関東と関西で、習慣やマナーが違うことがよくあります。
その中で有名なもの1つが、エスカレーターの立ち位置です。
関西ではエスカレーターの右側に立ちますが、関東を含むそれ以外の地域では左側に立つのが一般的です。
では、なぜ、このような違いが生まれたのでしょうか?
この記事では、関西とそれ以外の地域で、エスカレーターの立ち位置が異なる理由と、海外ではどのようになっているのかについて、詳しく紹介しています。
関西のエスカレーターの立ち位置が右側になった理由は?
関西でエスカレーターの右側に立つ習慣が広まったのには、興味深い歴史的背景があります。
エスカレーターの片側を空ける習慣は、1967年に阪急電鉄梅田駅で始まったとされています。
当時、駅に新しい長いエスカレーターが設置され、急いでいる人のために片側を空けるよう呼びかけがありました。
この際、イギリスのエスカレーターの使い方が参考にされ、左側を空けて右側に立つスタイルが採用されます。
その後、1970年に大阪で開催された「万国博覧会」の際にも、このマナーが推奨されました。
万国博覧会というイベントを通じて、エスカレーターで右側に乗る習慣がさらに広まり、大阪を中心に定着していったと考えられています。
このように、一つの小さな呼びかけが、長い時間を経て地域の文化に影響を与えることがあるんですね。
大阪のエスカレーター文化は、そんな歴史の一コマとして興味深いです。
また、エスカレーター自体は、日本に初めて導入されたのが、1914年(大正3年)のことで、その場所は、東京の日本橋にある三越呉服店(今の日本橋三越本店)でした。
ですが、エスカレーターで片側を空ける習慣は、阪急の梅田駅の呼びかけがきっかけで、ずっと後になってからのことです。。
そのため、「片側を空ける」という習慣の起源は、実は大阪にあると言えるんです。
他の地域のエスカレーターの立ち位置が左側になった理由は?
関西以外では、関東に限らず、日本のほとんどの地域で、左側なのが一般的です。
では、なぜ、関西以外でエスカレーターの左側を立ち位置として使う習慣が普及したのでしょうか?
この由来については、実はハッキリしたことは分かっていないようです。
ただ、一つの説として「自動車の交通ルール」が関係していると考えられています。
日本では、自動車や自転車などは左側を走行することが法律で定められています。
ですが、車が進路を変えて、進行中の前の車などの前方に出る場合は、原則として右側を走らなければいけません。
これも法律で定められていますね。
確かに、エスカレーターも一種の乗り物と考えれば、まずは左側に立ち、急いで追い越すときは右側を通るという行動が自然と取られるようになります。
これは、日本の交通ルールに倣ったマナーと言えるでしょう。
また、東京で右側を空けるという習慣が広まったのは、意外と新しく、1989年(平成元年)ごろから始まったとされています。
この流れを作ったのは、地下鉄千代田線の新御茶ノ水駅に設置された長いエスカレーターがきっかけでした。
ここで「右側を空ける」というマナーが徐々に定着し始め、東京のエスカレーター文化に影響を与えたと言われています。
地域によって違うエスカレーターの立ち位置
関西地方では、エスカレーターの立ち位置が右側で、左を空けるのが一般的です。
大阪や兵庫、和歌山、奈良などでは、ほぼどの駅でも右側に立ちます。
でも、関西ならどこも右側に立つのかといと、そうではありません。
例えば、京都では、左側に立つ駅も結構あります。
特にJR京都駅では、左側に立つのが普通です。
市内に入ると、右側に立つことも増えます。
京都では、左右の立ち位置が駅によって違ってくるというわけです。
同じように、滋賀県でも、基本的に左側に立つ人が多いですが、状況によって右側に立つこともあります。
そのため、関西といっても、京都や滋賀では、その場の状況に応じて立ち位置が変わるということになります。
また、関西以外の地域では、ほとんどの場所でエスカレーターでは左側に立つことが一般的です。
ただし、宮城県の仙台市のように右側に立つことが多い地域もあります。
さらに、地域によっては、片側を空けずに両側に立つ、あるいは真ん中に立つという習慣も見られます。
海外のエスカレーターはどちらが立ち位置?
エスカレーターで片側を空ける習慣は、もともとイギリスから始まりました。
イギリスを含むヨーロッパの多くの国では、エスカレーターで右側に立つことが一般的です。
先述したように、大阪がこのイギリスの習慣を取り入れて、片側を空けるという習慣が日本に広まりました。
ただし、ヨーロッパの全ての国に、このようなマナーが存在するわけではありません。
例えば、スペイン、イタリア、ギリシャなどでは、エスカレーターで片側を空ける習慣があまり根付いていません。
また、ヨーロッパ以外では、アメリカやカナダ、アジアの台湾、香港、韓国、そして中国の上海なども右側に立つ傾向があります。
一方、ラテンアメリカや中国の他の地域では、エスカレーターで片側を空ける習慣があまり見られません。
左側に乗る国を探すと、オーストラリアが挙げられますが、エスカレーターを歩く習慣があまりないため、常に左側が空いているわけではありません。
このように、世界的に見ると右側に乗る国が多く、東京のように左側に乗る習慣は比較的少ないことが分かります。
まとめ
私は大阪出身ですが、大学と就職は東京だったので、エスカレーターの立ち位置の違いには戸惑いました。
しかも、エスカレーターを歩く時の速さも違うんですよね。
日本では、エスカレーターの片側を空ける習慣が大阪から始まったということですが、これは分かる気がします。
というのも、大阪人は、せっかちなんです。
もともとエスカレーターは歩くものではないと思いますが、片側を空けてまで歩けるようにしたのは、大阪人の性から来たと推測しています。
日本で最も歩くのが速いのは、大阪府民と言われてますしね。
調査によっては関東の方が早歩きという結果もあるようですが、逆に世界で最も歩くのが速い地域は大阪というデータもあるくらいです。
私自身も自覚していますが、ほんとせっかちな性格です。
いらちということもあります。
最近は、エスカレーターでの事故が増えてきたため、歩かないようにアナウンスする駅も多くなっています。
安全が第一なので、注意喚起されたときは、それにしっかり従うようにしないといけないですね。