目白押し」という表現が生まれたというわけです。

目白押しの使い方は?

「目白押し」の使い方として、例文を5つ紹介します。

  • 新しいカフェのオープニングイベントには、お客さんが目白押しで、店内は満員だった。
  • 今月は、地元の祭りや旅行、コンサートなど楽しみな予定で目白押しだ。
  • 年末年始のセール期間中、デパートには特売品を求める買い物客が目白押しで、あちこちで長蛇の列ができていた。
  • この秋に開催されるコンサートは、人気アーティストが目白押しで、チケットは発売と同時に売り切れること間違いなしです。
  • 図書館の読書週間では、子供向けのワークショップや読み聞かせイベントが目白押しで、毎日多くの家族連れでにぎわっている。

目白押しの類義語は?

「目白押し」とよく似た意味を持つ表現として、次の3つを紹介します。

芋を洗うよう(いもをあらうよう)

人や物が非常に密集している様子を、芋を洗う際に芋同士がぎっしりと密接する様子に例えたものです。

主に人が密集している場面で使われます。

立錐の余地もない(りっすいのよちもない) 

「立錐」とは、針を立てるほどの小さなスペースのことです。

針を立てるほどの余地もないほど、非常に狭い空間に人や物がぎっしりと詰まっている状態を指します。

黒山の人だかり(くろやまのひとだかり)

人が集まってできた大群が、遠くから見ると黒い山のように見えることから来ています。

大勢の人が一箇所に集まっている様子、特に人だかりや群衆を形容するのに用いられます。

目白押しの対義語は?

目白押しの対義語も、以下に3つ紹介します。

猫の子一匹いない(ねこのこいっぴいきいない)

文字通りには「猫の子が一匹もいない」という意味で、人が全くいない非常に静かな状態を指します。

非常に人通りが少ない、または全くいない場所を表現するのに使われます。

閑古鳥が鳴く(かんこどりがなく)

閑古鳥は、訪れる人がいない寂れた場所に現れるとされる鳥です。

そこから、人の気配が全くなく、非常に静かで寂しい状況を意味します。

商店や施設などが客足が途絶え、閑散としている様子を表すのに用いられることが多いです。

門前雀羅(もんぜんじゃくら)

「雀羅」とは、雀が並んでいる様子を指し、門前に人の気配がなく、ただ雀が飛び交うほどに静かであることを意味します。

人の往来がほとんどない、訪れる人がいない場所の様子を表現します。

「門前雀羅を張る」とも言います。

まとめ

「目白押し」とは、人や物事が集まってとても混雑している様子を指します。

メジロが枝に密集して止まる習性から来た表現です。

メジロの特徴である目の周りの白い輪が、この表現に影響を与えています。

日常生活でもよく使われるので、この由来を知っておくと、言葉の背景を理解する上で役立ちますね。