「たかをくくる」という慣用句は、物事を軽んじることを意味します。
日常会話でもよく使われますが、正確な漢字の表記は意外と知られていないかもしれません。
そのため、間違えた漢字を使ってしまうこともよくあるようです。
この記事では、「たかをくくる」の意味と由来、例文から類語まで詳しく紹介しています。
たかをくくるの意味は?
「たかをくくる」とは、「物事を軽く見て、それほど重要ではないと過小評価する」という意味です。
何かを「大したことない」と判断する際に使われる表現です。
漢字で書くと「高を括る」となります。
「鷹を括る」や「多寡を括る」と表記されることがありますが、これらは間違いなので注意しましょう。
「高を括る」は、対象の価値や能力を低く見積もるという状況を指し、「これくらいで十分だろう」と軽んじることが一般的です。
このような見方はしばしば予想を裏切られ、結果として失敗につながることが多いです。
そのため、後で「高を括っていた」と反省することがよくあります。
さらに、他人が何かを見くびっているときには、現在形で使って、そのような姿勢を改めるよう警告する意味で使われることもあります。
たかをくくるの由来は?
「高を括る」の「高」とは、「収穫量」や「生産量」を指す言葉です。
一方、「括る」は、「まとめる」や「束ねる」という意味がありますが、この文脈では「見積もる」という意味で用いられています。
戦国時代には、米の収穫量がその国の力の象徴とされていました。
その時代、国々は敵の領地の「石高」(米の収穫量を示す単位)を基に力の大小を計算し、「これなら勝てるだろう」と判断し、戦を始めることがよくありました。
しかし、単に石高だけで敵の実力を測ることは困難で、その見積もりが外れて戦いに敗れることもありました。
これにより、「高を括る」という表現が生まれ、戦を軽く見積もることの危険性を警告するたとえとして使われるようになります。
そして、「安易に見積もる」や「相手を軽く見る」という意味合いで使用されるようになったと考えられています。
たかをくくるの例文をご紹介
「たかをくくる」を使った例文を以下に5つ紹介します。
- 今回のプロジェクトは簡単に終えるだろうとたかをくくっていたが、予想外に大変で、最終日には夜遅くまで残業する羽目になった。
- 近所の個人が経営するレストランだとたかをくくっていたが、三つ星ホテルのレストラン顔負けの料理に驚かされた。
- 前回の大会で入賞からといってたかをくくっていると、気が緩んでしまい足元をすくわれる。今大会でも常に全力を尽くさないといけない。
- 小さな誤解だとたかをくくっていたため、後で説明するつもりが、彼女の誤解は逆に深まり、結果的に大きなトラブルに発展してしまった。
- デジタル時代にあって、自分のデータは安全だとたかをくくるのは良くない。世界中でサイバーセキュリティの脅威が増加しているため、常に警戒し、保護対策を強化することが重要だ。
たかをくくるの類義語をご紹介
「たかをくくる」の類語は、軽んじるや過小評価するという意味の言葉が当てはまります。
言い換え表現として、次のようなものがあります。
- 舐める
- 見下す
- 甘く見る
- 疎んじる
- 侮る
- 馬鹿にする
たかをくくるの対義語をご紹介
「たかをくくる」の対義語は、物事を実際よりも高く見積るという意味の言葉になります。
- 過大評価する
- 買い被る
- ひいき目でみる
- 期待しすぎる
などの表現があげられます。
まとめ
「たかをくくる」という慣用句は、物事を軽んじることを意味します。
漢字で「高を括る」と書きますが、間違いやすいため注意が必要です。
日常生活で「高を括る」ことはありますが、物事の真価や難易度を過小評価してしまうと、予期せぬ問題に直面してしまいます。
何事も慎重に、そして真剣に取り組むことが大切ですね。