日本神話の天地創造に関する考え方
キリスト教などの一神教では、まず最初に唯一神ありきで、唯一神によって天地が創造され、人間も唯一神によって作られたと考えられています。
これに対して、日本神話、あるいは神道の考えでは、まず天地が最初にあり、そこに神様が現れて、その後に人間が現れたとされています。
神道の宗派によっては、人間は神様の分身であり一部分だという考えもあります。
キリスト教などの一神教:神→天地→人間
日本神話・神道:天地→神→人間
両者はこのように順番の考え方に大きな違いがあります。
イザナギ神とイザナミ神は国産みを行いますが、天地ができた後に造化三神をはじめとする神々が出現したのであって、あくまで天地ができてから日本の国土も形作られたということです。
イザナミ神とイザナミ神が産み出した島
- 淤能基呂島(オノゴロ島)
- 淡嶋(アワ島)
大八島国(オオヤシマグニ)
- 淡道之穂之狭別島(アワヂノホノサワケ島 ※淡路島のこと)
- 伊豫之二名島(イヨノフタナノ島 ※四国のこと)
- 愛比売(エヒメ ※伊豫之二名嶋の一部、伊予のこと)
- 飯依比古(イヒヨリヒコ ※伊豫之二名嶋の一部、讃岐のこと)
- 大宜都比売(オオゲツヒメ ※伊豫之二名嶋の一部、阿波のこと)
- 建依別(タケヨリワケ ※伊豫之二名嶋の一部、土佐のこと)
- 隠伎之三子島(オキノミツゴ島 ※隠岐のこと)
- 筑紫島(ツクシ島 ※九州のこと)
- 白日別(シラヒワケ ※筑紫島の一部、筑紫の国のこと)
- 豊日別(トヨヒワケ ※筑紫島の一部、豊の国のこと)
- 建日向日豊久士比泥別(タケヒムカヒトヨクジヒネワケ ※筑紫島の一部、肥の国のこと)
- 建日別(タケヒワケ ※筑紫島の一部、熊曾の国のこと)
- 伊岐島(イキ島 ※壱岐のこと)
- 津島(ツ島 ※対馬のこと)
- 佐度島(サド島 ※佐渡のこと)
- 大倭豊秋津島(オオヤマトトヨアキヅ島 ※本州のこと)
六島
- 吉備児島(キビノコ島 ※児島半島のこと)
- 小豆嶋(アヅキ島)
- 大島(オオ島)
- 女島(ヒメ島)
- 知訶島(チカ島 ※五島列島のこと)
- 両児島(フタゴ島)
イザナギ神とイザナミ神が産み出した神々
- 水蛭子(ヒルコ)
- 大事忍男神(オオコトオシオ)
- 石土毘古神(イワツチビコ)
- 石巣比売神(イワスヒメ)
- 大戸日別神(オオトヒワケ)
- 天之吹男神(アメノフキオ)
- 大屋毘古神(オオヤビコ)
- 風木津別之忍男神(カザモツワケノオシオ)
- 大綿津見神(オオワタツミ)
- 速秋津日子神(ハヤアキツヒコ)
- 速秋津比売神(ハヤアキツヒメ)
- 志那都比古神(シナツヒコ)
- 久久能智神(ククノチ)
- 大山津見神(オオヤマツミ)
- 鹿屋野比売神 又の名を野椎神(カヤノヒメ ノヅチ)
- 鳥之石楠船神 又の名を天之鳥船(トリノイハクスフネ アメノトリフネ)
- 大宜都比売(オオゲツヒメ)
- 火之迦具土神(ヒノカグツチ)
- 金山毘古神(カナヤマビコ)
- 金山毘売神(カナヤマビメ)
- 波邇夜須毘古神(ハニヤスビコ)
- 波邇夜須毘売神(ハニヤスビメ)
- 弥都波能売神(ミツハノメ)
- 和久産巣日神(ワクムスヒ)
ハヤアキツヒコ神とハヤアキツヒメ神の間に産まれた神々
- 沫那芸神(アワナギ)
- 沫那美神(アワナミ)
- 頬那芸神(ツラナギ)
- 頬那美神(ツラナミ)
- 天之水分神(アメノミクマリ)
- 国之水分神(クニノミクマリ)
- 天之久比奢母智神(アメノクヒザモチ)
- 国之久比奢母智神(クニノクヒザモチ)
オオヤマツミ神とカヤノヒメ神の間に産まれた神々
- 天之狭土神(アメノサヅチ)
- 国之狭土神(クニノサヅチ)
- 天之狭霧神(アメノサギリ)
- 国之狭霧神(クニノサギリ)
- 天之闇戸神(アメノクラト)
- 国之闇戸神(クニノクラト)
- 大戸或子神(オオトマトヒコ)
- 大戸或女神(オオトマトヒメ)
ワクムスヒ神が産んだ神様
- 豊宇気毘売神(トヨウケビメ)
以上がイザナミ神が亡くなる前に産まれた島と神様となります。
古事記では、2神が共に産んだ島の数は「14」、神様の数は「35」と記されています。
この数にオノゴロ島とアワ島、ヒルコは含まれないとしています。
ところが…
島の数は確かに「14」なのですが、神様の数はどう数えても「40」なんですよね(^^;
なぜ35という数字が出てきたのか?
男女一対の神様を1つとして数えると「35」になるという考えがあるようですが、今でもよく分かっていないらしく定説というものはないようです。
イザナギ神が泣いたときに産まれた神様
- 泣沢女神(ナキサワメ)
イザナギ神の剣から産まれた神々
- 石拆神(イワサク)
- 根拆神(ネサク)
- 石筒之男神(イワツツノオ)
- 甕速日神(ミカハヤヒ)
- 樋速日神(ヒハヤヒ)
- 建御雷之男神 又の名を建布都之神、豊布都之神(タケミカヅチノオ タケフツ トヨフツ)
- 闇淤加美神(クラオカミ)
- 闇御津羽神(クラミツハ)
ヒノカグツチ神の死体から産まれた神々
- 正鹿山津見神(マサカヤマツミ)
- 淤縢山津見神(オドヤマツミ)
- 奥山津見神(オクヤマツミ)
- 闇山津見神(クラヤマツミ)
- 志芸山津見神(シギヤマツミ)
- 羽山津見神(ハヤマツミ)
- 原山津見神(ハラヤマツミ)
- 戸山津見神(トヤマツミ)
イザナギ神の剣の神様
- 天之尾羽張(アメノオハバリ)
黄泉の国でイザナミ神の身体から産まれた神々
- 大雷(オホイカヅチ)
- 火雷(ホノイカヅチ)
- 黒雷(クロイカヅチ)
- 析雷(サキイカヅチ)
- 若雷(ワカイカヅチ)
- 土雷(ツチイカヅチ)
- 鳴雷(ナルイカヅチ)
- 伏雷(フシイカヅチ)
黄泉の国でイザナミ神が拾った桃の神様
- 意富加牟豆美命(オホカムズミ)
イザナミ神が禊をしたときに産まれた神々
- 衝立船戸神(ツキタツフナト)
- 道之長乳歯神(ミチノナガチハ)
- 時量師神(トキハカシ)
- 和豆良比能宇斯能神(ワヅラヒノウシノ)
- 道俣神(ミチマタ)
- 飽咋之宇斯能神(アキグヒノウシノ)
- 奥疎神(オキザカル)
- 奥津那芸佐毘古神(オクツナギサビコ)
- 奥津甲斐弁羅神(オキツカヒベラ)
- 辺疎神(ヘザカル)
- 辺津那芸佐毘古神(ヘツナギサビコ)
- 辺津甲斐弁羅神(ヘツカヒベラ)
- 八十禍津日神(ヤソマガツヒ)
- 大禍津日神(オオガツヒ)
- 神直毘神(カムナオビ)
- 大直毘神(オオナオビ)
- 伊豆能売(イヅノメ)
- 底津綿津見神(ソコツワタツミ)
- 底筒之男命(ソコツツノオ)
- 中津綿津見神(ナカツワタツミ)
- 中筒之男命(ナカツツノオ)
- 上津綿津見神(ウワツワタツミ)
- 上筒之男命(ウワツツノオ)
綿津見神の御子の神様
- 宇都志日金析命(ウツシヒガナサク)
三貴神
- 天照大御神(アマテラスオオミカミ)
- 月読之命(ツクヨミノミコト)
- 建速須佐之男命(タケハヤスサノオ)
以上、イザナギ神とイザナミ神から産まれた神様の一覧でした。
日本の主神は言わずもがな天照大御神ですが、そこにたどり着くまでにかなり遠いですね(汗)
日本は八百万神(やおよろずのかみ)の国と言われますが、その一端を垣間見ることができますね。