「勇猛果敢」という四字熟語があります。

恐れることなく、勇ましく行動する様子を意味します。

現在はポジティブな意味で使われますが、由来は意外にも否定的な意味で用いられたようです。

この記事では、「勇猛果敢」の意味と由来、例文から類義語や対義語まで詳しく紹介しています。

勇猛果敢の意味は?

「勇猛果敢」は「ゆうもうかかん」と読みます。

恐れずに積極的に行動することを意味します。

勇ましくて勢いがあり、困難や障害に直面してもためらわず、決断していく様子を表しています。

基本的に、良い意味で使われる言葉です。

勇猛果敢の由来は?

「勇猛果敢」という言葉は、中国の前漢時代に書かれた「漢書」の「翟方進伝」にその起源を持ちます。

この中に、丞相翟方進が成帝の時代に、成帝の妻の父である紅陽侯とその一派を批判した言葉が記されています。

皆內有不仁之性、而外有俊材、過絕人倫、勇猛果敢、處事不疑。

日本語に訳すと、誰もが内面に不道徳を持ちながら、外見上は才能があり、通常の倫理を超えた行動を取り、恐れずに行動するが、自らが不道徳であることには自覚していない、となります。

そして、翟方進のこの批判を成帝が受け入れ、紅陽侯らを職から解き、故郷に返します。

このエピソードから、「勇猛果敢」という言葉が生まれました。

ただ、この由来から分かるように、批判する言葉として使われたので、元々はネガティブな意味を含んでいたようです。

「勇猛果敢」は「勇猛」と「果敢」という二つの言葉から成り立っています。

「勇猛」は、その字が示す通り、勇気があり力強い様子を指し、「果敢」は、一字ずつ見ると、「果」は大胆な行動を意味し、「敢」は大胆に何かを行う決心を表します。

そして、現在は、恐れることなく大胆に行動し、勇気と決断力を兼ね備えた状態を意味するようになりました。

勇猛果敢の使い方をご紹介

「勇猛果敢」の使い方として、5つの例文を紹介します。

  • 彼女は勇猛果敢に新しいプロジェクトに取り組み、チームを成功に導いた。
  • 災害救助隊は勇猛果敢に危険な地域へと進入し、多くの命を救った。
  • サッカーの試合で優勝候補チーム相手に勇猛果敢に挑んだが、惜しくも敗れてしまった。
  • 彼は勇猛果敢に難問に立ち向かい、多くの人が避けて通るような課題も解決していく。
  • 未知の領域への探検は、勇猛果敢な心がなければ成し遂げられない挑戦だ。

勇猛果敢の類義語をご紹介

「勇猛果敢」に似た意味を持つ言葉として、次の2つの表現を紹介します

剛毅果断(ごうきかだん)

非常に強い意志と、物事を迅速に決断し実行する力を持つ様子を表します。

ここでの「剛毅」は、揺るぎない強さと勇気を、「果断」は、決断力とその決断を実行に移す速さを意味します。

特にリーダーシップや決断力が求められる状況で使われることが多いです。

猪突猛進(ちょとつもうしん)

猪のように何ものにも阻まれることなく直進する様子を表す言葉で、目標に向かってひたすら前進し続ける強い意志と行動力を意味します。

この表現は、目的に対する強い集中力と推進力を持つが、時には周囲の状況を見落とすことがあるという否定的なニュアンスも含まれています。

勇猛果敢の対義語をご紹介

「勇猛果敢」と反対の意味を持つ言葉として、「優柔不断(ゆうじゅうふだん)」があげられます。

物事に対して決断力がなく、ぐずぐずとしたり、決めかねたりする態度を表します。

「優柔」とは柔らかく優しいことを意味し、「不断」とは決断できないことを指します。

この言葉は、行動を起こす際の迷いや、決定を下すことへの躊躇を表現する際に用いられます。

勇敢に前進することを躊躇し、目の前の選択肢に対して明確な判断を下せずにいる状態を指摘する際に使われることが多いです。

まとめ

「勇猛果敢」という表現は、恐れることなく積極的に行動する強い姿勢を称えるものですが、その起源が否定的な文脈にあったというのは、興味深い点です。

言葉の歴史を振り返ることで、ただ勇敢に行動するだけでなく、その行動が向こう見ずなものにならないよう注意する必要性がありますね。

勇猛果敢な行動を心掛ける際には、その背景にある教訓を思い出し、賢明な判断も同時に重要であることを忘れずにいたいものです。