「うつつを抜かす」というフレーズ、聞いたことはあるけど、具体的な意味はよくわからないという方も多いのではないでしょうか?
ポイントは「うつつ」という言葉!
高校の古文の授業などで習うことがあると思います。
私も高校生の時、古文の授業で「うつつ」の意味を知りました。
この「うつつ」という単語を押さえておけば、理解しやすくなります。
では、以下に詳しく説明していきます。
うつつを抜かすの意味は?
うつつを抜かすは、何かにとても夢中になることや、自分を見失ってしまう状態を指します。
簡単に言えば、何かに心を奪われて現実を忘れることを表現しています。
冒頭でも述べたように、この「うつつ」という単語がポイントです!
うつつは「現実」という意味を持っています。
また、しっかりとした意識や生きている状態を示すこともあります。
そして、うつつを抜かすは、「うつつ=現実」を「抜かす」わけです。
そこから、うつつを抜かすは、心が何かに引き寄せられて現実を見失う、という意味につながっていきます。
うつつは古語なので、現代では一般的にはあまり使われないですね。
「夢かうつつか幻か」なんていう言葉があるので、うつつは夢や幻と同じような意味だと勘違いするケースが多いです。
実際に高校の古文の授業で、この点を間違えないようにと習いました😆
ただ、「夢うつつ」と続けて言うことが多かったので、中世では「うつつ=夢心地」と間違えて使用されることもあったようです。
うつつがよく使われていた時代でも誤用されることがあったわけで、やはり勘違いしやすいということですね。
ですが、現在、うつつを抜かすは、現実を忘れてしまうという意味なので、間違えないようにしましょう!
うつつを抜かすの例文は?
うつつを抜かすは、具体的にどのような場面で使うのでしょうか。
以下に例文をあげてみます。
例えば、恋愛で頭がいっぱいになってしまうことを「恋にうつつを抜かす」と言います。
- 取引先のに女性にうつつを抜かして、仕事に身が入らない
- 推しのアイドルにうつつを抜かして、大金をつぎ込んでしまった
また、趣味や遊びに夢中になって日常の仕事や勉強を忘れてしまうことも、「遊びにうつつを抜かす」と表現されます。
- 賭け事にうつつを抜かして、妻に愛想を尽かされてしまった
- ゲームにうつつを抜かして、学校の成績が落ちてしまった
さて、上にあげた例文は、どれもネガティブな印象を受けますよね。
基本的に、うつつを抜かすは、いい意味では使われません。
例えば
- 仕事にうつつを抜かした結果→出世した(×)
- 勉強にうつつを抜かした結果→成績が上がった(×)
というような、良い結果にはならないということです。
夢中になってしまった結果、好ましくない結果を招くという場面で使われることがほとんどです。
これから良い意味で使われることが増えるかもしれませんが、今のところは否定的な表現として使用されると覚えておきましょう。
まとめ
「うつつを抜かす」は、何かに心を奪われて現実を忘れるという意味を持つ表現です。
恋愛や趣味、遊びなど、様々な場面で使われますが、ネガティブな結果を招くケースで使用されるのがほとんどです。
現代では日常生活の中で、口語ではあまり使われないかもしれません。
ですが、文学作品などではよく出てきます。
しっかりと意味を理解して、自分自身で使いこなせるようにしておきたいですね。