ラフマニノフの曲は、映画やドラマなどでよく使われます。

おそらく「ピアノ協奏曲第2番」が最も多く使われていると思いますが、「パガニーニの主題による狂詩曲」が使わることも多いです。

特に第18変奏は有名で、いくつかの有名な映画にも使用されています。

「パガニーニの主題による狂詩曲」第18変奏

その1つに「ある日どこかで」という映画があります。
私はこの映画がきっかけで、ラフマニノフという作曲家と「パガニーニの主題による狂詩曲」という曲を知りました。

それからというもの、ラフマニノフが私の1番大好きな作曲家となり、「パガニーニの主題による狂詩曲」もお気に入りの曲となっています。
スマートフォンになる前のガラケー時代に、「パガニーニの主題による狂詩曲」の第18変奏を着信音にしてたくらいです(汗)

今回は、一部の映画ファンからは支持が高い「ある日どこかで」をご紹介します。
一部ネタバレを含んでいますが、ご容赦ください。

「ある日どこかで」の概要と感想

概要
  • 公開日(アメリカ):1980年10月3日
  • 公開日(日本):1981年1月31日
  • 主演:クリストファー・リーヴ
  • 時間:103分
  • 制作国:アメリカ合衆国

原題は「Somewhere in Time」
「スーパーマン」を演じ一躍有名になった、クリストファー・リーヴ主演の映画です。

私はこの映画を観て、クリストファー・リーヴのファンになりました。
DVDやサントラ盤も買ってしまい、今までに8回くらい観てます(汗)

ストーリーは、主人公が過去にタイムスリップしてその時代の女性と恋におちるという、とてもロマンチックなお話です。
正確には、現在でその女性に恋をして、過去にタイムリープして会いにいくというあらすじなんですけどね。

映画公開当時はあまりヒットしなかったようです。
陳腐なラブストーリーと酷評する評論家も多く、クリストファー・リーヴもインタビューで大根役者と言われ、苦しかった胸の内を語っていました。

ですが、その後ビデオやDVDが普及して、コアなファンが増えたという経緯があるようです。
私もその1人ということになりますね。

クリストファー・リーヴが演じたのは、脚本家のリチャード・コリアーという人物。

恋のお相手なるのは、ジェーン・シーモアが演じるエリーズ・マッケナという過去に活躍した女優さんという設定です。
ジェーン・シーモアといえば、007の「死ぬのは奴らだ」ボンドガールとして有名ですね。

さらに、エリーズのマネージャーであるロビンソンという人物を、クリストファー・プラマーが演じています。

こうして見ると、なかなか豪華な顔ぶれですね。

で、主人公のリチャードが大好きな曲として、ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」第18変奏が登場します。

印象的なのは、リチャードとエリーズがボートに乗っているときに、リチャードが鼻歌でハミングするシーンです。

ボートをこいでいたリチャードが「パガニーニの主題による狂詩曲」第18変奏を口ずさむのですが。
エリーズは、素敵な曲だと感じて曲名を尋ねます。

リチャードが「ラフマニノフのラプソディ」と教えますが。
エリーズはラフマニノフは好きだけど、その曲は知らないと答えます。

それもそのはず、時代は1912年で「パガニーニの主題による狂詩曲」は作曲されていなかったというわけです。
ラフマニノフがこの曲を完成させたのは1934年ですからね。

ラフマニノフはスイスのルツェルン湖にある別荘で、「パガニーニの主題による狂詩曲」を作成しました。
リチャードがハミングしたシーンも湖だったので、映画でも作曲した背景を意識したのかなと想像しています。

その他にも「パガニーニの主題による狂詩曲」の第18変奏は何度か流れます。
すでにエリーズが亡くなった現在で、彼女が大好きだったオルゴールから流れる曲が「パガニーニの主題による狂詩曲」の第18変奏だったりと。

そんな感じで、リチャードが過去にタイムリープしたことで、色々な伏線もちりばめられています。
「ああ、このシーンはあのときの!」とうならされる場面もあるので、ぜひ伏線回収にも注目していただければと思います。

映画の冒頭で、リチャードのもとに年配の女性が立ち寄ってきて

「Come back to me(帰ってきてね)」

と、懐中時計を渡して声をかけるのですが。
映画全編を見ると、その謎も解けます。

ただ、ラストシーンは…
う~ん、どうなんだろう。

学生時代に私の妹に見せたら「え~」と嘆き。
友人に見せても「よく分からん」と。
結婚してから私の妻にも見せたら「うわ~」とため息をついていました…

それゆえに、「Come back to me」というセリフは、かなり切ないものがあります。

個人的な印象として、ロマンチックかつセンチメンタルというラフマニノフの曲の特徴が、この映画にとても合っていると思います。

そして、エリーズを演じたジェーン・シーモアが、めちゃめちゃ綺麗です。
そりゃあ、一目惚れするわ~

クリストファー・リーヴもカッコいいですが、ジェーン・シーモアの美しさはちょっと浮世離れした感じでした。

また、この映画の撮影中に、実際に2人は恋仲になったそうです。
結局2人は結ばれることはありませんでしたが、クリストファー・リーヴが亡くなるまで友人としての信頼関係は続いたとのことです。

この辺の事情も、ジェーン・シーモアがインタビューで少しだけ触れていましたね。

まとめ

私が「ある日どこかで」を初めて観たのは、たまたまテレビで放送されたときです。

中学生のときでしたね、受験勉強をしながら観ました。
観ているうちに夢中になり、勉強そっちのけで映画を観てしまいました(汗)

ただ、「ある日どこかで」という映画は、人によって評価は分かれるようです。
私は大好きですが、私の友人たちからの評価はいまいちでした。

確かに、過去にタイムスリップするというストーリーのため、納得いかない部分もあります。
「鶏が先か、卵が先か」といった感じで。

ですが、一部の映画ファンからは熱烈な支持を受けているようです。
決して大作ではないですが、一部の映画ファンなら知っている秀作というところですかね。

興味のある方は、ぜひご覧ください!