ウーラノス(またはウラノス)は、ギリシア神話において最初に天空を支配した神様です。
ギリシア語で「Ouranos」と表記され、その意味は「天」であり、「天」そのものが神格化されたものです。
ギリシア神話の最高神で天を統治しているのは、ご存じの通りゼウスですが、ゼウスの前に天空を支配したのがウーラノスでゼウスのお祖父さんにあたります。
(より正確に言うと、ゼウスの前に天を支配したのは父のクロノスで、クロノスの前に天を支配したのがその父のウーラノスとなります)
ウーラノスは大地の神様であるガイアから生まれたとされていますが、天地が創造されるときにウーラノス(天)とガイア(地)が生まれたという記述もあり、出自に関しては統一されていません。
ウーラノスはガイアと交わることで、ティターンと呼ばれる神々や巨人を産み出しました。
ところが、自分が産んだ巨人であるキュクロープスやヘカトンケイルの容姿が奇怪であったため、それを嫌ったウーラノスは彼らを大地の奥深い地獄であるタルタロスに閉じこめてしまいます。
これに対してガイアは激怒して彼らを解放することを企て、ティターンたちに父親を襲うように説きます。
そして、ティターンの中で特にウーラノスを憎んでいたクロノスが黄金の斧(「鋼鉄の鎌」など表現は色々)をもらい受け、ウーラノスの生殖器を切り落として海に投げ出してしまいます。
この一件によってウーラノスはその後のギリシア神話の物語から消え去り、クロノスが父に取って代わって天空の支配者となりました。
また、ウーラノスの生殖器から流れた血から復讐の女神であるエリーニュスと巨人であるギガース、さらには精霊であるメリアデスたちが産まれたとされています。
以上がウーラノスの概略となりますが。
ウーラノス殺害のくだりは、何ともおぞましいお話ですね(^^;