「どこの馬の骨」という慣用句があります。
身元や素性が分からないという意味で、否定的な文脈で使われるのが一般的です。
気になるのは、馬の骨という言葉ですね。
なぜ、このような表現が使われているのでしょうか。
この記事では、「どこの馬の骨」の意味と由来、例文から類義語まで詳しく紹介しています。
どこの馬の骨の意味は?
「どこの馬の骨」という表現は、その人の出自や背景が不明であること、または無名であることを意味します。
一般的に、身元がはっきりしない人や、名前を知られていない人を指して使われることが多いです。
「どこの馬の骨だかわからない」や「どこの馬の骨だか知れない」といった形でよく用いられます。
その人の出自や身元が不明であることを示し、そういった不透明な背景を持つ人物の発言は疑わしいとされたり、身元不明の人との交流は避けたほうが良いとされるなど、否定的な意味合いで使われるのが一般的です。
どこの馬の骨の由来は?
「馬の骨」という表現は、古代中国のことわざである「一に鶏肋、二に馬骨」に由来しているとされます。
「一番役に立たないものとして鶏肋があり、次に役立たずとされるのが馬骨である」という意味になります。
鶏肋というのは鶏の肋骨のことで、非常に細くて何の用もないとされます。
そして、馬の骨もただ場所を取るだけで、何の価値もないと見なされてきました。
このことから、「一に鶏肋、二に馬骨」という言葉は、全く価値のないもの、つまり誰からも必要とされないものを指すようになったということです。
「馬の骨」という表現が、身元不明で信頼できない人物をさげすむ形で使われるようになった背景には、素性や出自が不明な人物に対する不信感があると考えられます。
現代社会でも、就職活動において履歴書が求められるなど、人の背景に対する関心は高く、紹介や推薦が信頼を得やすい手段となっています。
そのため、特に情報が限られていた昔の時代は、知らない人物に対する警戒心は一層強かったと考えられます。
どこの馬の骨の使い方は?
「どこの馬の骨」の使い方として、例文を5つ紹介します。
- 娘が連れてきた交際相手がどこの馬の骨だか分からない男で、彼のことをもっと知る必要があると感じた。
- 突然新しいプロジェクトリーダーを紹介されたが、どこの馬の骨とも知れない人物に大事な仕事を任せられるのか疑問に思った。
- 怪しげなアンケート調査の電話がかかってきたが、どこの馬の骨か分からないような相手に、詳しい話をするわけにはいかないと警戒した。
- どこの馬の骨だか分からない相手に負けるなんて、自分には絶対に許せない。この試合、何が何でも勝つと誓った。
- 友人との激しい口論の末、カッとなって「どこの馬の骨かわからぬやつに何も話すことはない!」と言い放ってしまった。
「どこの馬の骨」という表現は、相手の出自や身元が不明であることを指摘する際に使われることが多く、基本的には否定的なニュアンスを含んでいます。
そのため、この言葉を使う際には大きな注意が必要です。
特に、直接相手に対してこの表現を用いることは、非常に失礼な行為と捉えられかねません。
使用する場面を選び、その文脈や相手との関係性を慎重に考慮することが重要です。
どこの馬の骨の類義語は?
「どこの馬の骨」とよく似た意味を持つ表現としては
- 身元不明の
- 素性が知れない
- 出所不明の
- 正体不明の
- 名もなき
などがあげられます。
相手の出自や身元が不明であること、または無名であることを示す際に用いられますが、「どこの馬の骨」と同じように、否定的なニュアンスを含むため、対象となる人物や聞き手に失礼にあたらないよう慎重に使用する必要があります。
まとめ
「どこの馬の骨」という表現は、相手の出自や身元が不明であることを示す言葉です。
由来は、馬の骨が役に立たないとされたことから来ているというのは興味深いですね。
ただし、この表現は蔑む意味を含むため、使用する際には大きな注意が必要です。
特に、相手に直接この言葉を使うことは非常に失礼な行為となり得るため、言葉を選んで慎重に表現することが求められます。