節分といえば、豆まきや恵方巻きを食べるのが定番ですね。
ですが、一部の地域では、イワシを食べたり、イワシの頭を飾るという風習があります。
なぜ、節分の日にイワシ?と疑問に思う方も多いでしょう。
この記事では、節分にイワシを食べたり、イワシを飾る理由・由来について、詳しく説明しています。
節分にイワシを食べる理由とは?
では、なぜ節分にイワシを食べるのでしょうか?
まず、節分には「柊鰯(ヒイラギイワシ)」という風習があります。
これは、焼いたイワシの頭にヒイラギの枝を指して玄関に飾る習慣です。
この風習の背景には、イワシを焼く際に発生する煙と強い臭いが邪気を追い払うという信仰があります。
また、ヒイラギの尖った葉が鬼の目を刺すという魔除け・厄払いの意味も込められています。
節分にイワシを食べる習慣は、主に関西地区などの西日本で見られますが、関東や福島などの東北地方でも一部行われています。
この習慣が定着した理由としては、イワシはDHAやカルシウムなど栄養価が高く、昔から庶民の健康管理に役立っていたことが挙げられます。
また、イワシの「弱し(よわし)」や「卑し(いやし)」という語源から、体内の「陰の気を消す」意味があるとされています。
2月3日が旧暦の大晦日にあたり、寒い時期に無病息災を願って栄養価の高いイワシを食べる習慣が根付いたと考えられています。
このように、節分にイワシを食べる風習には、古くからの信仰や健康への配慮が深く関わっているというわけです。
節分にイワシの頭を飾る理由とは?
続いて、節分にイワシの頭を飾る理由について説明します。
節分にイワシの頭を飾る理由は、先に述べた節分にイワシを食べる習慣と深く関連しています。
節分にイワシを食べる背景には、邪気を追い払い、健康を願うという意味が込められていました。
この「家族の安全と健康への願い」は、イワシの頭を飾る行為にも共通しています。
つまり、イワシの頭を飾ることにより、家庭を災いから守り、家族の健康を祈るという、節分の日の大切な役割を果たしているということです。
なので、食べることで体内から、飾ることで家の外から、イワシを通じて厄払いを行うというのが、この習慣の重要なポイントとなります。
いわば、イワシを使った「家族を守るおまじない」のようなものですね。
節分の日にイワシを食べ、その頭を飾ることは、日本の伝統的な厄払いの方法として、長年にわたり大切にされてきた文化の一つというわけです。
節分でのイワシの食べ方は?
次に、節分の日に良いとされるイワシの一般的な食べ方を紹介します。
節分の日には、多くの家庭で「イワシの塩焼き」が食されます。
塩焼きは、シンプルながらも栄養豊富な料理であり、家族の健康を願う心を表しています。
イワシは、DHAやEPAなどの健康に良い成分を多く含んでおり、古くから「身体を強くする魚」として親しまれてきました。
イワシの塩焼きの作り方は、まずイワシをきれいに洗い、内臓を取り除きます。
次に、軽く塩を振り、焼き網やフライパンでじっくりと焼きます。
焼き上がったイワシは、外はパリッと、中はふっくらとしていて、そのままでも、大根おろしやレモン汁を添えても美味しくいただけます。
また、イワシの煮物も節分にはぴったりです。
イワシを醤油、砂糖、みりんで甘辛く煮付けると、子どもから大人まで幅広く楽しめる一品になります。
イワシの煮物は、ご飯のおかずにも最適で、家族団らんの食卓を豊かにしてくれます。
節分にイワシを食べるという習慣は、家族が一緒に過ごす時間を大切にし、互いの健康を願うような、温かい家庭の風景を思い起こさせますね。
シンプルとはいえ、これらの伝統的な食べ方は、日本の家庭に受け継がれる大切な文化の一つと言えるでしょう。
まとめ
私は大阪出身ですが、実家で節分にイワシを食べたり、頭を飾ったりしたことはないと思います。
記憶があいまいなので何とも言えないですが、関西でもこのような習慣が根付いていないところもあると思われます。
しかし、節分にいわしを食べたり、その頭を飾る習慣は、日本の伝統的な文化の一つとして、長年にわたり大切にされてきたようです。
この風習は、単に美味しい食事を楽しむだけでなく、家族の健康や安全を願う深い意味が込められています。
いわしの塩焼きや煮物など、シンプルながらも栄養豊富な料理は、節分の日の家族団らんをより特別なものにしてくれます。
馴染みのない方もいらっしゃると思いますが、節分の日にいわしを食べ、その頭を飾ることは、日本の家庭で受け継がれる、温かくて素敵な伝統と言えますね。