しめじはその手頃な価格と調理のしやすさから、多くの料理で活躍するキノコです。

ところが、「しめじ」と一口に言っても、実は「ぶなしめじ」など、異なる種類が存在します。

どちらもしめじの仲間ですが、それぞれに特徴や違いがあります。

この記事では、しめじとぶなしめじの違い、含まれる栄養価、そして調理する際の注意点について、詳細にわたってご紹介します。

しめじとぶなしめじの違いとは?

先に結論から述べます。

しめじとぶなしめじの違いを簡単にまとめると

  • しめじ
    • 栽培が難しい
    • 濃厚な風味
    • やや太く丸みを帯びている
  • ぶなしめじ
    • 栽培が容易
    • マイルドな味わい
    • 全体的に細長い

となります。

しめじは本しめじとも呼ばれ、野生のものが多く、深い森林などで自生していることが多いキノコです。
味は濃厚で、独特の風味があります。
ふなしめじより大き目で、丸みを帯びています。

一方、ぶなしめじは栽培が容易で、スーパーマーケットなどで一年中手に入るキノコです。
ぶなしめじは、しめじよりも柔らかい食感とマイルドな味わいが特徴です。
本しめじに比べると細長い形状をしています。

しめじとは?

まず、しめじについて詳しく説明しますね。

しめじは一般に「本(ほん)しめじ」とも呼ばれます。

学術的には、シメジ科シロタモギタケ属のキノコとされています。

しめじは生木と相互に栄養をやり取りしながら共生するため、人工的に栽培することが困難です。

しめじ以外でも、松茸やトリュフも栽培が難しいことで知られています。

天然の本しめじは市場で見かけることは稀ですが、「大黒本しめじ」として知られる人工栽培品種が最近ではスーパーマーケットで見られるようになりました。

これらはぶなしめじに比べて価格が高めです。

本しめじは「香りは松茸、味はしめじ」と称されるほど、その風味が高く評価されています。

見た目の特徴としては、傘の直径が2~3センチ程度で、全長は8センチ程度。
ぶなしめじに比べて太く大きく、形状が丸みを帯びている点が挙げられます。

ぶなしめじとは?

続いて、ぶなしめじについて説明します。

ぶなしめじはシメジ科に属するシロタモギタケ属のキノコです。

ぶなしめじは腐木を栄養源として成長するため、人工栽培が比較的容易に行えます。

この栽培のしやすさから、スーパーマーケットでは低価格でぶなしめじが豊富に提供することができるというわけです。

同じく人工栽培されるシイタケやえのきたけも、ぶなしめじと同様の方法で育てられています。

また、通常「しめじ」というと、多くの場合、ぶなしめじのことを指します。

これは、過去にぶなしめじが「ホンシメジ」や単に「シメジ」という名前で売られていたことが原因のようです。

ぶなしめじは比較的容易に栽培できるため、ホンシメジが品薄でも、その名を借りる形で市場に出回っていました。

ですが、現在は、消費者の混乱を避けるために、お店で販売されるときは「ぶなしめじ」という名称が一般的になっています。

ぶなしめじは、傘の直径が1センチ程度で、高さが10~15センチ程度です。
本しめじに比べて細身で小さめの特徴を持ち、全体的に細長い形状が特徴的です。

しめじの栄養素はどれくらい?

しめじとぶなしめじに含まれる栄養素はほとんど同じです。

以下に、一般的なしめじ類の100gあたりのおおよその栄養素の値をまとめました。

ただし、具体的な数値はキノコの種類や栽培条件によって多少異なることがあります。

栄養素 数値 (100gあたり)
カロリー 約20~30kcal
ビタミンB1 約0.03~0.1mg
ビタミンB2 約0.2~0.4mg
ビタミンD 約2IU
パントテン酸 約1.5mg
ナイアシン 約3.5~5mg
カリウム 約300~450mg
約0.5~1mg
食物繊維 約2~3g



その他、正確な数値は分かりませんが、肝臓でのアンモニアなどの代謝を助けるオルチニンや、旨味成分であるグルタミン酸なども含まれています。

調理するときに気を付けることは?

しめじとぶなしめじを調理するとき、せっかくならその栄養素を損なわいようにしたいですね。

ここでは、調理する際のポイントを簡単にまとめました。

洗い

ぶなしめじとしめじは、基本的に水洗いせずに調理することが推奨されます。

土や汚れが付いている場合は、キノコの根元を切り落とし、ブラシや布で優しく汚れを払い落とします。

水にさらすと、水溶性の栄養素が流れ出てしまう可能性があるため、必要最低限に留めるのが良いでしょう。

加熱方法

もちろんですが、加熱しすぎないよう注意が必要です。
キノコは加熱しすぎると、栄養素が損なわれやすくなります。

軽く炒めたり、蒸したりする程度で十分です。
特にビタミン類は熱に弱いため、加熱時間を短くするのがポイントです。

調理時の注意

キノコを切る場合は、大きめに切るのがおススメです。
細かく切りすぎると、加熱時に栄養素が失われやすくなります。

また、キノコの食感を楽しむためにも、ある程度の大きさを保つことが望ましいです。

調理方法

栄養素を逃さないために、煮るよりも蒸す、またはサッと炒めるのがよいです。

キノコは水分を多く含んでいるため、水に溶け出しやすい栄養素を保持しやすくするためには、水を使わない調理法が適しています。

保存方法

調理前のしめじは、冷蔵庫で適切に保存することが重要です。
新鮮なうちに調理することで、栄養価を最大限に保つことができます。

袋に入れたまま冷蔵庫の野菜室で保存し、できるだけ早く使い切るようにしましょう。


以上のポイントを守ることで、しめじとふなしめじの栄養を最大限に活かした調理が可能になります。

まとめ

しめじとぶなしめじは、一見似ているようでいて、実は異なる種類のキノコです。

なかなか意外な事実だったのではないでしょうか。

ですが、どちらも低カロリーで栄養価が高いため、健康的な食生活に積極的に取り入れたい食材です。

特に、ビタミンやミネラルを豊富に含んでおり、様々な料理に活用することで、日々の食事をより豊かなものにすることができます。

調理するときは、栄養素を損なわないように注意しながら、うまく取り入れていきたいですね。