何かを決めるときなどに、よくじゃんけんを使いますね。
私たちにとって、とても身近なもので、日常生活に溶け込んでいますが、その背景には日本独自の文化的な発展が関係しています。
この記事では、じゃんけんの起源から現代に至るまでの変遷を、興味深いエピソードとともにご紹介します。
じゃんけんの発祥の地はどこ?
まず、じゃんけんの発祥の地はどこかというと。
実は、日本が発祥の地と言われています。
じゃんけんの起源は明確ではありませんが、一説によると、じゃんけんは中国から伝わったとも言われています。
しかし、現在私たちが知っているような形の手遊びは、日本で生まれたと考えられています。
つまり、「グー」が石を、「チョキ」が鋏を、「パー」が紙(または布)を表すというルールですね。
この形式は日本独自のもので、現在でも国民的なゲームとして根付いている考えられています。
じゃんけんの歴史は?
先述のとおり、じゃんけんの起源は完全には明らかではありません。
ですが、現在日本で行われている「グー、チョキ、パー」という形式は、日本独自の発展を遂げたものとされています。
じゃんけんの原型となったのは、一般的には中国から九州に伝わった「虫拳」という遊びであると考えられています。
虫拳は、虫や動物を模した手の形で勝敗を決める遊びで、これが日本で独自に変化し、現在のじゃんけんに発展したようです。
特に、明治時代に入ると、数拳の要素が加わり、新しく「石」「紙」「鋏」の意味を与えられ、三すくみの構成が作られました。
数拳とは、手の指を使って数を表す古い中国の遊びです。
例えば、指を一本だけ立てることで「1」を、二本立てることで「2」を表現するなど、指の数や形で様々な数字を示します。
数拳の遊びは、日本に伝わると、よりシンプルな形である「グー、チョキ、パー」に進化しました。
江戸時代には、じゃんけんについての記載はほとんど存在しませんでしたが、文政時代に歌川広重が作成した「ふうりゅうおさなあそび」には、チョキとグーらしき手遊びをしている幼児が描かれています。
これがじゃんけんの初期の形態である可能性があるようです。
また、天保時代に刊行された「誹風柳多留」には、じゃんけんと共通した拳遊戯に関する川柳が含まれています。
明治に入ると、じゃんけんはより広く普及し始めました。
明治半ばには、「ジャンケン」という語が石拳の一名として存在していたとされ、その後もじゃんけんは日本全国に広まりました。
20世紀に入ると、じゃんけんは日本の海外発展や柔道などの日本武道の世界的普及、日本発のサブカルチャー(漫画、アニメ、コンピュータゲームなど)の隆盛に伴い、世界中に広がりました。
じゃんけんのチョキは、もともと数拳で2を表す人差し指と親指を伸ばす形で和鋏の形状をイメージしたものでしたが、国内を伝播するうちに洋鋏からイメージされた人差し指と中指を使うチョキが派生しました。
現在のチョキは、人差し指と中指を使うことがほとんどですね。
親指と人差し指でチョキを作ることをたまに見かけますが、ごく稀な例だと思います。
このような変化と発展を遂げながら、じゃんけんは日本の文化の中で進化し、現在では世界中で楽しまれている遊びとなっています。
まとめ
じゃんけんの起源は中国にあるというのが一般的な説ですが、現在のような形になったのは日本でのことであり、日本が発祥の地と言われることが多いです。
特にシンプルな形式が広く人々の間で受け入れられるようになり、それゆえに日本だけでなく世界各地で親しまれるようになっています。
普段の何気ない遊びから、ちょっと真剣な決め事まで、じゃんけんは私たちの生活に欠かせない存在となっていますね。