「人間至る所青山あり」ということわざがあります。
故郷にこだわることなく、広い世界で活動すべきという考えを表した言葉です。
普段あまり使わることはないかもしれませんが、最近は見かける機会が増えたように感じます。
この記事では、「人間至る所青山あり」の意味と由来、使い方から類義語、対義語まで詳しく紹介しています。
人間至る所青山ありの意味は?
「人間至る所青山あり」は「にんげんいたるところせいざんあり」と読みます。
あるいは、「じんかんいたるところせいざんあり」と読むこともあります。
意味は、どのような環境や状況においても、心がけ次第で良い面を見出すことができるということです。
物事の捉え方一つで、人生の質が変わることを示唆しています。
つまり、心が穏やかであれば、どこにいても心地よく感じられるという考え方を表しています。
大きな野望を持ち故郷を離れる人々の決意や覚悟を表すこともあり、そういう人たちを励ますために使われることが多いです。
人間至る所青山ありの由来は?
「人間至る所青山あり」は、幕末期の僧侶である月性によって詠まれた詩に由来します。
次のようなものです。
「男児志を立てて郷関を出ず、学若し成る無くんば復還らず、骨を埋むる何ぞ墳墓の地を期せん、人間到る処青山あり」
意味は
人はどこで亡くなっても、最終的には埋葬される場所が見つかる。
だから、故郷だけが埋葬地である必要はない。
大きな目標を達成するためには、広い世界で活動することが重要である。
となります。
ここから、「人間至る所青山あり」という言葉が使われるようになりました。
また、「人間」という言葉は単に「人」や「人類」を指すだけでなく、「人が住む世界」や「社会」を意味することもあります。
「青山」は、緑豊かな山を指し、墓地として適した土地、つまり人が亡くなった後に埋葬される場所を象徴しています。
人間至る所青山ありの使い方をご紹介
続いて、「人間至る所青山あり」の使い方として、5つの例文を紹介します。
- 私の海外転勤が決まったとき、上司は人間至る所青山ありと励ました。どこで働いても、新しい機会を見つけられるという信頼の表れだった。
- 彼女は留学した後、ホームシックになることがあった。しかし、そんな時人間至る所青山ありという友人たちの言葉が彼女を励ました。
- 彼は人間至る所青山ありという決意で、新たなキャリアの道を歩み始めた。不安もあったが、長年勤めた会社を辞め、未知の分野への転職を決意した。
- 友人は地元を離れて都会での新生活を始めることになった。彼女の親は人間至る所青山ありと言って、新しい場所でも幸せを見つけることへの自信を与えた。
- あの歌手が国際的なツアーに出発する際、マネージャーは人間至る所青山ありと説得して、世界中どこでも彼の音楽が響くことを期待していた。
人間至る所青山ありの類義語をご紹介
「人間至る所青山あり」によく似た意味を持つ表現としては、「青山骨を埋むべし(せいざんほねをうずむべし))」があります。
「人間至る所青山あり」と同じく、どこで人生を終えても良いという意味を持つ言葉です。
人生の終わりにおいて、特定の場所にこだわる必要はなく、どこでも良い終わりが迎えられるという考えを示しています。
また、人生を大胆に生きることの重要性を強調し、場所にとらわれずに行動することの価値を説いています。
人間至る所青山ありの対義語をご紹介
「人間至る所青山あり」の反対の意味を持つ言葉として、「井の中の蛙大海を知らず(いのなかのかわずたいかいをしらず)」があげられます。
狭い世界に閉じこもって広い世界や多様な考え方を知らないことを意味することわざです。
自分の知識や経験が限られていることを自覚せず、狭い視野で物事を判断する人の状態を批判的に表しています。
まとめ
「人間至る所青山あり」ということわざは、故郷に限らず広い世界でチャンスを探し、活躍することの大切さを伝える言葉です。
特にグローバル化が進む現代においては、とても重要な考え方になるかもしれません。
どのような環境や状況でも、前向きに取り組むことことが大切ですね。