電話をかけるとき、また電話に出るとき、「もしもし」と言いますよね。
日常的に使われる言葉ですが、その意味は意外と知られていないように思います。
一説によると、「もしもし」の意味が怖いという話もあります。
どういうことなのか、気になりますね。
この記事では、「もしもし」という言葉の意味と由来を掘り下げてみました。
どのような歴史的経緯でこの言葉が生まれ、使われるようになったのか、興味深い物語を紐解いていきます。
もしもしが怖いと言われる理由は?
まず、「もしもし」の意味が怖いと言われる理由について説明します。
これは、江戸時代の妖怪伝説に由来しています。
この説によると、妖怪が人を呼び止める際には「申し」と一声で呼ぶとされており、人々は自分が妖怪でないことを示すために「申し、申し」と2回繰り返していたとされています。
このような背景から、「もしもし」という言葉には、不気味なイメージが付きまとっているのです。
また、都市伝説や心霊現象の話題にもしばしば登場し、その不穏な響きが恐怖を感じさせる要因となっているようです。
ただし、この解釈は、より神秘的な色彩を帯びた民間伝承や都市伝説の一環として広まったものであり、実際の由来とは異なるようです。
詳しい説明は後ほど行いますので、お楽しみに。
もしもしの意味は?
「もしもし」は、電話で相手に呼び掛けるときに使いますね。
この「もしもし」は、実は「申します、申します」という意味で、この言葉が短縮されたものです。
電話交換手が電話をつなぐ際に使っていた挨拶で、電話が一般に普及する以前の時代に始まりました。
電話交換手が相手との通話を取り次ぐ際に、失礼のないように「これから話します」という意味で「申し申し」と言っていたようです。
それが時間を経て、「もしもし」になったとされています。
もしもしの由来は?
「もしもし」の起源は、江戸時代にさかのぼります。
当時、人々は会話を始める際に「申し(もうし)」という言葉を用いていました。
これは「これから話しますよ」という意味を持ち、現代の「もし」と同じ役割を果たしていたのです。
電話が日本に導入されたのは1890年のこと。
電話が普及し始める前は、電話を使うのは高級官僚や実業家など主に地位の高い人々に限られていました。
この頃、相手を呼びかける際に「おい」という言葉を使っていたようです。
しかし、「おい」という言葉は高圧的な印象を与えるため、やがて変化が求められるようになりました。
この変化のきっかけを作ったのは、電話交換手が使っていた「申し上げます」という言葉です。
当時、電話はまだ手動で交換されており、交換手が相手に繋ぐ際にこの言葉を使っていました。
前述したように、これが時間を経て短縮され、「もしもし」という言葉になったとされています。
さらに、大正時代には警察官が「もしもし」という言葉を使い始め、一般の人々の間にも広まりました。
警視総監の安楽金道(あんらくかねみち)が、警察官に対して民衆にもっと丁寧に接するよう指示したことが、この変化の一因とされています。
また、「もし」という言葉が2回繰り返される理由については、昔の電話の音質が悪く、相手にちゃんと聞こえているかを確認するために2回繰り返していたという説が有力です。
先ほども述べましたが、江戸時代の妖怪伝説が由来になっているとは、一般的には考えられていません。
もともと日本には、一声で呼ぶのを嫌う文化があり、2回繰り返す言葉が多いとされています。
「もしもし」もその一例と考えられます。
このように、「もしもし」という言葉は、単なる電話の挨拶以上の、深い歴史的背景と文化的意味を持っています。
江戸時代からの言葉の変遷を経て、現代に至るまで、日本のコミュニケーション文化の一部として根付いているのです。
まとめ
もしもしの意味が怖いと言われる理由としては、日本の妖怪伝説が関係しています。
ですが、実際の由来は、電話での話声が聞こえているかを確認するために2回繰り返していたという説が有力です。
いずれにせよ、江戸時代から続く歴史を知ると、とても興味深いものがありますね。