「ちょこざい」という慣用句があります。
簡単に言うと、生意気や失礼という意味になります。
普段の会話でも使う表現ですが、文学作品や時代劇のセリフでもよく見かけることがあります。
また、独特な言い回しということもあり、方言ではないかという考えもあるようです。
実際のところは、どうなのでしょうか。
この記事では、「ちょこざい」の意味と由来、例文から類義語や対義語まで詳しく紹介しています。
ちょこざいの意味は?
「ちょこざい」という言葉は、生意気や抜け目ないという意味です。
自分自身より才能がないと考えられる相手に使うのが一般的です。
特に、能力がないと思われる人物が、まるで大きな才能を持っているかのようにふるまい、それが傲慢に映る際に用いられます。
なので、基本的に、自身より優れていると考えられる人物に対しては、この表現を使用することはありません。
また、時代劇などで「ちょこざいな」という表現をよく耳にすると思います。
そのため、どこかの方言なのでは?と疑問に思うかもしれません。
ですが、長い間にわたって使われてきた古い言葉ということであって、方言というわけではありません。
現在でも、基本的に日本全国のどこでも使われます。
ちょこざいの由来は?
まず「ちょこ」というのは、小さくて目立たない動きを指す言葉で、例えば「ちょこちょこと動く」などの表現に見られます。
「才」は、そのまま「才能」という意味です。
したがって、「ちょこざい」は文字通りには「小さな才能」という意味合いを持ちます。
そこから、「わずかな才能を持っているだけなのに、傲慢にふるまうな」というニュアンスで使われるようになりました。
また、「ちょこざい」を漢字で表すと、「猪口才」となります。
「猪口」は、お酒を飲む小さな器「おちょこ」に使われる漢字です。
ですが、「猪口才」の「猪口」は、特に深い意味を持たない当て字です。
なので、「おちょこ」は「ちょこざい」とは関係なく、由来とは言えません。
確かに「おちょこのように小さな存在が生意気な態度を取る」という解釈は、つじつまがあっており、もっともらしい考え方です。
けれども、実際にはこの解釈は間違いなので、特に注意が必要となります。
ちょこざいの使い方は?
「ちょこざい」の使い方として、例文を5つ紹介します。
- まだ入社して一ヶ月の新入社員が上司に意見するなんて、ちょこざいな態度だよね。
- 彼は普段から素直さに欠ける様子だったので、それを見かねた先輩から「ちょこざいこと言わずに、もっと素直にアドバイスを受け入れなさい」と注意された。
- 彼女のちょこざいな返答にはいつも困らされる。質問の意図を理解していないのか、それともただの生意気なのか分からない。
- 彼は、同僚に次の新商品開発プロジェクトのアイデアをパクられ、「ちょこざい真似をするな」と憤慨した。
- 試合中に相手チームが小細工を駆使してきたものの、最終的には私たちのチームワークと実力で勝利を手にした。勝負の世界は、ちょこざいテクニックで通用するような甘いものではない。
ちょこざいの類義語は?
ちょこざいの類義語としては、「生意気」や「抜け目ない」という意味の表現が考えられます。
- こざかしい
- しゃらくさい
- ずうずうしい
- 厚かましい
- 知ったかぶり
- 横柄(おうへい)
- 不遜(ふそん)
- 傍若無人(ぼうじゃくぶじん)
以上のような表現があげられます。
ちょこざいの対義語は?
「ちょこざい」の対義語としては、慎ましやかな態度を示す言葉が考えられます。
- おとなしい
- 謙虚な(けんきょな)
- 控えめな(ひかえめな)
- 素直な(すなおな)
- 誠実な(せいじつな)
- 実直な(じっちょくな)
- 慎み深い(つつしみぶかい)
- 謙遜する(けんそんする)
などの表現があげられます。
まとめ
「ちょこざい」とは、生意気や抜け目がない様子を指す言葉です。
自分自身より才能がないと考えられる相手が、あたかも大きな才能を持っているかのように振る舞う時に使われます。
そこには、大したことないのに、何を出しゃばっている!という不快感が見て取れます。
また、方言と勘違いされることがありますが、古くから日本全国で使われている表現です。
この言葉を使われないようにするためにも、自分の知らないことは素直に認め、自己中心的にならないよう心掛けることが大切ですね。
また、「ちょこざいな」行動は、時と場合によっては周囲の人々との関係性に影響を及ぼす可能性があるため、その使用には注意が必要となります。