「雪に耐えて梅花麗し」ということわざがあります。

困難を乗り越えた先に、大きな成果をあげることを意味します。

梅の花が冬の雪に耐えた後、花開く様子から生まれた言葉です。

元広島カープの黒田博樹選手の座右の銘としても有名です。

この記事では、「雪に耐えて梅花麗し」の意味と由来、例文から類義語まで詳しく紹介しています。

雪に耐えて梅花麗しの意味と読み方は?

「雪に耐えて梅花麗し」は「ゆきにたえてばいかうるわし」と読みます。

厳しい状況や困難に耐え抜いた結果、美しい成果や価値が生まれることを意味します。

梅の花が寒い冬の雪に耐えて咲く様子から、逆境を乗り越えた後の美しさや価値を表現しています。

雪に耐えて梅花麗しの由来は?

「雪に耐えて梅花麗し」という表現は、西郷隆盛が甥への手紙に記した詩に由来します。

この詩は漢文で書かれており、困難に立ち向かう強い意志と、逆境を乗り越えることの重要性を強調したものとなっています。

詩の中で、「はい」と一度承諾したことは最後まで守るべきであり、そのためには鉄のように固い意志が必要であると述べられています。

また、貧困の中から偉大な人物が生まれ、多くの困難を乗り越えた後に立派な業績が現れるという考えが示されています。

特に、「耐雪梅花麗」というフレーズが詩の核心を象徴しており、梅の花が厳しい冬の雪に耐えてこそ美しく咲くことを、人間が困難を乗り越えて大きな成果を達成することに例えています。

そして、この部分が後世にことわざとして伝えられることとなりました。

西郷隆盛自身が薩摩藩の下級武士から幕末の重要人物へと昇り詰めた経歴を持つことを考えると、この言葉には特別な重みがありますね。

雪に耐えて梅花麗しの使い方は?

「雪に耐えて梅花麗し」の使い方として、5つの例文を紹介します。

  • 雪に耐えて梅花麗しのように、彼女は長年の努力の末、ついに夢だった小説家になった。困難を乗り越えた後の成功は格別だった。
  • 会社の危機を乗り越え、業績を回復させた社長の姿は、雪に耐えて梅花麗しの言葉そのものだ。逆境を乗り越えた彼の努力は多くの人に感銘を与えた。
  • 病気を克服し、再びマラソンで優勝した彼の姿は、雪に耐えて梅花麗しの例として多くの人々に勇気を与えた。
  • リンカーンやガンディーのように、歴史上の多くの偉人たちは、雪に耐えて梅花麗しを体現している。逆境に耐え、困難を乗り越えることで、歴史にその名を刻む偉大な成果を達成した。
  • 長年の研究の末、ついに新薬の開発に成功した科学者の話は、雪に耐えて梅花麗しの典型である。彼の持続的な努力が、最終的に大きな成果を生んだ。

雪に耐えて梅花麗しの類義語は?

「雪に耐えて梅花麗し」の類語表現として、以下の3つを紹介します、

「艱難汝を玉にす(かんなんなんじをたまにす)」

困難や苦労が人を磨き、より価値ある存在に変えるという意味の言葉です。

厳しい試練や逆境が人の品格や能力を高め、まるで原石が磨かれて美しい宝石に変わるように、人を成長させるという考えを表しています。

「雪に耐えて梅花麗し」と同様に、逆境や困難が最終的には人をより強く、美しくするというメッセージを伝えています。

玉磨かざれば光なし(たまみがかざればひかりなし)

文字通りには「宝石を磨かなければその輝きは現れない」という意味です。

そこから、努力や磨きをかけることなくしては、人や物の真価や才能は発揮されないということを表しています。

逆境や困難を乗り越えることで、人はその真の価値を発揮するという考え方を示しています。

瑠璃の光も磨きから(るりのひかりもみがきから)

このことわざも、「瑠璃(るり、すなわちラピスラズリなどの宝石)も磨かれることによって初めてその美しい光を放つ」という意味です。

人間もまた、困難や試練を経験し、努力を重ねることで、その内面の美しさや能力が磨かれ、輝きを増すというメッセージを伝えています。

まとめ

雪に耐えて梅花麗しは、困難を乗り越えた先に大きな成果があるという意味です。

このことわざは、逆境を乗り越えた後の美しさや価値を象徴しており、多くの偉人たちの生き方を通じて、時代を超えて共感される教訓を伝えています。

黒田選手もこの言葉を糧にして、大きな活躍をしました。
メジャーリーグで活躍したときも、この日本のことわざが感銘を持ってチームメイトに受け入れられたと言います。

人生には辛くて苦しい時期がやってくるのが常です。

そういう困難な時を乗り越えることで、未来は明るく、素晴らしいものへと変わるでしょう。

もちろん、無理は禁物で、あきらめて方向転換することも、時には必要です。

ですが、必ず達成しなければならない目標があれば、困難に立ち向かい、ひたすら努力することが大切になりますね。