一口にらっきょうと言っても、様々な種類があります。
中でも沖縄の島らっきょうが特に知られています。
この記事では、らっきょうと島らっきょうの具体的な違いに焦点を当てて解説します。
さらに、エシャレットと呼ばれるらっきょう類についても、その特徴と相違点についてご紹介します。
らっきょうと島らっきょうの違いとは?
らっきょうと島らっきょうの違いを簡単にまとめると、らっきょうも島らっきょうも、同じらっきょうの仲間であり、島らっきょうはらっきょうの品種の一つということです。
そのまま名前からして分かりますね。
島らっきょうは沖縄県で栽培されることが多いため、「島」の名前が付けられています。
また、厳密には島らっきょうではない場合でも、沖縄産のらっきょうが島らっきょうとして市場に出されれることがあるようです。
島らっきょうは、沖縄特有の赤土、島尻マージに由来する土壌で育つため、一般的ならっきょうに比べて辛味や香りが強い特徴があります。
その他、様々な違いがあるので、以下に詳しく説明していきます。
旬の時期が違う
まず、1つ目の違いとして、らっきょうと島らっきょうの栽培には、植え付けや収穫の時期に差があります。
島らっきょうは一般的ならっきょうよりも早い時期に植え付けられます。
温暖な地域では約3ヶ月で収穫が可能です。
そのため、通常のらっきょうの旬の時期は5月~6月ですが、島らっきょうは2~4月に旬を迎えます。
なお、通常のらっきょうでも、植え付けから4~6ヶ月後に収穫すると、小ぶりながらも島らっきょう風の味わいを楽しむことができるようです。
栄養価が違う
らっきょうと島らっきょうの栄養価はほぼ同じですが、島らっきょうの方が「アデノシン」という成分をより多く含んでいます。
アデノシンは血管を拡張し、血液の凝固を防ぐ効果があるとされています。
この成分のおかげで、島らっきょうを日常的に摂取する沖縄地方では、脳卒中や心臓病の発症率が国内で最も低いとされる理由にもつながっていると言われています。
食べ方が違う
らっきょうは一般的に甘酢漬けや醤油漬けとして楽しまれますが、早く収穫される島らっきょうは、塩漬けや天ぷら・炒め物として調理されるのが一般的です。
もちろん、らっきょうを島らっきょう風に天ぷらにすることも、島らっきょうをらっきょう風に甘酢漬けにすることもできます。
ただ、らっきょうの豊富な栄養を効率よく摂取したい場合は、天ぷらがよいとされています。
特に下処理を施した島らっきょうは、揚げ物や炒め物に適しています。
皮がついている状態でも、水にしばらくつけて柔らかくすることで皮が剥きやすくなるので、わりと簡単に下ごしらえができます。
エシャレットとの違いは?
エシャレットもらっきょうの一種です。
簡単に言うと、エシャレットは大きく成長する前に若採りしたらっきょうとなります。
エシャレットは、生食を目的として根らっきょうから改良された食品です。
若い段階で収穫され、生での消費が可能です。
静岡県の浜松市が栽培発祥の地とされ、1950年代に市場に導入されました。
このとき、根らっきょうという名前では市場での受けが悪いと考えられたようです。
そのため、より魅力的な名前が消費者に好まれるとの見込みで、当初は「エシャロット」と名付けられました。
ところが、エシャロットというのは、実は欧米で一般的に食べられている玉ねぎの一種のことなんです。
実際、日本でもエシャロットが知られるようになり、混同する可能性が出てきました。
そこで、この混同を解消し、明確に区別するために、根らっきょうの名称を「エシャレット」に改めることとなったというわけです。
カタカナ表記から西洋の野菜と誤解されがちですが、エシャレット自体は日本原産の野菜になります。
まとめ
らっきょうと島らっきょう、さらにエシャレットとの違いを詳しく解説しました。
らっきょう類は栄養価が高く、特に島らっきょうに豊富に含まれるアデノシンは健康に良いと言われています。
ただし、食べすぎると、栄養分の関係から胃腸が荒れたり、臭いがきつくなることがあるので、適量を心掛ける必要があります。
また、エシャレットは日本発の野菜で、その名前の変遷には興味深い歴史があります。
背景を深く知ることで、らっきょう類をより深く楽しむことができますね。