「数珠(じゅず)つなぎ」という慣用句があります。
数珠は仏事や法要などで、よく身に付ける機会があるでしょう。
その数珠の珠が連なっている様子から生まれた言葉です。
この記事では、「数珠つなぎ」の意味と使い方、類義語や英語表現まで詳しく紹介しています。
数珠つなぎの意味は?
「数珠つなぎ」とは、物事や人が直接または間接的に連続してつながっている様子を表す表現です。
数珠の珠が糸でつながれているように、一連の関連性や因果関係があることを意味します。
人と人との関係性や、ある出来事が次の出来事に連鎖的に影響を及ぼす状況を指す際に用いられます。
数珠つなぎの由来は?
数珠は、仏教で用いられる小さな玉を糸でつなぎ輪状にした仏具で、仏事や法要の際に手にかけることが一般的です。
特にお葬式などで目にする機会が多く、故人への哀悼や供養をする際に手にするので、数珠そのものはよく知られているものと思います。
数珠は複数の珠で連なっているため、さまざまなものが連続して続く様子を想像させます。
そこから、一連の事物が次々と繋がっていく様子を、「数珠つなぎ」と表現するようになりました。
この比喩は、人や物事が途切れることなく続いていくことのたとえとして使われています。
数珠つなぎの例文をご紹介
「数珠つなぎ」の使い方として、例文を5つ紹介します。
- 彼女の手作りアクセサリー展示会では、カラフルなビーズが数珠つなぎになっているネックレスが、来場者の目を引いていた。
- 新年会での余興では、参加者が一人ずつ前に出て、数珠つなぎで面白いエピソードを披露した。
- そのドキュメンタリー番組では、影響を受けた人物が次々と紹介され、まるで数珠つなぎのようにつながっていく物語が展開された。
- 小学校の避難訓練で、生徒たちが手をつなぎ、数珠つなぎになって校庭へと安全に避難していった。
- 会議でのアイデア出しでは、一つの提案から始まり、それに触発されたアイデアが数珠つなぎで次々と生まれ、新しいプロジェクトの概要が形成された。
数珠つなぎの類義語をご紹介
「数珠つなぎ」の類義語としては、一つに並んだり、次々とつながっていく様子を意味する言葉が当てはまります。
- 一つなぎ
- 列をなす
- 一列に揃う
- ずらりと並ぶ
- 芋づる式
などの表現が考えられます。
より簡単に、「つながる」とか「連なる」といった語句でも言い換えることができます。
数珠つなぎの対義語をご紹介
「数珠つなぎ」の対義語としては、途切れるといった意味の言葉が当てはまります。
- 途切れ途切れ
- とびとび
- 絶え絶え(たえだえ)
- 断続的
- 間欠的
などがあげられます。
数珠つなぎの英語表現をご紹介
数珠つなぎの英語表現としては、「in a row」や「linked together」がふさわしいでしょう。
どちらも、物事や人が連続してつながっている様子を表すのに用いられます。
(子供たちは安全のために手をつないで、一列(数珠つなぎ)になって学校から出ていった。)
(真珠が数珠つなぎになって、美しいネックレスを形成した)
といった形で使われます。
まとめ
「数珠つなぎ」とは、物事や人が連続してつながっている様子を表す表現です。
物理的な連続性だけでなく、人や出来事が連鎖的に関連していく状態を描写する際にも用いられます。
数珠の連なる様子から来ており、宗教的な背景がありますが、現代では日常的に広く使われています。
普段の生活でも、物事の連続的な関係や人の繋がりを表すのに便利な言葉だと言えるでしょう。