ヒラメとカレイは、よく似ている魚として有名ですね。

一見すると、同じ魚のように思えます。
特に素人では、なかなか見分けがつかないものです。

ですが、両者には大きな違いがあります。

この記事では、ヒラメとカレイの様々な違いを説明するとともに、簡単な見分け方と覚え方を紹介しています。

ヒラメとカレイの簡単な覚え方をご紹介!

ヒラメとカレイを見分ける方法として、日本では「左ヒラメに右カレイ」という言葉があります。

これは、魚の頭が左向きならヒラメ、右向きならカレイという意味です。

ただし、これを判断するには、目を上にして置いて確認する必要があります。

つまり

  • ヒラメ:目を上にしたとき、頭が左向き
  • カレイ:目を上にしたとき、頭が右向き

ということです。

さらに、「ヒラメ」の「ヒ」が「ひだり」の「ひ」を指していると、語呂合わせで覚えれば、記憶に定着すると思います。
実際、私はこのようにして覚えました。

しかし、全てのヒラメとカレイが、左向きと右向きになっているかというと、そうではないようです。

わりと例外も多く、種類によって、あるいは突然変異で、左右の区別ができないこともあります。

例えば、2023年の11月に、千葉県や茨城県で右向きのヒラメが釣り上げたられたことが報告されています。
ニュースでも取り上げられ、一部は水族館で公開するかもしれないという話です。

遺伝的な要因によるものと考えられていますが、右向きのヒラメが出現する確率は「何万分の1」と予測され、かなり珍しいそうです。

なので、「左ヒラメに右カレイ」という見分け方が間違っているわけではないですが、例外もあるので、その点は注意が必要になります。

ヒラメとカレイの違いは?

「左ヒラメに右カレイ」以外にも、ヒラメとカレイの違いはいくつかあります。

ここでは、その他の違いを紹介します。

生態の違い

一般的にヒラメは一種類ですが、カレイには多くの種類が存在します。

まず、ヒラメとカレイはどちらもカレイ目に属しています。
この点では、大きな違いはありません。

しかし、具体的な分類においては異なります。

ヒラメは、カレイ目カレイ亜目ヒラメ科ヒラメ属に分類される魚の一種です。

一方、カレイはカレイ目カレイ科に属する魚の総称となっています。
カレイ科はさらに5~7つの亜科に分けられ、マガレイやマコガレイなど、実に様々な種類が存在します。
世界では100以上の種類が確認されており、ヒラメの分類よりもその数に違いがあります。

このように、ヒラメとカレイは生物学的には近い存在ですが、カレイ科の方が種類の多さにおいて大きな違いがあると言えます。

これは、それぞれの生態系における適応の違いによるものと考えられています。

ヒラメは主に砂泥底の海域に生息しています。

一方で、カレイは砂泥底だけでなく、岩礁域や藻場など、より多様な環境に適応しています。

ヒラメは比較的限定された環境で生活するため、その種類は限られていますが、カレイは多様な環境に適応するため、多くの種類が存在するというわけです。

口の違い

ヒラメとカレイは、口や歯も異なる特徴があります。

ヒラメの口は大きく開き、鋭い歯が並んでいます。
これは、ヒラメが肉食性であり、小魚などを捕食するためのものです。

例えば、釣り餌に小アジやイワシを使うことがありますが、これはヒラメの食性を反映しています。

一方で、カレイの口は小さなおちょぼ口で、大きくは開きません。
カレイの餌は、主に海底にいる小エビやゴカイなどの小さな生き物です。

このため、カレイの口は吸いつくような形をしており、肉食性のヒラメとは異なる特徴を持っています。

大きさの違い

ヒラメとカレイは、その大きさにも違いがあります。

ヒラメの成魚は体長が約80cm前後になることが多いです。

対して、カレイは一般的に小さく、体長は約40cm前後です。

このため、「ヒラメはカレイよりも大きい」と言われることがあります。

ただし、例外もあります。

例えば、オヒョウというカレイの仲間は、大きなもので体長2m以上、体重200kg以上になることもあります。
また、ヒラメでも、体長が25cm前後と小さいカンゾウヒラメが存在します。

このように、ヒラメとカレイは一般的には大きさで区別されることが多いですが、種類によっては逆の違いがあるため、注意が必要となります。

値段の違い

食材として購入するときに、価格にも違いがあります。

ヒラメは高級魚として知られ、その価格はカレイよりも高い傾向にあります。

これは、ヒラメが漁獲量が少なく、希少価値が高いためです。
特に天然ヒラメは、その美味しさと希少性から高価で取引されます。

一方で、カレイは大衆魚として知られ、多くの種類が水揚げされるため、比較的安価で手に入ります。

しかし、刺身で美味しいカレイの中には、ヒラメよりも重さ単位で高価なものもあります。
例えば、西日本では特にマコガレイが高価で、一部の高級カレイはヒラメよりも高い価格で取引されることもあります。

このように、一般的には、ヒラメの方がカレイより値段が高くなる傾向がありますが、この違いにも例外があるということになります。

料理をする時や購入する際は、それぞれの魚の特徴を知ることが大切になりますね。

まとめ

ヒラメとカレイは、見た目が似ていても、生態や口の形、大きさ、値段など、様々な面で違いがあります。

特に「左ヒラメに右カレイ」という覚え方は有名ですが、例外もあるため、完全に頼るのではなく、他の特徴も併せて見分けることが大切です。

これらの違いを理解しておくと、料理や買い物をするときに役立ちますね。