「我が身をつねって人の痛さを知れ(わがみをつねってひとのいたさをしれ)」ということわざがあります。

自分の経験から、他人の痛みを理解することの重要性を説いた言葉です。

この記事では、「我が身をつねって人の痛さを知れ」の意味と由来、例文を用いて使い方も詳しく説明しています。

我が身をつねって人の痛さを知れの意味は?

「我が身をつねって人の痛さを知れ」ということわざは、自分が経験した痛みや困難を思い出すことで、他人の苦痛や困難に共感し、理解を深めるべきだという意味です。

自分自身の経験を通じて、他人の苦しみや感情を理解することの重要性を説く言葉です。

自分が嫌なことは他人にもしてはいけないという教訓も含まれています。

我が身をつねって人の痛さを知れの由来は?

「我が身をつねって人の痛さを知れ」の起源は、鎌倉時代の武将・北条重時が記した「極楽寺殿御消息」という家訓にあるとされています。

この文書には、「女性などが、自分をつねって他人の痛みを理解するということわざを使うが、それは根拠のある、理にかなった言葉である」と記されています。

これは、弱い立場の人々がこのことわざを用いることの妥当性を示しています。

「つねる」という動作は、漢字で「抓る」と表され、肌を爪や指先で強く摘んでねじる行為を指します。

特に皮膚が薄い部分、例えば二の腕の内側や太ももの内側などは、かなりの痛みを感じますよね。

そこで、「我が身をつねって人の痛さを知れ」という言葉は、自分自身をつねることで他人が同じようにつねられた時の痛みを理解し、他人に対する共感や思いやりを持つべきだと教えているわけです。

我が身をつねって人の痛さを知れの使い方は?

続いて、「我が身をつねって人の痛さを知れ」の使い方として、5つの例文を紹介します。

  • 我が身をつねって人の痛さを知れという古いことわざが、今日の私たちにも大きな意味を持っている。他人の感情を理解することは、より良いコミュニケーションの基礎となる。
  • 彼女はいつも他人の気持ちを考える。まさに我が身をつねって人の痛さを知れという言葉を体現している。
  • 現在の深刻ないじめの問題を解決するには、我が身をつねって人の痛さを知れという教訓を忘れてはならない。自分たちの立場を他人に置き換えて考えることが重要だ。
  • 我が身をつねって人の痛さを知れとは言うものの、他人の苦しみを完全に理解するのは難しい。それでも、できる限りの共感を示すことが大切だ。
  • 彼は我が身をつねって人の痛さを知れという言葉を常に心に留めている。だからこそ、彼の周りの人々は彼を信頼し、尊敬している。

我が身をつねって人の痛さを知れの類義語は?

「我が身をつねって人の痛さを知れ」のよく似た意味を持つ表現として、「己の欲せざる所は人に施す勿れ(おのれのほっせざるところはひとにほどこすなかれ)」があげられます。

自分が望まないことは他人にもしてはいけない、という意味を持つ言葉です。

「我が身をつねって人の痛さを知れ」と同じように、自分が嫌だと感じる行為や態度を他人に対しても行うべきではないという教訓を含んでいます。

他人に対する配慮や尊重の精神を強調し、自分の行動を他人の立場に置き換えて考えることの重要性を教えています。

我が身をつねって人の痛さを知れの反対語は?

「我が身をつねって人の痛さを知れ」の反対の意味を持つ表現をあげるなら、「我田引水(がでんいんすい)」がふさわしいでしょう。

自分の利益のために行動し、他人や公共の利益を考慮しない態度を指します。

文字通りには、「自分の田んぼに水を引く」という意味で、自己中心的で他人のことを顧みない行動を表しています。

「我が身をつねって人の痛さを知れ」が他人の感情や立場に共感し、思いやりを持つことを促すのに対し、「我田引水」は自分の利益を最優先し、他人の状況や感情を無視する姿勢を示しています。

まとめ

「我が身をつねって人の痛さを知れ」ということわざは、他人の感情を理解するためには、自分自身の経験を思い起こし、他人の立場に立って考えることの重要性を教えています。

時や場所をとわず、他人の気持ちを理解しようとする姿勢は大切ですね。

また、実際に自分が同じ経験をしなくても、思いやりを持ち、自分が嫌なことを他人にしない心構えも重要です。

特に現在では、SNSでの心ない一言が、他人を大きく傷付けてしまうことがあるので、注意したいですね。