「糧にする」という慣用句があります。
一口に言うと、「支えにする」という意味で、普段の生活でもよく使われる表現ですね。
ただ、ここでの「糧」というのは、どういう意味なのでしょうか。
意外と知らないという場合があると思います。
この記事では、「糧にする」の意味と、例文から類義語や対義語まで詳しく紹介しています。
糧にするの意味は?
「糧にする」は「かてにする」と読みます。
日常生活での経験や出来事を将来のために利用し、精神的な支えや活力に変えていくことを意味します。
糧とは何のこと?
「糧」という言葉には、「食糧」としての「りょう」という読みが一般的ですが、「糧にする」では「かて」と読みます。
もともと「糧」は食物や食料品を指す言葉ですが、そこから転じて、人の精神的なエネルギーや生活を支えるものという広がりを持つようになりました。
「糧にする」という言葉を使う時、実は色々なものが「糧」になり得ます。
生活を支える技術や仕事から、自分を成長させる知識や経験まで、本当に幅広いです。
例えば、恩師や大切な人からのアドバイスを元気の源にしたり、失敗や失恋のような、一見すると辛い出来事も、自分を強くするチャンスとして捉えることができます。
最近だと、推し活に代表されるように、アイドルやアニメのキャラクターを心の支えにしている人も多いですね。
「糧」は本当に様々な形がありますが、結局のところ、あらゆるものが自分を一歩前に進める助けになります。
なので、日常生活のどんな経験も大切にしたいところです。
糧にするの使い方は?
「糧にする」の使い方として、例文を5つ紹介します。
- 彼女は過去の失敗を糧にして、新しいプロジェクトに挑む勇気を持った。
- 大学時代のアルバイト経験を糧にして、彼は顧客サービスのスキルを磨き上げた。
- 敗戦の悔しさをどう捉え、それを自分の成長のための糧にするかどうかは、最終的には選手次第だろう。
- 推しのアイドルグループを糧にしていたのに、解散の知らせを受けて、まるで生きる意欲を奪われたかのような気持ちになった。
- 彼女はメンターからの助言を糧にして、自己成長のために新しい分野に挑戦する決意を固めた。
糧にするの類義語は?
糧にするの類義語としては、「生活の支えにする」や「自身の成長のために活用する」という意味の表現が考えられます。
同じような意味合いを持つ言葉として
- 教訓にする
- 血肉とする
- 拠り所にする
- 肥やしにする
- バネにする
- 踏み台にする
- 足しとする
- 災い転じて福となす(わざわいてんじてふくとなす)
などがあげられます。
糧にするの対義語は?
糧にするの対義語としては、「挫折や失敗を乗り越えられずに立ち止まる」や「反省しない」という意味の言葉が考えられます。
- 心を折る
- 諦める
- 挫ける(くじける)
- 学ばない
- 活かさない
- 懲りない(こりない)
- 同じ轍を踏む(おなじてつをふむ)
- 二の舞を演じる(にのまいをえんじる)
などの表現があげられます。
まとめ
「糧にする」とは、人生で遭遇する経験や出来事を自分の精神的な支えや活力に変えていくことを意味します。
特に「糧」というのは、生きていくのに不可欠な食糧のことを指し、そこから生活における大切な精神的エネルギーや支えという意味を持ちます。
現在でも、このような活力の源となるのは、様々な形で存在しますね。
楽しいものだけでなく、時には辛い経験でさえも「糧」にできるものです。
また、日常生活はもとより、ビジネスシーンでもよく使われる表現なので、その使い方をマスターしておくに越したことはないでしょう。