造化三神の位置関係

造化三神の関係性について説明したいと思います。

造化三神は三柱神とも呼ばれます。
造化三神の3体の神様は平等な関係にあると考えられがちですが、実はそうではありません

アメノミナカヌシ神は宇宙の中心に位置しており、全ての神々の筆頭に立つと考えられるので、ピラミッドがあるとすればその頂点に位置すると考えられます。
したがって、タカミムスビ神とカミムスビ神の上位にある神様と一般的に解釈されています。

次に、タカミムスビ神とカミムスビ神の関係性はどのようなものかというと。
こちらは対等の関係にあるというのが大多数の考えです。

また、タカミムスビ神は高天原の統治に関わり政治的な役割を担っているため、男性の神様と考えられ、対して、カミムスビ神は大地の創造に関わる地母神的な性格を持っているので、女性の神様と考えられます。

ただし、そもそも造化三神に性別の記述はなく、3神とも中性の存在です。
はっきりと性別が区別されているわけではなく、タカミムスビ神とカミムスビ神を比較すると、そのような性格が考えられるという一つの解釈というところです。

さらに…

タカミムスビ神とカミムスビ神が左右のどちらに位置するのかも、一つの解釈ができます。
図で表すと以下のような感じになります。

アメノミナカヌシ神から見て、右にタカミムスビ神、左にカミムスビ神という位置関係になります。

では、何故このような位置関係が考えられるのかというと。

世界各地の神話や伝記・伝承、風俗・習慣などで、右は男性、左は女性が位置することが一般的だからです。

例えば、日本神話で後に登場するイザナギ神が禊をしたときに、右目からツクヨミ神、左目から天照大御神(鼻から素戔嗚尊)が生まれたとされており、周知の通り天照大御神は女性です。

ユダヤ教やキリスト教、イスラム教でも、唯一神の右に位置するのがミカエル、左に位置するのがガブリエルであり、ガブリエルはその役割から女性的な性格を有していると考えられており、女性的な姿で描かれることもよくあります。

旧約聖書が成立した頃のユダヤ人の習慣では、主人の左側に座を占めるのは女性でした。

また、中世の西洋の君主制でも、君主の右が王子、左が王女が位置するのが慣習でした。

ということで、タカミムスビ神が右に位置し、カミムスビ神が左に位置すると考えられるわけです。

まあ、これは管理人個人の考えであり、定説のようなものがあるわけではありません。
ですが、左右の位置まで考えるなら、以上のようになると思います。