急に振り出す雨のことを、「通り雨」や「にわか雨」と言いますよね。

日常生活で、この2つの表現はよく使いますし、特に違いを意識することはないかもしれません。

ですが、実は両者には明確な違いがあります。

この記事では、「通り雨」や「にわか雨」の違いと、天気予報ではどのように表現されるのかについて、詳しく説明しています。

通り雨とにわか雨の違いを簡単にまとめると?

まず、「通り雨」と「にわか雨」の違いについて、簡単にまとめます。

両者は急に降り出す点では共通していますが、その降り方に違いがあります。

通り雨は、雨雲が移動することによって起こり、サッと降ってすぐ止む特徴がありますが、何度か降る可能性があります。

一方で、にわか雨は、急に降り出して長くは続かない雨を指し、一度降ったら継続的に降ることはありません。

つまり

  • 通り雨:移動する雲による、繰り返し降る可能性のある短い雨
  • にわか雨:突然降り出し、一度で終わる短い雨

となります。

要するに、通り雨は何度か降るかもしれない雨で、にわか雨は一度だけしか降らない雨ということです。

通り雨とは?

続いて、通り雨について詳しく説明します。

通り雨は、その名の通り、通り過ぎるように短時間で降る雨を指します。

特徴としては、雨雲が移動しながら降らせるため、一箇所に長く留まることが少ないことがあげられます。

例えば、夏の暑い日、空が急に暗くなり、突然激しい雨が降り出すことがあります。

しかし、その雨は数分から数十分で止み、再び晴れ間が見えることが多いです。
これが典型的な通り雨の様子です。

通り雨は、特に日本の梅雨時や夏場によく見られます。
湿った空気が山や建物にぶつかり、雲が発生しやすい地形では、通り雨が頻繁に発生します。

海沿いの町や山間部では、このような雨に遭遇することが多いでしょう。

また、通り雨は、しばしば虹の出現を伴います。
雨が止んだ後、太陽の光が雨粒を通過することで、虹が空にかかることがあります。

通り雨は予測が難しく、突然の降雨によって外出時に濡れてしまうこともありますが、その一方で、短時間で終わるため、長時間の雨具の準備が不要な場合も多いです。

にわか雨とは?

次に、にわか雨について詳しく説明します。

にわか雨は漢字で表記すると、「俄雨」となります。

にわか雨は、突然降り出し、短時間で終わる雨を指します。
特徴は、予期せぬタイミングで急に降り出すことです。

晴れていると思ったら突然の雨が降り出し、数分後にはまた晴れるというような状況が、にわか雨の典型的な例です。

先ほども述べましたが、通り雨は移動する雲によって何度か降る可能性があるのに対し、にわか雨は一度降り出すとその後は続かないという点で異なります。

にわか雨は、特に夏の暑い日によく見られます。
大気が不安定になると、急に雨雲が発生し、短時間で強い雨を降らせることがあります。
場所的には、山間部や内陸部でよく見られる現象です。

にわか雨は、突然降りだすので、外出時に傘を持っていないと不意を突かれることがあります。
ただし、短時間で終わるため、すぐに晴れ間が戻ることも多いです。

また、にわか雨は、雷を伴うことも多いようです。
さすがに雷が発生すると、危険な状態になりかねません。

雨はすぐに止むかもしれないと油断せず、雨宿りをするなど、十分に注意する必要がありますね。

天気予報で注意すべきことは?

まず、通り雨とにわか雨は、日常的に使われる表現であり、気象庁の正式な気象用語としては別の言葉が使われます。

通り雨に相当する気象用語は「局地的大雨」です。
局地的大雨は急に強く降り、数十分の短い時間で、狭い範囲に数十mm程度の雨量をもたらす雨を指します。

この用語は、単独の積乱雲が発達することによって起き、大雨や洪水の注意報・警報が発表される気象状態でなくても、急な強い雨のため河川や水路等が短時間に増水する等、急激な状況変化により重大な事故を引き起こすことがあります。

一方で、にわか雨に相当する気象用語は「時雨(しぐれ)」になります。

時雨は、一時的な雨が断続的に降る様子を表すときに用いられます。

時雨も、にわか雨と同じように、雨が断続的に降ることを意味しており、通り雨とは異なる特徴を持っています。

これらの用語は、天気予報や気象情報で使われることがあり、日常生活での「通り雨」「にわか雨」という表現とは少し異なる意味合いを持っています。

もちろん、天気予報では、分かりやすいように「突然の雨にご注意ください」というように呼びかけることはあります。

ただ、天気予報を聞くときも、これらの用語の違いを理解しておくと、より正確な天気の情報を得ることができますね。

まとめ

通り雨とにわか雨の違いは、何度か降る可能性のある雨か、一度で終わる短い雨かの違いです。

また、気象用語としては、通り雨は「局地的大雨」、にわか雨は「時雨(しぐれ)」に相当します。

普段の生活では、これらの違いを意識することはあまりないと思います。

ですが、知っておくと天気予報をより深く理解し、日常生活での備えに役立てることができますね。