「大山鳴動して鼠一匹」という慣用句があります。

結果が予想したほど凄いものではなかったり、期待外れだった場合に使われる表現です。

この記事では、「大山鳴動して鼠一匹」の意味と由来、使い方から類義語、対義語まで詳しく紹介しています。

大山鳴動して鼠一匹の意味は?

「大山鳴動して鼠一匹」は「たいざんめいどうしてねずみいっぴき」と読みます。

意味は、大きな期待や騒ぎがあったが、結果がとても小さくて期待外れだった状況を表します。

文字通りには、「大きな山が鳴動したが、結果として現れたのはただの小さなネズミだけ」という意味です。

何か大きなことが起こると期待されていたが、実際には大したことがなかったという状況を風刺的に表現しています。

大山鳴動して鼠一匹の由来は?

「大山鳴動して鼠一匹」は、古代ローマの詩人ホラティウスの「詩論」に由来するとされています。

この一節に、ラテン語で「Parturiunt montes, nascitur ridiculus mus」とあり、これは「山々が産気づき、一匹の滑稽なハツカネズミが生まれる」と現代語に訳されます。

そして、「大山(たいざん)」という表現は、具体的な地名を指すのではなく、一般的に「巨大な山」という意味で使われています。
「鳴動」という言葉は、大きな音を伴う激しい動きを指します。

直接的な解釈をすると、巨大な山が大きな音を立てて動くので、大規模な噴火や地震が起きるのかと思いきや、実際にはただのネズミが現れただけという意味になります。

ここから「大山鳴動して鼠一匹」という言葉になり、大きな前触れにもかかわらず、実際の結果が非常に小さいことを例える意味を持つようになりました。

大山鳴動して鼠一匹の使い方をご紹介

続いて、「大山鳴動して鼠一匹」の使い方として、5つの例文を紹介します。

  • 会社の経営危機についての噂が流れたが、実際には軽微な財務調整で済み、スタッフ間では大山鳴動して鼠一匹という言葉が飛び交った。
  • 新製品の発表会が盛大に行われたが、実際には期待された革新的な機能は何もなく、大山鳴動して鼠一匹という感じだった。
  • 学校での大規模な試験不正が疑われ、生徒たちは厳しい処分を恐れていたが、調査の結果、問題はごく一部の生徒に限られており、多くの生徒にとっては大山鳴動して鼠一匹という結果となった。
  • 人気タレントが重大発表をすると言ってメディアの注目を集めたが、発表内容は些細なもので、大山鳴動して鼠一匹という言葉がぴったりだった。
  • 会社が大規模なプロジェクトを発表し、従業員たちは大きな変化を期待していたが、結局は小さな改善に留まり、大山鳴動して鼠一匹という結果に終わった。

以上の例文は、大きな期待や前触れにもかかわらず、最終的な結果が期待に反して小さかったり、重要でなかったりする状況を表すのに「大山鳴動して鼠一匹」という表現を使っています。

期待と現実のギャップを効果的に伝えるのに役立ちます。

大山鳴動して鼠一匹の類義語をご紹介

「大山鳴動して鼠一匹」によく似た意味を持つ表現としては、「蛇が出そうで蚊も出ず(じゃがでそうでかもでず)」があります。

蛇が現れるかもしれないと大きな懸念を抱いても、結局は蚊ほどの小さな問題も生じないという状況を指します。

大きな心配や不安があるものの、実際にはそれに見合うような重大な出来事は発生しないことを意味しています。

大山鳴動して鼠一匹の対義語をご紹介

「大山鳴動して鼠一匹」の反対の意味を持つ言葉として、「藪をつついて蛇を出す(やぶをつついてへびをだす)」があげられます。

無用な行動や無駄な干渉がかえって問題やトラブルを引き起こす状況を表します。

文字通りには、藪を突くことで本来隠れていた蛇を出現させてしまうという意味です。

これは、本来なら起こらなかった問題が、不必要な行動によって生じることを警告する表現です。

まとめ

「大山鳴動して鼠一匹」という表現は、大きな騒ぎや期待の後に大して重要でない結果が出る状況を表し、予想と現実のギャップの大きさを示しています。

ただ、最近は、些細なことが大問題になることが多いような気がします。
特にインターネットの発達やSNSの普及で、ちょっとした言動が取り返しのつかない事態を招くことがありますね。

とはいえ、過度に心配するのはよくないことです。

物事の本質をしっかりと把握し、冷静に予測することが大切になりますね。