何度も同じ話を聞かされたとき、「耳にたこができる」と表現することがあります。
日常会話でもよく使いますね。
「たこ」というと、海の生物のタコを連想しやすいですが、実は違うものを指しています。
この記事では、「耳にたこができる」の意味と使い方、類語や英語表現を詳しく紹介しています。
耳にたこができるの意味は?
「耳にたこができる」は、「何度も同じ話を聞かされて飽き飽きする」という意味です。
話し手はその内容が重要だと考えて繰り返し話すのですが、聞き手はその繰り返しによってうんざりと感じることがあります。
このような状況のときに、聞き手が同じ話題に対して飽き飽きしている状態を表すのに用いられます。
また、「耳たこ」や「耳タコ」と省略した形で表現されることもあります。
耳にたこができるの由来は?
まず、ここでの「たこ」は、海の生き物であるタコのことではありません。
「たこ」というのは、長時間の圧迫や摩擦によって皮膚の角質層が厚く硬くなる現象を指します。
漢字では「胼胝」と表記されます。
例えば、長時間ペンを持ち続けることで手にできる「ペンだこ」や、スポーツでの練習が原因で手にできるタコがこれに該当します。
同じように、何度も繰り返して同じ話を聞かされると、「耳にたこができてしまう」というたとえとして用いられるようになりました。
ただし、あくまで比喩的な表現で、実際に耳にタコができるいう現象はないようです。
イヤホンなどで音楽を長時間聴いていると耳にタコができるかもしれないと心配する人もいますが、難聴のリスクはあってもタコができることはないということです。
また、「耳にたこができる」の起源については正確なことは分かっていませんが、江戸時代から使われ始めたと考えられています。
耳にたこができるの例文をご紹介
耳にたこができるの例文を以下に5つ紹介します。
- 家に帰ると、毎日のように「勉強しなさい」と母に言われ、耳にたこができるほどだ。
- 上司からプロジェクトの締切に関して耳にたこができるほど注意されたが、その結果、今は時間管理の重要性が身に染みて理解できている。
- 毎日の朝礼で校長が同じ話を繰り返すたび、生徒たちは耳にたこができるほどうんざりしていた。
- 医者から適度な食事が大事だと耳にたこができるほど聞かされているが、ついつい食べ過ぎてしまうことがある。
- 「またその話?」と友人に言われ、自分でも耳にたこができるほど同じ話をしていることに気づいた。新しい話題を見つける時かもしれない。
耳にたこができるの類義語をご紹介
「耳にたこができる」の類義語を以下に紹介します。
何度も聞いて、嫌になるという否定的なニュアンスを含む表現となります。
- 聞き飽きる
- 散々聞かされた
- げんなりする
- 辟易する(へきえきする)
- 鬱陶しい(うっとうしい)
などの表現があげられます。
耳にたこができるの対義語をご紹介
「耳にたこができる」の対義語としては、真剣に聞くという意味で、「傾聴(けいちょう)する」や「静聴(せいちょう)する」があげられます。
また場面によりますが、目上の人物に対するへりくだった言葉として、「謹聴(きんちょう)する」という表現も使うことができます。
耳にたこができるの英語表現をご紹介
「耳にたこができる」は英語で表現すると
- hear enough
- be sick and tired of hearing
- hear a thousand times
などがあげられます。
enoughは「(もう)十分」という意味。
a thousand timesは、文字通りだと「千回」はいう意味ですが、比喩的に「何回も」と表現しています。
例文を示すと
(新しい方針の変更については耳にたこができた。もう行動を見たい時だ。)
という形で使われます。
まとめ
「耳にたこができる」とは、同じ話を何度も聞かされてうんざりする状態を指します。
ここでの「たこ」は、海のタコではなく、摩擦や圧迫で皮膚が硬くなる現象から来ています。
実際には耳にタコができることはないようですが、嫌になるほど繰り返し聞かされることを強調するときに使うと、そのニュアンスがよく伝わりますね。