「火を見るより明らか(ひをみるよりあきらか)」という慣用句があります。

疑いようがないほど明らかであることを意味する言葉です。

日常生活でもよく使われる表現ですね。

この記事では、「火を見るより明らか」の意味と由来、例文から類義語や対義語まで詳しく紹介しています。

火を見るより明らかの意味は?

「火を見るより明らか」という表現は、何かが非常に明白で疑いようのないことを意味します。

文字通りには、「火を見るのと同じくらい明らか」という意味で、火が見えるほどにはっきりとしているということから、何かが非常に明確で、疑う余地がない状態を指すようになりました。

議論の余地がないほどの明白な事実や状況を表すのに使われます。

また、「火を見るより明らかなり」「火を見るよりも明らか」という形でも用いられることがあります。

火を見るより明らかの由来は?

「火を見るよりも明らか」という表現は、中国古代の歴史書である「書経」のエピソードに由来します。

「書経‐盤庚・上」に、殷の第19代国王・盤庚(ばんこう)が、地方の統治がうまくいかない原因を諸侯に説明するシーンがあります。

その記述によると、盤庚は

「惟汝含徳、不惕予一人、予若観火」

と語ったとされています。

これを日本語に訳すと「ただあなた方が徳を持っているとは限らず、私一人に注意が向けられていないこと、それは私が火を見るのと同じくらい明らかである」となります。

この言葉を通じて、盤庚は地方統治の失敗が彼ら諸侯の不明にあることを、火が燃えていることが誰にでも明らかであるように、非常に明確に指摘しました。

この比喩は、盤庚が自らの観察をどれほど明白で疑いようのないものと見なしていたかを示しています。

火のように明らかな事実を前にしても、それを認めない諸侯の姿勢を批判しているわけです。

この故事から生まれた「火を見るよりも明らか」という成句が生まれ、今日でも何かが非常に明確で疑う余地がない状況を表すのに用いられています。

盤庚のこの表現は、彼の直言でありながら、言葉の選び方における洞察力と巧みさを反映していますね。

火を見るより明らかの使い方をご紹介

「火を見るより明らか」の使い方として、5つの例文を紹介します。

  • 彼がプロジェクトの成功に不可欠な人物であることは、火を見るより明らかだ。彼の専門知識と経験がなければ、私たちはこのような成果を上げることはできなかっただろう。
  • 彼が不正を働いたことは、彼の口調と挙動を見れば、火を見るより明らかだ。彼のためらいがちな答えと泳ぐような目の動きが、その事実を物語っている。
  • その映画が大ヒットすることは、公開前の予告編の反響を見れば、火を見るより明らかだった。SNSでの話題性と期待の高まりが、その成功を予告していた。
  • 彼らがその試合に負けることは、試合開始前のチームの様子を見れば、火を見るより明らかだった。選手たちの不安定な心理状態と準備不足が、その敗北を予告していた。
  • 彼女がその質問の答えを知っていることは、自信に満ちた表情を見れば、火を見るより明らかだ。疑問に対して即座に、しかも正確に答えを提供している。

火を見るより明らかの類義語をご紹介

「火を見るより明らか」に似た意味を持つ言葉として、次の3つの表現を紹介します

明明白白(めいめいはくはく)

非常に明瞭で疑いようのない状態を表す四字熟語です。

文字通りには「非常に明らかで、非常に白い」という意味で、事実や理由などが誰が見てもはっきりと理解できる様子を指します。

何かが非常に明確であることを強調する際に用いられます。

自明の理(じめいのり)

説明や証明を必要としないほど明らかな理由や原理を意味します。

数学などの学問でよく使われる表現で、自ずから明らかな事実や原理を指す際に用いられます。

何かが非常に明白で、誰が見ても理解できるほど疑う余地がないことを示すのに適しています。

推して知るべし(おしてしるべし)

しの手がかりや情報から全体を推測し、理解することができるという意味の表現です。

直接的な証拠や明確な説明がなくても、既に得られている情報から論理的に結論を導き出すことができる状況を指します。

何かが間接的にではあるが、非常に明らかであることを示唆する際に使われます。

火を見るより明らかの対義語をご紹介

「火を見るより明らか」と反対の意味を持つ表現も、以下に2つ紹介します。

五里霧中(ごりむちゅう)

文字通りには「五里もの距離が霧で覆われている」という意味ですが、比喩的には物事が非常に不明瞭で、方向性や解決策が見えない状態を指します。

混乱や迷いが大きく、何をどう進めば良いのか判断がつかない状況を表現します。

暗中模索(あんちゅうもさく)

暗闇の中で手探りをすることから、解決策や正しい方法を見つけ出そうとしているが、具体的な手がかりや方向性が掴めずにいる状態を指します。

目的や解決への道が全く見えない中での努力や試みを表す表現です。

まとめ

火を見るよりも明らかは、疑う余地がないほど明白な事象を指します。

水や風、土ではなく、直感的に分かりやすい「火」を例に使うことで、その明確さが一層際立っていますね。