「瓢箪から駒」ということわざがあります。

「瓢箪から駒が出る」とも言いますね。

予想しなかったことが起こるという意味ですが、その由来についてはあまり知られていないようです。

特に「駒」は、私たちが想像しているものとはかなり違っていたりします。

この記事では、「瓢箪から駒」の意味と由来、似た意味を持つことわざと使い方についても詳しく説明しています。

瓢箪から駒の意味は?

「瓢箪から駒(ひょうたんからこま)」の意味は

予想もしなかったことが突然起こる
または、思いがけない幸運が訪れる

となります。

冒頭で述べたとおり、「瓢箪から駒が出る」という言い方もあります。

瓢箪から駒の由来は?

「瓢箪から駒」の由来を説明します。

まず、「瓢箪」とは、ウリ科に属する植物で、キュウリやカボチャ、ヘチマ、トウガン、スイカなどと同じグループに分類されます。

形状は品種によって異なり、球形、楕円形、棒状、または下部が膨らんだ形をしていますが、一般的には上下が丸く中央が細い形を指します。

瓢箪にはククルビタシンという成分が含まれており、これが嘔吐や下痢などの食中毒を引き起こすことがあります。

そのため、食用としてはあまり利用されず、その軽さと強度を生かして、水筒や酒の容器、調味料入れなどに加工されてきました。

昔の時代劇でよく見る瓢箪から水や酒を飲むシーンや、現代でも七味唐辛子や粉山椒の容器としての使用があります。

一方、「駒」は子馬を指します。
遊び道具のコマと間違えやすいですが、小さな馬、馬の子供のことなので、注意する必要があります。

この「瓢箪」と「駒」の2つの言葉から、「瓢箪から駒」という表現が生まれたというわけです。

ただ、このままだと意味がよく分からないと思います。

さらに、詳しく説明すると。

実は、「瓢箪から駒」の由来には、中国・唐の時代の帳果という仙人の話が関連しています。

帳果は白いロバに乗り、一日に数万里を移動し、休む時にはロバを折りたたんで瓢箪に収め、乗る時には瓢箪の水を吹き出してロバを現すという伝説があります。

このような不可能と思われる話から、予想外の出来事や実現不可能と思われることが起こることを意味するようになりました。

日本でも、古くからこの表現が使われており、「尤双紙」(1632年)や「毛吹草」(1638年)などの文献に「へうたん(ひょうたん)から駒も出べき、いでねども」という表現が見られます。

また、京都の「上方いろはかるた」の絵札にも、「瓢箪から駒」が採用されています。

以上が「瓢箪から駒」の由来ですが、もう一つ別の説もあります。

「瓢箪から駒」の起源は、「瓢箪から米」であるとするものです。

昔、ある優しいおばあさんが雀を助けたところ、その雀が感謝の印として彼女に瓢箪を贈りました。

その瓢箪からは米があふれ出たという物語があります。

この物語が時を経て変化し、米が駒に変わって現在の形になったと言われています。

「舌切り雀」とよく似たお話ですが、雀が贈ったものが頭巾というバリエーションもあります。

瓢箪から駒と似た意味のことわざをご紹介

次に、「瓢箪から駒」とよく似た意味を持つ表現として、以下の3つを紹介します。

枯木に花開く(かれきにはなひらく)

「枯れた木に花が咲く」という意味で、望みが薄い状況や絶望的な状態から意外な良い結果が生じることを表します。

嘘から出た実(うそからでたまこと)

「嘘から真実が生まれる」という意味で、始めは偽りや冗談だったことが後に現実となる状況を表します。

灰吹きから蛇が出る(はいふきからへびがでる)

灰吹きとは、タバコの吸い殻を入れるための筒のことです。

「灰を吹くと蛇が出る」という意味で、ちょっとした行動から思わぬ出来事が起こることを示します。

幸運だけではなく、良くない出来事が生じるときにも使われます。

瓢箪から駒の使い方をご紹介

続いて、「瓢箪から駒」と「瓢箪から駒が出る」の使い方として、5つの例文を紹介します。

  • 友人が会社の社長になったなんて、まさに瓢箪から駒だ。大学を卒業してからずっと地道に働いていた彼が、こんなに早くトップに立つとは思わなかった。
  • 彼女がベストセラー作家になるとは、瓢箪から駒の驚きだ。昔はただの日記を書いているだけだった彼女が、今や多くの人々に読まれる作家になるとは。
  • 宝くじの当選は瓢箪から駒のようにありえないことだと思って、もう買うのをやめた。だから、友人が突然大金を当てたと聞いて、本当に驚いた。
  • 私の研究が国際的な賞を受賞するなんて、瓢箪から駒が出るような成果だ。長年の努力が認められるとは思ってもみなかったし、こんな栄誉を受けるとは夢にも思わなかった。
  • 地元の小さな町からオリンピック選手が出るとは、瓢箪から駒が出るような出来事だ。町の人々は彼の才能に気づいていなかったが、彼は世界で活躍する選手になった。

以上の例文は、「瓢箪から駒」あるいは「瓢箪から駒が出る」を使って、予想外の出来事や驚きの結果をより具体的に表現しています。

まとめ

「瓢箪から駒」は、予想外の出来事や幸運を表すことわざです。

瓢箪と駒の意外な組み合わせから生まれた表現で、日常生活で起こる予期せぬ出来事を象徴的に表すのに適しています。

様々な場面で使われるので、類語も含めて覚えておきたいですね。