「付和雷同」という四字熟語があります。

しっかりした考えを持たずに、他人の意見に合わせることを意味します。

基本的に、良い意味では使われず、批判的に用いられます。

この記事では、「付和雷同」の意味と由来、例文から類義語や対義語まで詳しく紹介しています。

付和雷同の意味は?

「付和雷同」は「ふわらいどう」と読みます。

自分の意見や考えを持たずに、周りの意見や流行にただ同調することを意味します。

他人の意見に盲目的に従い、自分の独立した判断をしない態度を批判的に表現しています。

付和雷同の由来は?

「付和雷同」という四字熟語は、二つの言葉「付和」「雷同」から成り立っています。

「付和」は、他人の意見に同調し、調和を図る行為を指します。

一方、「雷同」は、雷が鳴り響くと、同じように雷の音が繰り返されることから、理由もなく他人の意見に同意することを意味しています。

そこから「付和雷同」は、自分自身の明確な考えを持たず、他人の意見に理由もなく同意する行為を指すようになりました。

「付和雷同」の起源は、儒教の重要な経典の一つである「礼記」にあります。

その中に

勦説する毋かれ、雷同する毋かれ

という記述があります。

意味は「他人の説を盗んではならないし、無闇に他人の意見に賛同してはいけない」となります。
この一節が「付和雷同」という表現の由来となっています。

「礼記」は、周から漢の時代にかけての儒学者たちが礼に関する記述を集めたもので、前漢の学者・戴聖によって編纂されました。

この経典は、「周礼」「儀礼」とともに「三礼」と呼ばれ、儒教の基本的な教えを伝える重要な文献です。

付和雷同の使い方は?

「付和雷同」の使い方として、5つの例文を紹介します。

  • 彼女はいつも付和雷同の態度を取り、会議で自分の意見を言うことがほとんどない。
  • 付和雷同の姿勢は、創造的な解決策を見つける上で障害となることが多い。
  • あの政治家は、党の方針に付和雷同するだけで、独自の政策を提案することが少ない。
  • チームの中で付和雷同することは、時には平和を保つために必要かもしれないが、長期的には進歩を妨げることになる。
  • 文化祭の企画について意見が分かれ、クラスの雰囲気が悪くなりそうな中、彼は付和雷同の姿勢をとることに決めた。

付和雷同の類義語は?

「付和雷同」に似た意味を持つ言葉として、以下の3つを紹介します。

尻馬に乗る(しりうまにのる)

他人の意見や行動に追随することを意味します。

文字通りには、他人の後ろに乗る馬に例えられており、他人の後を追って行動する様子を表しています。

自分の意見や判断を持たず、他人の意見や行動に簡単に従うことを指します。

内股膏薬(うちまたこうやく)

他人に迎合しやすい、または他人の影響を受けやすい人のことを指します。

内股に膏薬(湿布)を貼るように、他人の意見や行動に密着してしまう様子を表現しています。

自分の意見を持たず、他人に影響されやすい性質を示しています。

唯唯諾諾(いいだくだく)

他人の言うことに何でもかんでも「はい、はい」と同意する様子を指します。

自分の意見を持たず、ただ他人の意見に盲目的に従うことを意味しています。

他人の意見に無批判的に従う人の姿勢を批判的に表現しています。

付和雷同の対義語は?

「付和雷同」と反対の意味を持つ表現も、以下に3つ紹介します。

独立独歩(どくりつどっぽ)

他人の意見や流行に左右されず、自分の信念や考えに基づいて行動することを意味します。

文字通りには「独立して一人で歩く」という意味で、自立心が強く、他人に依存せず、自分の道を歩む様子を表しています。

志操堅固(しそうけんご)

自分の信念や原則をしっかりと持ち、容易には曲げない強固な意志を持つことを指します。

他人の意見や圧力に流されることなく、自分の信条を堅持する姿勢を示しています。

和而不同(わじふどう)

他人との調和を大切にしながらも、自分の意見や個性を保持することを意味します。

他人との協調を重んじつつも、自分の考えや立場を失わないバランスの取れた態度を表しています。

まとめ

「付和雷同」は、自分の明確な考えを持たずに他人の意見に盲目的に従う態度を指します。

戦略として、時には付和雷同の姿勢を取ることも必要かもしれませんが、やはり自分のしっかりした考えを持つことが何よりも大切ですね。

そのうえで、他者の意見や考えも尊重するようにしたいものです。