イザナミ神の概略

「伊邪那岐」と書いて、「イザナギ」と読みます。

造化三神の後に、宇摩志阿斯訶備比古遅(ウマシアシカビヒコシ)神、天之常立(アメノトコタチ)神という2体の神様が出現します。
造化三神とこの2神を合わせて、別天津神(べつあまつかみ)と呼ばれることがあります。

別天津神の後に、神代七代(かみよななよ)と呼ばれる全12体の神様が出現します。
この神代七代の最後に現れたのが、イザナギ神とイザナミ神のペアです。

イザナギ神とイザナミ神はそのまま結婚したので、日本における最初の夫婦と言えます。
そのため、縁結びの神様、結婚の神様と考えられることがあります。

別天津神にしろ神代七代の神々にしろ、観念的な存在でその記述がほとんどないのに対し、イザナギ神とイザナミ神は具体的な行動が古事記にも1つの章をもって描かれています。

イザナギ神とイザナミ神は一緒になって日本の国土を作り、さらにその後、30以上の神様を産み出しました。
いわゆる男女の営みによって産み出しており、その具体的な行動が古事記に書かれているので、読んでみると面白いと思います(^_-)-☆

イザナミ神と共に日本の神々や島々を産み出したイザナギ神ですが、イザナミ神とひと悶着があった後、黄泉の国から逃れ、その穢れをはらうために禊をします。
このときの禊によって生まれたのが、天照大御神(アマテラスオオミカミ)と月読命(ツクヨミノミコトと須佐之男命(スサノオノミコト)の三貴神です。
いわば、イザナミ神の協力なしに独力で3体の尊い神様を生んだということになりますね。
三貴神以外にも、イザナミ神が亡くなった直後にイザナギ神独りで産み出した神様が結構いたりします。

また、イザナギ神が行った禊が、現代の神社にも伝わる禊祓の儀式の起源とされています。
私たちが神社にお参りするときに拝殿の前にある手水舎で手を洗いますが、これは神主さんが行う禊の儀式を簡略化したものです。
あまり意識することなく何気なく行っているものだと思いますが、そこには大きな歴史と意義があるということです。

さて、イザナミ神の協力だけでなく独力でも3体の貴い神様を生み出したということもあり、イザナギ神は創造神であるということが容易に想像できると思います。
古事記では、イザナギ神とイザナミ神が黄泉比良坂で対峙したときに、イザナミ神が「私はあなたの国の人間を1日に千人も殺していしまいます」と言ったのに対して、イザナギ神は「あなたがそうなされるなら、私は1日に千五百も産屋を立てて見せます」と言い放ちます。
こうしたいきさつで、日本の国では1日に必ず千五百人の人間が生まれるとされています。
ここでも、イザナギ神の創造神、生命の根源神としての性格が現れていますね。

イザナギ神が禊をして三貴神が登場したあと、イザナギ神は自分の役目は終わったとばかりに隠居してしまいます。

かれその伊邪那岐の大神は、淡路の多賀にまします

と古事記に記述があり、「伊邪那岐の命と伊邪那美の命」の章が幕を閉じます。

イザナギ神を祀る神社

イザナギ神を祀る神社は数多くあります。
イザナミ神と一緒に祀るケースが多いようです。

  • 多賀神社
  • 江田神社
  • 伊弉諾神宮
  • 三峰神社
  • 愛宕神社

など。

江田神社の近くにあるみそぎ池は、イザナギ神が禊をした場所として伝えられています。