私が大学受験をしたのは、約20年も前のことなので、今の受験生の方々にどれだけ参考になるかは未知数です。
ただ、慶應大学の経済学部と商学部のA方式の試験科目は、現在とほとんど変わっていないので、ある程度参考になるかと思います。
私は某国立大学の文系学部に浪人した末に合格して、入学して、卒業しました。
浪人生のときに、慶応大の経済学部と商学部のA方式を受験し、どちらも合格しました。
A方式で受験した理由は、やはり試験科目に数学があったこと。
とはいえ、私にとって数学は鬼門で、大の苦手科目でした。
ですが、B方式で受けると、私立文系専願の受験生には、とてもじゃないですが、敵いません。
当時の入試の倍率は、A方式が約3倍で、B方式は10倍くらいでした。
今も、倍率はそれほど変わっていないようです。
そこで、A方式で受験し、無事に合格できたというわけです。
B方式で受験していたら、まず間違いなく落ちていたと思います。
これが、慶應大学のA方式の受験、特に、商学部A方式は慶應義塾大学の穴場と言われる理由なのでしょう。
この記事では、このときの体験をもとに、慶應大学の経済学部と商学部のA方式の受験について、難易度や注意点をお話していきたいと思います。
合格した大学と不合格になった大学
参考までに、私が現役時~浪人時に合格した私立大学と、不合格になった私立大学をまとめておきます。
合格した大学・学部
- 慶應大学経済学部
- 慶應大学商学部
- 早稲田大学人間科学部
- 同志社大学法学部
落ちた大学・学部
- 早稲田大学政経学部
- 早稲田大学法学部
- 慶應大学法学部
- 同志社大学文学部
ザっと見れば、お分かりいただけると思いますが、私立文系の最難関と言われる早稲田の政経・法、慶応の法などは、ちゃっかり落ちています(^^;)
やはり、国立併願の一般レベルの受験生では、これらの学部に受かるのは難しいと思います。
優秀な方なら、合格できるでしょう。
しかも勉強しなくても。
私の場合は、そこまでの頭は持ち合わせていません。
浪人した末に、ようやく志望する国立大学に何とかたどり着いたというレベルなので。
慶應大学A方式の英語
ここから、慶應大学のA方式の各試験科目について述べていきたいと思います。
ただし、攻略法といった大そうなものではなく、あくまで体験談としてお話させていただきます。
まず、英語ですが。
商学部の難易度は、それほど高くはないと思います。
当時のセンター試験よりは難しいですが、早稲田や慶応を目指す受験生の方なら、比較的とっつきやすいはずです。
旧帝大やそれらに匹敵するレベルの国公立大学志望者の方でも同じでしょう。
経済学部の英語は、商学部よりやや難しいという印象です。
英作文とかありますからね。
そのため、私立文系専願の受験生の方は、多少苦戦するかもしれません。
ただし、英文自体はそれほど難しいものではないので、難易度が高いとかというと、そんなことはないと思います。
特に、難関国公立大学併願者の方は、志望する国公立大学の勉強をしておけば大丈夫という感じ。
わざわざ慶応大学A方式のための対策をする必要はないでしょう。
過去問を数年分見ておけばOKだと思います。
私が受験したときも、経済学部、商学部ともに、思ったより難しくはないというレベルでした。
英語は得意科目ということもありましたが、慶応大学を狙う受験生なら、英語が得意な人が多いはずです。
結構な分量の英文を読んで、時間内に解答していかなければいけないので、もちろん気を抜くことはできません。
それでも、試験を終えた後、慶応大学ならこれくらいのレベルは妥当かなと感じました。
英語は、経済学部でも商学部でも、配点は試験科目全体の半分くらいあります。
なので、英語は得点源にしないと、合格は難しいですね。
私が受験したときも、経済学部、商学部ともに8割以上は正解できました。
慶應大学商学部A方式の社会科目
現在、慶應大学商学部のA方式では、試験科目に社会科目があります。
正直なところ、商学部のA方式の社会科目は、難易度は低いと思います。
センター試験と同じくらいか、それよりちょっと難しいという程度かなと。
少なくとも、早稲田の社会科目に比べると、かなり易しいのは間違いないでしょう。
実際、私は、世界史を選択して受験しましたが、早稲田や他の難関私立大学の世界史より、かなり簡単だったと記憶しています。
センター試験後も、世界史の勉強はしていましたが、センター試験+αのレベルで十分対応できる感じです。
今も、社会科目に関しては、私が受験した当時と難易度はあまり変わっていないようなので、社会科目が合否を分けるということは、あまりないと思います。
慶應大学経済学部A方式の小論文
経済学部のA方式の試験科目に、小論文があります。
小論文の難易度については、正直、分かりません(汗)
小論文というより、国語の延長のような科目という感じがしました。
私は、国語も小論文もわりと得意だったので、特に対策をしなくても、何とかなりました。
私立文系専願の受験生の方は、受験する大学の試験科目に小論文があり、その対策をしているのであれば、合格点はとれると思います。
国公立大学併願者の方でも、二次試験に国語があることが多いので、その勉強をしていれば、何とかなるかなという印象です。
慶應大学A方式の数学
さて、最大の山場、数学をむかえます。
慶應大学経済学部、商学部のA方式では、どちらも試験科目に数学がありますね。
私にとっては、この数学が、合否の運命を決める大きな科目となりました。
私は数学が苦手で、現役時は、数学がいつも足を引っ張るやっかいな存在でした。
浪人してから、かなり数学に力を入れましたが、模試でもなんでも、とにかく波が激しかったんです。
第一志望の国立大学の判定は、数学がうまくいったときはA判定だけど、うまくいかなかったときはD判定をくらったこともあります。
そんな調子なので、慶應大学の経済学部と商学部でも、果たして数学のあるA方式で受験して大丈夫なものか?
不安にかられながら、試験問題を解いていましたね。
そして、結果は…
経済学部も商学部も、全問解答して、時間があまりました。
どちらの学部か忘れてしまったのですが、あまった時間で全問を見直す余裕さえありました。
しかも、
本当に間違ってない?
これ、簡単じゃない?
どう考えても、全問正解してるような気がするんだけど?
といった感じで、別の意味でちょっと不安になりました(^^;)
結局、満点だったかどうかは分かりませんが、経済学部も商学部も、数学で8割以上は得点できたと思います。
ただし、気を付けないといけないのは、数学は年度によって、難易度にかなり差があるということです。
私が受験したときは、たまたま数学が易しかったのだと思います。
別の年だったら、どうなっていたか分かりません。
しかも、数学は最近、難化傾向にあるようです。
20年くらい前だったからよいものの、最近の入試問題だと、落ちている可能性の方が高いかもしれません。
少なくとも、私ごときでは満点はとれないでしょう。
難関国公立大学併願で、数学が得意な方は、十分合格点をとれると思います。
逆に、私立文系専願の受験生で、数学を勉強していない方は、さすがに合格点をとるのは難しいでしょう。
まとめ
以上、慶應大学の経済学部と商学部のA方式の入試について、自身の体験を交えて語ってきました。
ぶっちゃけ、私の印象では、
- 慶應大学商学部A方式:難関国公立大学受験者のすべり止め
- 慶應大学経済学部A方式:難関国公立大学受験者の併願先
と、なると思います。
悲しいかな、やはり、これが現実です。
商学部では、英語と社会で受験生に差がつくとは思えません。
どうしても、数学で差がついてしまうでしょう。
経済学部も同じで、英語と小論文でそれほど差がつくとは思えません。
合否を分けるのは、数学になると予想されます。
私が合格できたのも、たまたま、数学がうまくいったというだけのことなので。
私が入学し、卒業した某国立大学でも、慶應大学の経済学部と商学部のA方式を合格した友人は結構いました。
私立文系専願の受験生の方でも、数学を勉強しているのであれば、合格する可能性はあるかと思います。
実際、慶應大学商学部のA方式に狙いを定めて、合格を勝ち取っている方もいらっしゃるようです。
ですが、ライバルとなるのは、同じ私立文系専願の受験生というより、国公立大学受験生になるでしょう。
これが、厄介な点ですね。
というわけで、慶應大学A方式、特に商学部のA方式は確かに穴場かもしれませんが。
それは、国公立大学受験生にとってということになるかと思います。
私立文系専願の受験生にとっては、決して穴場とは言えないというのが、実際のところですね。