相手の企業に対する敬称として、文書では、「貴社(きしゃ)」が用いられます。

対して、口頭で用いられる敬称は、「御社(おんしゃ)」となります。

これは、就職活動での面接でも同じで、誰もが知っている基本的なマナーですね。

ですが、法律事務所や会計事務所などに対しては、法人であっても、これらの用語を使ってもよいのか迷ってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。

○○事務所という名称なので、何と呼べばいいのか分からなくなってしまう…

というわけで、今回は法律事務所や会計事務所などの敬称はどうしたらよいのか?について説明していきます。

文書では「貴事務所」を使うのが基本

SNSでも、メールでも、手紙でも、法律事務所や会計事務所などの敬称は「貴事務所(きじむしょ)」を用いるのが一般的なマナーとなります。

あるいは、「貴所(きしょ)」という表現もあります。

どちらでも大丈夫です。

最近は、貴事務所はやや堅苦しい表現のためか、貴所を使うケースが増えてきているような印象です。

SNSの発達によって時代が変化しているので、これからは貴所を用いるのが一般的になるかもしれません。

さらに、最近は、一般的な企業に対する敬称の貴社が使われることもあるようです。

現時点でハッキリとしたことは分かりませんが、結局は、貴社という最も基本的な敬称に統一されていくとも思われます。

口頭では「御社」でも構わない

続いて、口頭での敬称は、「御事務所(おんじむしょ)」「御所(おんしょ)」が用いられるのが基本でした。

「でした」と、あえて過去形にしているのは、最近はやや事情が異なってきているからです。

文書での敬称の「貴事務所」と同じように、御事務所という表現は文語的な響きがあります。
御所も同じように、最近はやや堅苦しい表現という印象を受けます。

これは、実際に口に出して発音してみると、言いにくいのが分かると思います。

そういう事情があるためか、最近は、法律事務所や会計事務所などの敬称でも「御社」を用いることが多くなってきています。

逆に、御事務所や御社を使う人の方が珍しいという状況になりつつあるようです。

さらに、「こちらの事務所」や「○○事務所さん」という表現が使われることもあります。

私も法律事務所に訪問したときは、「○○事務所さんでは~」とよく言ってました。
私だけでなく、皆が同じ表現を使っていましたね。

こちらの事務所さんも、○○事務所さんと同様で、よく使われる言い回しです。

では、就職の面接ではどうなのかというと。

こちらの事務所さんでも、○○事務所さんでも、大きな問題はないと思われます。

ただし、言葉の受け取り方は相手次第です。

したがって、より丁寧な呼称である御社を使う方が無難でしょう。

まとめ

法律事務所や会計事務所などの敬称は、まとめると次のようになります。

  • 文書での敬称:
    「貴事務所(きじむしょ)」
    「貴所(きしょ)」
    ただし「貴社(きしゃ)」でも大丈夫な場合も多い
  • 口頭での敬称:
    「御事務所(おんじむしょ)」「御所(おんしょ)」が一般的だったが、
    最近は「御社(おんしゃ)」の方がふさわしい

近い将来に、私も法律事務所を開業する予定ですが。

口頭で御事務所や御所と呼ばれると、ちょっと戸惑ってしまうと思います。

やはり、○○事務所さんや御社という表現が、最もしっくりきますね。