普段、あいさつの言葉として何気なく使っているであろう「こんにちは」。
言葉として口に出すときは問題ないのですが、文章にすると「こんばんは」と「こんばんわ」の2通りがありますよね。
この2つに違いはあるのでしょうか?
どちらかが正しくて、どちらかが間違っているのでしょうか?
この記事では、「こんばんは」と「こんばんわ」の使い分けについて説明いたします。
日本語として正しいのは?
2通りの表記があるので、混乱してしまうものですが。
そもそも「こんにちは」と「こんばんわ」のどちらかが正しくて、どちらかが誤りということはあるのでしょうか。
結論から言ってしまうと、実は日本語として正しい表記は「こんにちは」なんです。
実際に小学校の授業でも習いますし、広辞苑などの日本語の辞書でも「こんにちは」が採用されています。
辞書では「こんにちわ」は載っていません。
載っていたとしても、誤用(誤った用法)であるとの注意書きがされているようです。
「こんにちは」の由来
「こんにちは」が正しい用法であるということは、その由来を知ると分かりやすくなります。
そもそも「こんにちは」を漢字にすると、「今日は」になります。
そして、「こんにちは」は
- 「今日はごきげんいかがですか?」
- 「今日はお元気ですか?
- 「今日はよいお天気ですね」
といった日常のあいさつの言葉に由来します。
この後半部分の「ごきげんいかがですか」などが省略されて「今日は」になり。
さらに、ひらがなで表記されて「こんにちは」になったと言われています。
なので、「こんにちは」の「は」は助詞ということになります。
例えば、「日本は島国だ」や「東京は人口が多い」などの「は」と同じということですね。
助詞の「は」を「わ」にしてしまうと、「日本わ~」「東京わ~」となって、おかしな書き言葉になってしまいます。
したがたって「今日わ(こんにちわ)」もおかしな表現になるということです。
同じように、夜のあいさつである「こんばんは」も「今晩は」から来ており、「こんばんは」が正しく「こんばんわ」は間違いということになります。
「こんにちわ」が使われる理由
「こんにちは」が正しく「こんにちわ」が間違っているといっても、現在両方使われていますよね。
これは何故なのでしょうか?
これには色々な説がありますが、一番大きな理由は特に若者の間で「こんにちわ」を使うことが広まっているからだと思います。
今の若い世代の方たちは「こんにちは」をあまり使わず、「こんにちわ」の方を好んで使いますね。
SNSなどでも「こんにちわ」をさらにひねった「こんちわっす!」「こんちわ~」「ちわっす!」といった話し言葉のような表現をよく見かけます。
「こんにちは」の「は」は口に出すと「わ(WA)」と発音されるので、これらの表現では「わ」を使った方が自然なのでしょう。
「こんにちわ」が間違っていると知らない人も多そうですが、間違いと知ったうえで使っている人もいそうです。
このような若者の間での「こんにちわ」の使い方が、他の世代にも徐々に広まっていると考えられます。
ビジネスの場では「こんにちは」を使うべき
言葉というのは日々変わっていくものなので、「こんにちわ」という言葉もそのうち正しい表現になるかもしれません。
現在でも友達同士の気軽な会話では「こんにちわ」を使うことは問題ないでしょう。
ですが、ビジネスの場では「こんにちは」を使うべきです。
特にビジネスメールで「こんにちわ」を使うと、とても失礼になります。
日本語の正しい使い方を知らないと思われても仕方ありません。
もちろん、ビジネスの場で「こんにちわ」を使っても問題なしという時代が来るかもしれませんが、さすがに今はまだそういう時代ではありません。
実際、私の知人が「こんにちわ」と書かれたメールを見て、その差出人をバカにしていたことがあります。
「日本語の使い方を知らないと自分で言っているようなものだ」とかなり不快に思っているようでした。
そういうこともあり、私自身も「こんにちわ」を使うことには抵抗があり、たとえ気心の知れた友人に対しても「こんにちは」しか使っていなかったりします。
まとめ
「こんにちは」と「こんにちわ」はどちらが正しいのか、両者の使い分け方も説明しました。
まとめると、
- 「こんにちは」が正しい日本語で「こんにちわ」は間違い
- 「こんにちわ」もいつかは正しい日本語になりそう
- ビジネスの場では「こんにちは」を使うべし
以上となります。
ご参考になれば幸いです。