「金に糸目をつけない」という慣用句があります。
お金を使う様子を表した言葉で、日常生活でもよく使われますね。
この記事では、「金に糸目をつけない」の意味と由来から、実際の使い方や類義語なども詳しく紹介しています。
金に糸目をつけないの意味は?
「金に糸目を付けない」とは、お金を惜しまずに使うこと、または費用を気にせずに何かをすることを意味します。
つまり、金銭的な制約にとらわれず、必要とあれば惜しみなく支出する様子を表しています。
「金に糸目を付けぬ」「金に糸目はつけぬ」と表記されることもあります。
金に糸目をつけないの由来は?
「金に糸目をつけない」の由来は次のようなものです。
まず、「糸目」とは、凧揚げにおいて凧の安定を保つためにその表面に配置されるいくつかの糸を指します。
例えば、4本の糸が四隅の角に設置されている凧は、なじみが深いものだと思います。
この糸がくくられている部分を「糸目」と呼ぶわけです。
もちろん、糸目の数は凧の形や大きさに応じて変わります。
ここで、もし糸目が無く、一本の糸で凧をつなげているだけの状態だとしましょう。
この場合、凧の操作が難しくなり、風に流されてどこに飛んで行ってしまうか分からなくなるのは、簡単に想像できますよね。
この凧揚げの様子を金銭の使い方に例えたのが、「金に糸目をつけない」という表現です。
凧の操作がコントロールできなくなり、そこから、遠慮なく大量にお金を使うことを意味するようになったということです。
金に糸目をつけないの使い方は?
続いて、「金に糸目をつけない」の使い方として、5つの例文を紹介します。
- 彼は新しいプロジェクトに対して金に糸目をつけない姿勢を見せており、最高の設備と人材を確保するために惜しみなく投資している。
- 我が社は新製品の開発に金に糸目をつけないため、研究開発に莫大な予算を割いている。
- 彼女は自分の息子を有名な進学校へ入学させたいと思っており、子供の教育に関して金に糸目をつけるつもりはないようだ。
- 彼は骨董品のコレクションに夢中で、金に糸目をつけぬと、世界中から貴重なものを集めている。
- 結婚式には金に糸目はつけぬで、私の両親は豪華な会場と高級なドレスを選んでいる。
金に糸目をつけないの類義語は?
次に、「金に糸目をつけない」とよく似た意味を持つ表現として、以下の3つを紹介します。
湯水のように使う
お金を非常に大量に、たやすく使う様子を指します。
湯水が豊富に流れるように、制約なくお金を使うことを意味しています。
金に飽かす
お金を惜しまずに使い、特に贅沢や遊興にお金を多く使う様子を表します。
金銭的な制約を気にせず、自由にお金を使うことを意味しています。
散財する
お金を無駄に使う、または大量に使うことを指します。
特に計画性なく大量のお金を使う状況で使われます。
金に糸目をつけないの対義語は?
「金に糸目をつけない」の対義語としては、「爪に火を灯す」があげられます。
非常に節約をする様子、極端にお金を使わないように努めることを意味します。
文字通りには、非常に少ない量の油で火を灯すことから来ており、極度の倹約を象徴しています。
その他、簡単な言い換えとしては、「倹約する」や「金を浮かせる」などがあります。
まとめ
「金に糸目をつけない」という表現は、お金を惜しまずに使う態度を意味します。
由来は凧揚げの糸目から来ており、糸目がないと歯止めがきかない様子をうまく表していますね。
「金に糸目をつけない」は、日常生活やビジネスシーンでも使われることがあるので、適切な使い方ができるようにしておきたいものです。