「合わせる顔がない(あわせるかおがない)」という慣用句があります。

言葉通りの意味ですが、「合わせる」という漢字を間違えやすいので注意が必要です。

この記事では、「合わせる顔がない」の意味と使い方、類義語や英語表現まで詳しく紹介しています。

合わせる顔がないの意味は?

「合わせる顔が無い(ない)」という表現は、「恥ずかしさや罪悪感から、ある人と直接対面することが難しい」という状況を指します。

通常は、人に問題や誤りがあった場合でも、相手に対して正直に謝罪することが望ましいですよね。

ところが、時には感じる恥や後悔が強すぎて、そのような行動を取ることがなかなかできないことがあります。

そのような心理的な状態を、「合わせる顔がない」と表現します。

合わせる顔がないの漢字表記に注意!

注意したいのが、「合わせる」という漢字の表記です。

というのも、「合わせる」を「会わせる」と勘違いしている場合がよくあるからです。

確かに、人と人を引き合わせる行為には「会わせる」が適切な表記となります。

そのため、人に会うことが困難な状況を想像すると、「会わせる」という漢字が適していると考えられがちです。

ですが、「会わせる」と表記するのは誤りです。

この文脈で言及されているのは「顔を合わせる」ことであり、正しい漢字表記は「合わせる」になります。

「面と向き合えない」という様子をイメージすると分かりやすいでしょう。

細かな違いに思われるかもしれませんが、重要な点なので注意したいですね。

合わせる顔がないの使い方をご紹介

「合わせる顔がない」の使い方として、5つの例文を紹介します。

ビジネスシーンを含め、様々な場面で使われます。

  • 大切なプロジェクトの期限を守れずにチームを困らせてしまった後、上司には合わせる顔がないと感じた。
  • 友人の結婚式で大きなミスをしてしまい、その後彼女に合わせる顔がないほど恥ずかしかった。
  • 試合中、キャプテンとして采配ミスをしてしまい、チームメンバーに合わせる顔がなかった
  • 過去に言い争いをしてしまった近所の人と偶然スーパーマーケットで会ったが、合わせる顔がないため、急いでその場を去った。
  • 私の不手際でご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます。合わせる顔がございませんが、この経験を教訓に、今後はより一層の努力を重ねて参ります。

合わせる顔がないの類義語をご紹介

「合わせる顔がない」の類語としては、相手に対して申し訳ない気持ちや恥ずかしくて会えないという状態を指す言葉が当てはまります。

  • 面目ない
  • 肩身が狭い
  • バツが悪い
  • 顔向けできない
  • 弁解できない
  • 申し訳が立たない
  • 申し開きができない
  • 弁明のしようがない

などの表現があげられます。

合わせる顔がないの対義語をご紹介

「合わせる顔がない」の直接的な対義語はないようです。

ただ、逃げずにしっかりと向き合うという意味の言葉を使うと、対義語に近いでしょう。

例えば

  • 面と向かって
  • 堂々と
  • 真正面から
  • 真っ向から
  • 逃げも隠れもせず
  • 胸を張って
  • 臆することなく
  • 毅然と

といった表現を使って、「真正面から向き合う」「胸を張って会える」という形にすると、反対の意味のニュアンスの言葉になります。

合わせる顔がないの英語表現をご紹介

「合わせる顔がない」の英語表現としては、“can’t face”“too ashamed to face”があげられます。

例文をあげると

“I can’t face my team after losing the game because of my mistake.”

(私のミスで試合に負けた後、チームに合わせる顔がない。)

“After what happened, I’m too ashamed to face you.”

(あの出来事の後、恥ずかしすぎて、あなたに合わせる顔がありません。)

となります。

まとめ

「合わせる顔がない」とは、恥ずかしさや罪悪感から他人と直接向き合うことが難しい状況を指します。

漢字表記では「会わせる」と間違いやすいですが、「合わせる」が正しいので注意が必要です。

普段の生活で失敗をすることは誰にでもあります。
そんなとき、迷惑をかけた相手と対面するのは難しいものです。

ですが、勇気を持って相手に誠実に向き合い、心からの気持ちを伝えることが大切ですね。

関係の修復だけでなく、自分自身の成長にもつながることでしょう。