「一騎当千」という四字熟語があります。
一人で千人の敵を打ち負かすほどの強者を指す言葉です。
才能ある人物を喩える表現で、スポーツやビジネスシーンで使われることがあります。
また、三国志を題材にした漫画やゲームなどでも登場しますね。
この記事では、「一騎当千」の意味と由来、例文から類義語や対義語まで詳しく紹介しています。
一騎当千の意味は?
「一騎当千」は「いっきとうせん」と読みます。
一人の人物が千人を打ち負かすほどの強さを持つことを表す言葉です。
比喩的に、一人で多くの人の仕事をこなす能力がある人や、圧倒的な力を持つ人物を指して使われます。
一騎当千の由来は?
「一騎当千」という言葉は、古代中国の歴史書「北史」に記された「一人当千(いちにんとうぜん )」という表現が起源と考えられています。
日本でも、室町時代を通じて「一人当千」として知られ、用いられていたようです。
その後、時間が経つにつれ、「一騎当千」という言葉の方が主流となり、現代に至るまで広く使われるようになりました。
この変遷は、南北朝時代の軍記物語である「太平記」において、一人で多くの敵を倒す武勇に優れた武将への賛辞として使われたことにも関連しています。
当初は武士の勇猛さを讃える言葉として始まりましたが、その後、非凡な能力や技術を持つ人物全般に対しても用いられるようになったのです。
一騎当千の使い方は?
「一騎当千」の使い方として、例文を5つ紹介します。
- 小さな村を守るため、老将はかつて一騎当千の勇士として多くの敵を退けた伝説を持っている。
- そのサッカー選手は一騎当千の大活躍で、チームを勝利に導いた。
- 彼女はプロジェクトチームで一騎当千の実力を見せ、困難な課題も自らの手で解決していった。
- 一騎当千といえば、三国志における呂布の名がすぐに思い浮かぶ。無双の武勇で知られ、数多の敵を一人で打ち倒した伝説の武将だ。
- ヒーローものの漫画やアニメには、一騎当千に相応しいキャラクターがよく登場し、圧倒的な力で物語が華やかに彩られる。
一騎当千の類義語は?
「一騎当千」とよく似た意味を持つ表現として、次の3つを紹介します。
天下無双(てんかむそう)
この世に二つとないほどの唯一無二の存在や能力を意味します。
文字通り、「天下に双(ふた)つなし」という意味で、比類なき才能や技を持つ人物を指す表現です。
百戦錬磨(ひゃくせんれんま)
多くの戦いを経験し、その都度磨きをかけてきたことから、非常に高い技術や知識を身につけている状態を指します。
字どおり、百度の戦いを経て錬磨されたという意味で、経験豊富で熟練した技能を持つ人物に用いられます。
万夫不当(ばんぷふとう)
どれだけ多くの人が挑んでも太刀打ちできないほどの強さや能力を持つことを指します。
「万夫」とは多数の人々を示し、「不当」は「当たっても勝てない」という意味になります。
スポーツやビジネスのシーンで、圧倒的な力や技術を持つ人物やチームを表す際によく使われます。
一騎当千の対義語は?
一騎当千の対義語としてふさわしい表現として
- 役立たず
- 力不足
- 無能
- 凡庸
- 半人前
などがあげられます。
ことわざや特殊な慣用句というわけではありませんが、個人や集団の力が非常に弱いことや、影響力が乏しいことを示す言葉となります。
まとめ
「一騎当千」とは、一人の力で千人に匹敵するほどの強さを持つ人物を指す言葉です。
古代中国の歴史から日本の武士文化に至るまで、長い歴史を通じて英雄や才能ある人物を称えるのに使われてきました。
現在でも、スポーツやビジネスの場面で、人並み外れた能力を持つ人物を表現するのに用いられることがあります。
軍記物を題材とした漫画やゲームなどでも取り上げられることがあるので、覚えておくと便利な表現です。