春を表す言葉の1つに、啓蟄があります。

読み方は「けいちつ」です。

ちょっと難しい言葉でもあるので、あまり馴染みがないということもあるかもしれません。

私も大学受験生の頃に初めて知りました。

ですが、毎年、啓蟄の日があり、時候のあいさつとしても使われることがあります。

この記事では、2024年の啓蟄の日と、その意味、時候のあいさつの例文についても紹介しています。

2024年の啓蟄はいつ?

2024年の啓蟄は、3月5日(火曜日)です。

旧暦だと、1月25日になります。

また、2024年の啓蟄の期間は、3月5日(火)~3月19日(火)となります。

啓蟄は、太陽が黄道上で345度の位置に達する日を指します。

黄道とは、太陽が天空を通過する道のことで、この345度は、地球の赤道を宇宙に投影した「天の赤道」との角度です。
直接見ることはできませんが、このような計算によって特定されます。

この天文学的な現象により、啓蟄は毎年3月5日か6日のいずれかになります。

また、啓蟄の期間は、毎年啓蟄の日から春分の日の前日までとなります。
2024年の春分の日は3月20日なので、2024年の啓蟄は3月19日までになるわけです。

参考までに、2025年以降の啓蟄の日も以下にまとめています。

啓蟄の日にち
2025年 3月5日(水)
2026年 3月5日(木)
2027年 3月6日(土)
2028年 3月5日(日)
2029年 3月5日(月)

啓蟄の意味と由来は?

啓は、「啓」と「蟄」という言葉から成り立っています。

  • 啓:開く
  • 蟄:土の中で冬眠している虫

という意味です。

そこから、啓蟄は、「冬眠していた虫たちが目覚める」という意味を持ち、冬の間休眠していた昆虫や他の生き物がこの頃に活動を始めることを示しています。

この時期は多くの植物や木々が初めて葉や芽を出し始める時期でもあり、気温が暖かくなるにつれて自然界に春の訪れが感じられるようになります。

また、啓蟄は、太陽の動きに基づいて年間を24の時期に区切る「二十四節気」の1つであり、季節の変化と深く関連しています。

例えば、春分や秋分、夏至や冬至なども二十四節気に含まれます。

これらの節気は季節に応じて分けられ、特定の節気が訪れると「暦上では春」といった表現が使われることがあります。

この二十四節気は古代中国で考案されたもので、当時の気候と「旧暦(太陰太陽暦)」に基づいて名付けられました。

現代の日本では太陽暦を使用しているため、実際の季節よりもこれらの節気は少し早めに訪れる傾向があります。

さて、二十四節気では、それぞれの時期に何かをするものです。

例えば、春分や秋分には、お彼岸でお墓参りをするのが一般的ですよね。

では、啓蟄では何をするのかというと。

実は、啓蟄には特に伝統的な行事などはありません…

ただ、冬に害虫退治に使用したコモ(菰)を焼く風習が残っている地域があるようです。

また、3月3日がひな祭りなので、その片づけを行うご家庭も多いと思います。

啓蟄を用いた時候のあいさつの例

啓蟄は、時候のあいさつで用いられることがあります。

ここでは、啓蟄の使い方として、3つの例文を紹介します。

啓蟄の候、冬眠から覚める生き物たちのように、皆様の心にも春の息吹が満ちることを願っております。
啓蟄を迎え、自然が目覚めるこの季節に、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
啓蟄の時期、すっかり暖かくなりましたが、皆様におかれましては、変わらずお過ごしでしょうか。

これらの挨拶文は、啓蟄の季節の特徴を取り入れつつ、相手への思いやりや願いを表現しています。

ビジネスのメールや手紙、個人的なメッセージでも使える表現です。

まとめ

啓蟄は春の訪れを告げる重要な節気で、自然が目覚める時期を象徴しています。

時候のあいさつにも使われることがあり、周囲の人々への思いやりを表現することができます。

2024年の啓蟄は、3月5日(火)~3月19日(火)となるので、ぜひ覚えておきましょう。