「ホーホケキョ」と鳴く鳥は?

答えは、もちろんウグイスです。

春の訪れを告げる鳥としてよく知られていますね。

ところが、ウグイスが「ホーホケキョ」と鳴くときは、実はかなり特別な状況に限られるんです。

「ホーホケキョ」と鳴く鳥はウグイスで間違いはないのですが、少し事情が複雑だったりします。

また、「ホーホケキョ」と聞いて、一瞬、ホトトギスを思い浮かべてしまうこともあるのではないでしょうか。

例えば、先ほどの質問が「ホトトギスの鳴き声は?」と形を変えると、思わず「ホーホケキョ」と答えてしまうとか。

このように、ウグイスとホトトギスに対して、似ているような印象を持っている場合が多いと思います。

ですが、両者は生態的に大きな違いがあるんです。

この記事では、ウグイスの実際の鳴き声と、ホトトギスとの意外な関係について詳しく説明しています。

ウグイスの鳴き声はホーホケキョだけではない?

ウグイスの鳴き声は、一般に「ホーホケキョ」としてよく知られています。

ですが、「ホーホケキョ」が唯一の鳴き声というわけではないんです。

また、「ホーホケキョ」という完成形ではなく、「ケキョ」や「ホヶキョ」と鳴くこともあります。

そして、メスのウグイスは「ホーホケキョ」とは鳴きません。
この鳴き声はオス特有のものです。

また、繁殖期以外のオスやメスの鳴き声は、もっと控えめで「チャッチャッ」といった音を発することが多いようです。

「ホーホケキョ」は、よく春を告げるウグイスの鳴き声と言われます。

確かにこれは間違いではないですが、実際にはウグイスは一年中鳴いています。

「ホーホケキョ」はオスのウグイスが春ごろに発する鳴き声で、夏を過ぎると、「チャッチャッ」という地味な鳴き声になるということです。

間違えやすいホトトギスの鳴き声

さらにややこしいのは、ホトトギスの鳴き声です。

ホトトギスの鳴き声に関してよくある間違いは、「ホーホケキョ」という音がホトトギスのものだと思ってしまうことです。

実は、この鳴き声はウグイスのもので、もちろんホトトギスの声とは大きく異なります。

ホトトギスの声は、甲高くてちょっと変わったリズムが特徴的です。

オスは「キョキョキョキョ」と、雌は「ピピピピ」と鳴くことが多いですが、性別による違いはそれほど顕著ではありません。

もともとは「ホトホト」という鳴き声に聞こえたようで、これがホトトギスという名前の由来になっています。

また、「タケヤブヤケタ」や「トウキョウトッキョキョカキョク」といった、聞き取りにくいけれど楽しいフレーズに聞こえたこともあるようです。

これらの表現は、ホトトギスの鳴き声がどれだけユニークでリズム感があるかを示しています。

一方で、ウグイスの「ホーホケキョ」という鳴き声は、先ほど述べたように、春が来ると、オスのウグイスがこの歌を歌い始め、春の優しい訪れを告げるというわけです。

実際に自然の中で聞くと、ウグイスとホトトギスの鳴き声は、その違いがはっきり分かると思います。

あと、少し余談になりますが、俳人の正岡子規の「子規」はホトトギスのことです。
こちらもウグイスと間違えることがあるので、注意したいですね。

ちなみに、石川啄木の「啄木」はキツツキを表していますが、正岡子規と混同して、ホトトギスと間違えてしまうケースがあります。

実際に、私が中学生のとき、国語の先生が「正岡子規の子規はキツツキのこと」と間違え教えていました😅

ウグイスとホトトギスの意外な関係とは?

ウグイスとホトトギスはよく間違えられる鳥ですが、ウグイスは「スズメ目・ウグイス科」、ホトトギスは「カッコウ目・カッコウ科」に属する鳥で、かなり隔たりがあります。

そして、両者には、実は意外な関係があります。

簡単に言うと、ウグイスにとってホトトギスは厄介な存在なんです。

ホトトギスには、ちょっと変わった習性があります。

それは、自分の卵を他の鳥の巣にこっそり置いてしまう「托卵」という行動です。

そして、この「他の鳥」としてよく選ばれるのがウグイスで、ホトトギスの托卵行動の犠牲者となりがちです。

ホトトギスはウグイスの巣に自分の卵を産み付け、ウグイスがそれを自分の卵だと思って育ててしまいます。

この行動はウグイスにとっては大きな負担になります。

ウグイスはホトトギスの卵を自分のものと信じて育てるため、本来自分の子どもに使うはずだったエネルギーをホトトギスの子に使ってしまいます。

ホトトギスのヒナは成長が早いため、ウグイスのヒナが十分な餌をもらえないことがあります。

結果、ウグイスのヒナが十分に育たないという事態に陥ることもあるわけです。

自然で生き抜くための知恵とも言えますが、ウグイスにとってはとんでもない迷惑ですね。

このように、ウグイスとホトトギスは、見た目や鳴き声だけでなく、生態学的にも異なる関係を持っています。

ホトトギスの托卵行動は、ウグイスの生存戦略に影響を与え、自然界の複雑な相互作用を示しています。

ウグイスとホトトギス、実はこのような深い因縁を持っているんですね。

まとめ

ウグイスの「ホーホケキョ」は、春の訪れを告げる声として親しまれていますが、実は特定の状況下で聞こえるものです。

また、ウグイスと混同されやすいホトトギスは、独特な鳴き声をしています。

似ているように思われがちですが、両者は生態的に大きく異なる特徴を持っています。

特に、ホトトギスがウグイスの巣に托卵するという習性は、意外な発見だったと思います。

自然界には、一見すると気づかないような、興味深い現象がたくさん隠れていますね。