「故郷へ錦を飾る」という慣用句があります。
故郷を離れた人が、立派になって戻ってくることを表しています。
この記事では、「故郷へ錦を飾る」の意味と由来、例文について詳しく説明しています。
故郷へ錦を飾るの意味と読み方は?
「故郷へ錦を飾る」は「こきょうへにしきをかざる」と読みます。
故郷を離れていた者が、立身出世して故郷に戻ることを意味します。
自分の出身地や故郷に対して、成功や名誉をもたらすという意味合いも含んでいます。
故郷へ錦を飾るの由来は?
「故郷に錦を飾る」という表現の起源は、「南史」に記された劉之遴の伝記に由来します。
中国南朝梁時代の劉之遴は、非凡な才能の持ち主でした。
彼に対して、武帝は劉之遴の母親の高齢と徳を称賛しました。
そして、武帝は劉之遴に豪華な錦の衣を与え、故郷に帰って母親を立派に世話するようにと勧めたのです。
このエピソードが、「故郷に錦を飾る」という成句の由来となりました。
「錦」というのは、多彩な色糸や金銀糸で織られる豪華な絹製の織物を指します。
この言葉は、成功や出世を遂げた人が豪華な衣服を身にまとい、故郷に戻る様子を表す表現の起源となっています。
出発時の質素な衣服と、帰郷時の華やかな装いを比較することで、その変化を強調していることになります。
昔の田舎では、農業が主な生計手段であり、労働力が非常に重要でした。
そのため、故郷を離れる者はもちろん、残される家族も大きな決断を迫られました。
この状況下で、故郷を離れる者には、成功して帰る以外の選択肢はないという強いプレッシャーがあったようです。
「故郷へ錦を飾る」という言葉は、故郷を離れた者が成功を収めて豪華な錦の衣を身に纏い、故郷に戻る決意や意気込みを表しているとも言えます。
故郷へ錦を飾るの使い方は?
「故郷へ錦を飾る」の使い方として、5つの例文を紹介します。
- 彼は海外で大成功を収め、故郷へ錦を飾るために帰ってきた。
- この町出身のオリンピック選手が金メダルを獲得し、故郷へ錦を飾る快挙を成し遂げた。
- 彼女は有名な作家としての地位を確立し、故郷へ錦を飾ろうという強い意識を持ちながら、今も精力的に執筆活動を続けている。
- 彼は大都市での成功を夢見ていたが、挫折をしてしまい、故郷へ錦を飾るどころか、結局は実家に戻ってしまった。
- 彼女は世界的なバレリーナとして名を馳せ、故郷へ錦を飾るために特別公演を開催した。
故郷へ錦を飾るの類義語は?
「故郷へ錦を飾る」の類語表現として、「衣錦還郷(いきんかんきょう)」があげられます。
「故郷へ錦を飾る」と同じ意味を持つ四字熟語です。
直訳すると「錦の衣を着て故郷に帰る」という意味で、外で成功を収めた人が故郷に戻り、その成功を通じて故郷の名誉や評価を高める様子を表します。
外での成功や名誉を故郷に持ち帰ることの喜びや誇りを象徴的に示しています。
まとめ
「故郷へ錦を飾る」は、故郷を離れて成功を収めた人が、その成果を持ち帰ることを意味します。
故郷の外での成功を持ち帰ることの喜びや誇りを象徴的に示しています。
程度の差はあれ、誰しもが故郷に対して何らかの形で貢献したいという気持ちを持っているでしょう。
その志を大切にして、遠く離れた場所でも故郷の恩を忘れずに、自分の成長のため努力していきたいものですね。