「千客万来(せんきゃくばんらい)」という四字熟語があります。

商売繁盛の象徴として、よく使われる言葉ですね。

商売の成功を願う方にとっては、必ず押さえておきたい表現です。

この記事では、「千客万来」の意味と、例文から類義語や対義語まで詳しく紹介しています。

千客万来の意味は?

「千客万来」とは、非常に多くの客が絶え間なく訪れることを意味する日本語の成句です。

直訳すると「千の客が来る、万の客が来る」となりますね。

次々とお客さんが訪れ、途切れることがない状況を示し、商売が成功していることを比喩的に表しています。

「千」「万」という大きな数字を使って、お客さんの数を強調しているわけです。

由来についは、詳しいことは分かっていません。

ただ、1811年に出版された「雑俳・柳多留」という川柳集に「千客万来みな来るとこまる也」という句があるようです。

「雑俳・柳多留」は、江戸時代中期から幕末にかけてほぼ毎年出版されていた川柳の歌集です。

したがって、江戸時代の商人文化が盛んだった時期に、この表現が生まれたと考えられています。

現在も「千客万来」は、商売繁盛や大いに栄える様子を表現するのに使われます。

店舗やビジネスが非常に成功している、またはとても人気がある状況を描写する際によく用いられます。

千客万来の例文をご紹介

続いて、「千客万来」の使い方として、5つの例文を紹介します。

  • 新しくオープンしたレストランは、その美味しい料理と素敵な雰囲気で評判となり、まさに千客万来の盛況ぶりだ。
  • 地元の祭りが開催されると、毎年千客万来で、町中が活気に満ち溢れる。
  • かつてのVRゲームセンターは千客万来の人気を誇っていたが、ブームが去った今では、そのような賑わいは遠い昔の話となってしまった。
  • 彼は自身の開催する展覧会の成功を願い、神社で千客万来のご祈祷をしてもらった。
  • 彼女の開業した美容院は、卓越した技術と心地よい接客で、開店以来千客万来の状態が続いている。

千客万来の類義語をご紹介

次に、「千客万来」の類語表現として、以下の3つを紹介します。

門前成市(もんぜんせいし)

文字通りには「門前に市が成立する」という意味で、寺院や神社の門前で賑わう市場を指します。
転じて、多くの人が集まり、非常に賑わう様子を表す言葉として使われます。

門前市を成す(もんぜんいちをなす)とも言われます。

満員御礼(まんいんおんれい)

劇場やイベントなどが満員になった際に使われる言葉で、多くの人が集まり、大成功を収めたことを感謝する表現です。

人波続々(じんぱぞくぞく)

絶え間なく多くの人々が訪れる様子を指す言葉で、人の波が次から次へと押し寄せるような状況を表しています。

千客万来の対義語をご紹介

「千客万来」と反対の意味を持つ表現も、3つ紹介します。

閑古鳥が鳴く(かんこどりがなく)

店舗や施設が客足が遠のき、非常に静かである様子を表す言葉です。
人のいない寂しい状況を象徴的に表現しています。

門前雀羅(もんぜんじゃくら)

門前に人の姿がほとんどなく、静かであることを意味する言葉です。
特に、寺院や神社などが参拝者に見放された状態を表します。

商売あがったり

商売がうまくいかず、経営が困難な状態になることを意味する言葉です。
商売が衰退しているか、または失敗している状況を示します。

まとめ

「千客万来」という言葉は、商売繁盛の象徴として長い間親しまれてきました。

お店やイベントなどがお客さんでいっぱいになる様子を表し、その様子を称賛するにもぴったりな表現です。

祈願の言葉として商売を始めるときなどに使いますが、お祝いの意味もあるので、お世話になっている人たちにもその意を伝えるときに用いると良いですね。