ガイアの概略
「ガイア(Gaea)」はギリシア神話に最初に登場した女神、地母神であり、その名前は「大地」を表しています。
しばしば、「ゲー」と縮めて呼ばれることがあります。
ギリシア神話では天地創造の初めにカオスがあり、そこからガイアが生じ、さらにガイアから「天」を意味するウーラノスが生まれたと説明されます。
ただし、天地創造の際にガイアとウーラノスが一緒に分かれて生まれたという記述もあり、説明が統一されていません。
大地を象徴する存在だけあって、ガイアは実にたくさんの神々を生み出しました。
ガイアから生まれた神々
- ウーラノス
- ポントス
ガイアとウーラノスの間に生まれた神々
- オーケアノス
- コイオス
- クレイオス
- ヒュペリーオーン
- イーアペトス
- クロノス
- テイアー
- レアー
- テミス
- ムネーモシュネー
- ポイベー
- テーテュース
以上、オーケアノスからクロノスまでが男神で、テイアーからテーテュースまでが女性神です。
一般的に男神がティターン、女性神がティターニスと呼ばれます。
- アルゲース
- ステロペース
- ブロンテース
以上はキュクロープスと呼ばれる目が一つしかない巨人です。
名前はそれぞれ順に「雷光」「雷雲」「雷鳴」を意味しており、雷を擬人化したものと考えられています。
- コットス
- ブリアレオース
- ギューゲース
以上はヘカトンケイルと呼ばれる巨人たちです。
ヘカトンケイルは「百の手の怪物」というような意味で、百の手と五十の頭を持った怪物と言われています。
ガイアとポントスの間に生まれた神々
- ネーレウス
- タウマース
- ポルキュース
- エウリュビアー
ここで、ポントスとはガイア自体から生まれたとされ、「海の潮」というような意味があり、海を単純に神格化した存在です。
ギリシア神話ではゼウスの時代になると人間的な性格を有するようになりますが、上記のガイアが生んだとされる神々や巨人は自然現象を擬人化したものが多いです。
そのため、ゼウス以前のこれらの存在は、ギリシア人が到来・土着する前に存在した民族が持っていた神々のなごりであると考える向きもあります。
もともとギリシア民族は紀元前二千年頃にギリシアに侵入したと考えられており、それ以前にエーゲ海付近で様々な文化は見出されています。
いずれにせよ、ガイアは数多くの神々や巨人を生んだのであり、大地を象徴する地母神としての性格が色濃く現れています。
大地の恵みによって、様々な自然現象が生じた様子をうかがい知ることができるかと思います。