対応が遅れることを、「後手に回る」と表現することがあります。

特に不利な状況に置かれることを意味します。

さまざまな言い換え表現があるため、それらを合わせて知っておくと便利です。

この記事では、「後手に回る」の意味と使い方、類語や英語表現を詳しく紹介しています。

後手に回るの意味は?

「後手」は「ごて」、「回る」は「まわる」と読みます。

ごくたまにですが、「後手」を「あとで」と読み間違えるケースがあるようなので、注意が必要です。

意味は、他者に先を越されてしまい、結果として不利な状況に置かれることを表します。

後手は、もともと囲碁や将棋などで、相手の行動の後に自分の手を打つことを意味していました。

そこから、「後手に回る」は、相手に一歩先行されることで、自分が受け身の立場になったり、不利な状況に追い込まれることを表すようになりました。

さらに、対応が遅くなっている状態をさらに強調する際には、「後手後手に回る」という形で用いられることもあります。

後手に回るの例文をご紹介

後手に回るの例文を以下に5つ紹介します。

  • 新製品の開発で競合他社に先を越され、我が社は後手に回る状況に陥った。
  • 試合の序盤で相手チームの猛攻に対応しきれず、後手に回ってしまい、苦戦を強いられることになった。
  • 政府の後手に回る景気対策に、市民からはもっと迅速な対応が求められている。
  • 彼は恋愛において後手に回ることが多く、気になる相手にアプローチする前に、意中の人は他の誰かと親しくなってしまう。
  • クレーム対応は一歩間違えると、後々面倒な問題に発展する恐れがあるので、後手に回らないように注意しなければならない。

後手に回るの類義語をご紹介

「後手に回る」の類義語としては、先を越される、遅れを取るという意味の言葉が当てはまります。

  • 後手を踏む
  • 後塵を拝する(こうじんをはいする)
  • 先手を取られる
  • 出し抜かれる
  • 出鼻をくじかれる
  • 引けを取る
  • 風下(かざしも)に立つ
  • 水をあけられる

などの表現があげられます。

後手に回るの対義語をご紹介

「後手に回る」の対義語としては、早めに手を打つという意味の言葉が考えられます。

  • 先手を打つ
  • 先を越す
  • 先回りする
  • 出しぬく
  • 機先を制す(きせんをせいす)

といった表現があげられます。

後手に回るの英語表現をご紹介

「後手に回る」び英語表現は様々なものがあります。

例えば

  • fall behind
  • be on the back foot
  • be behind the eight ball

などがあげられます。

例文を示すと

In the rapidly changing tech industry, companies that fail to innovate quickly fall behind.

急速に変化する技術産業において、迅速に革新しない企業は後手に回る。

という形で使われます。

なお、be behind the eight ballいう表現は、ビリヤードで、8番の球をポケットに落としてはいけないというルールから来ています。

そこから、自分が8番のボールの後ろにいると、不利な状況に置かれることになるという意味合いを持ちます。

まとめ

「後手に回る」とは、他者に先を越されてしまい、結果的に不利な立場に立たされることを意味します。

ビジネスでは、後手に回ると致命的な損失につながることがよくあります。

もちろん、常に先回りすることが最善とは限らず、場合によっては慎重な判断が必要になります。

ですが、変化の激しい現代社会では、早めに決断することが重要になる場面が多いでしょう。

日常生活においても、後手に回ると不利になることはよくあるので、早めに判断して行動するようにしたいものですね。