「心にしみる」という言葉があります。
日常会話でもよく使われますし、意味はご存じの方も多いと思います。
ただ、漢字にしたとき、「心に染みる」と「心に沁みる」の2通りの表記が考えられます。
果たして、どちらが正しいのでしょうか。
この記事では、「心にしみる」の意味と例文、類義語から英語表現まで詳しく紹介しています。
心にしみるの意味は?
まず、心にしみるの意味を確認しておきましょう。
「心にしみる」とは、感情や思いが静かにそして深く自分の内面に入り込むことを意味します。
音楽や格言、または特定のメッセージに触れた際に、その内容がゆっくりと心の奥底に入ってくる瞬間があると思います。
そのときの感覚を、「心にしみる」と表現されます。
また、友人や家族からの配慮深い行動や、温かな言葉が与えられたとき、心が深く感動し、涙がこぼれるような体験をすることもあるでしょう。
このような、心を動かす大きな衝撃はないものの、心の深い部分に静かに響く感覚を「心にしみる」と言います。
心にしみるを漢字にすると?
では、漢字にした場合、「心に染みる」と「心に沁みる」のどちらが正しいのでしょうか。
一般的には「心に染みる」が正しい表記とされています。
ですが、「心に沁みる」という表記も間違っているわけではありません。
「染みる」と「沁みる」の意味は
- 染みる:物質が色を帯びる、何らかの影響を受ける
- 沁みる:人が深く感じ入る
となります。
なので、実際には「心に沁みる」の方が、本来の意味をより正確に伝えているとも考えられます。
「沁みる」には「心」という漢字が含まれていますしね。
ただし、「沁みる」は常用漢字ではありません。
そのため、一般的な表記としては「心に染みる」が使われることが多いというわけです。
心にしみるの使い方は?
「心にしみる」の使い方として、例文を5つ紹介します。
- その映画のラストシーンは本当に心にしみるものがあり、鑑賞後も長くその感動が残った。
- 彼からの卒業祝いのメッセージは、これからの人生に向けての励ましとなり、深く心にしみた。
- 祖母から受け継いだ手紙には、時を超えて伝わる心にしみる言葉が綴られていた。
- 久しぶりに故郷を訪れた時、幼い日の記憶が心にしみるように甦ってきた。
- 寒い夜に聞く静かなピアノの旋律は、どこか心にしみる温もりを持っていた。
心にしみるの類義語は?
「心にしみる」は、感動を表す際に使われる言葉ですが、特に穏やかで静かな感動を伝えるニュアンスが含まれています。
以下に同じような意味を持つ表現を紹介します。
- 胸にしみる
- 身にしみる
- 胸を打たれる
- 心に響く
- 心温まる
- ジーンとする
- 感銘を受ける
- 琴線に触れる
心にしみるを英語にすると?
「心にしみる」の英語表現として、「touch one’s heart」があげられます。
何かが深く心に影響を与え、穏やかな感動を引き起こす様子を伝えるのに適しています。
(古い友人からの、温かさと優しさに満ちたメッセージは、本当に心にしみる)
というような形で用いられます。
まとめ
「心にしみる」という表現は、深い感情や思いが静かに心の奥深くに入り込む体験を指します。
「心に染みる」と「心に沁みる」はどちらも正しい表記ですが、一般的には「心に染みる」がよく使われます。
激しい感動ではなく、より静かで深い感情を伝える際に便利です。
知っておくと、日常の様々な体験を表現する際に役立ちます。
日本語の細やかさがよく分かる表現ですね。