日本の伝統的な遊びとして、凧揚げがありますね。

一年を通して凧揚げは行われますが、とりわけお正月に凧を揚げることが多く、これには特別な意味があります。

では、なぜ凧揚げで遊ぶのが、お正月の伝統行事となったのでしょうか?

この記事では、その理由と凧揚げの語源や歴史について、詳しく説明しています。

お正月に凧揚あげをすることになった由来とは?

お正月に凧揚げをする由来について、3つの説を紹介いたします。
それぞれをわかりやすく説明しますね。

凧あげの禁止がお正月だけ許されたとする説

この説は、江戸時代に凧揚げが非常に人気があったことに由来しています。

当時、凧揚げはただの遊びではなく、一種の競技として行われていました。
凧の糸には刃物をつけて、他の凧の糸を切る「凧合戦」が流行していました。

しかし、この遊びが度を越えて危険になり、事故が多発したため、幕府が凧揚げを禁止する令を出したとされています。

その後、参勤交代のない時期である正月なら、武士の行列もなく安全であると判断され、お正月なら凧揚げは許されるようになりました。

そして、お正月の行事として復活し、現在に至っているというわけです。

男の子の誕生を祝う説

この説は、凧が男の子の成長や健康を願うシンボルとして使われていたことに基づいています。

お正月に凧揚げをする習慣は、新年に生まれた男の子の誕生を祝い、その子の健やかな成長を願う意味があったと言われています。

凧は「高く上がる」という意味合いもあり、子どもたちの将来への願いを込めて空高く揚げられました。

陰陽五行説が由来であるという説

この説は、中国の陰陽五行思想に基づいています。

陰陽五行思想では、宇宙のすべてのものは木、火、土、金、水の五つの元素で成り立っていると考えられています。
凧揚げは、これらの元素のバランスを整え、邪気を払うための儀式として行われていたとされています。

特に、凧は風(木の元素)と関連が深く、風に乗って高く上がることで悪い気を遠ざけ、良い気を呼び込む役割を果たしていたと言われています。

さらに、正月は木の要素を持ちます。

そのため、凧をあげることで、正月にとりわけ良い影響を及ぼすと考えられたというわけです。



これらの説は、時代や地域によって異なる背景や文化から生まれたもので、お正月に凧揚げをする習慣がどのようにして始まったのか、その正確な起源は定かではありまん。

ですが、それぞれに興味深い歴史や意味が込められていますね。

凧あげの歴史を詳しく解説!

凧揚げの歴史は、古代中国にその起源を持ち、日本には平安時代に伝わったとされています。

当初、凧は貴族の間での遊びとして楽しまれ、特に鳶の形をした凧が人気でした。

中国では、凧が軍事目的で使用されていたという説もあります。
敵の陣地を偵察するためや、戦略的なメッセージを伝える手段として凧が使われていたとされています。

日本において、凧は平安時代から貴族の間で楽しまれていましたが、江戸時代になると庶民の間にも広がりました。
特に、江戸時代には凧揚げが一般的な遊びとして定着し、多くの人々に親しまれるようになりました。

先ほども少し触れましたが、この時代には、凧合戦という競技も行われていました。
凧の糸に刃物をつけて他の凧の糸を切るというもので、非常に人気がありましたが、危険も伴っていました。

江戸時代には男の子の誕生を祝うために凧揚げが行われるようなったというのも先述のとおりです。
これは、子どもの健やかな成長を願う厄除けの意味も込められていたとされています。

明治時代以降、凧揚げはお正月の風物詩として定着し、現在に至るまで多くの人々に楽しまれています。

凧揚げは、その歴史を通じて、文化や時代の変遷を映し出す魅力的な遊びとして、今もなお多くの人々に愛され続けています。

凧の語源は?

凧(たこ)という言葉の起源は、意外にも海の生き物、特に「イカ」に関連しています。

昔の凧は、その形がイカに似ていることから、「いかのぼり」と呼ばれることが多かったのです。
特に江戸時代の関西地方では、この名称で凧が親しまれていました。

凧の特徴的な部分は、風になびく長い尾です。
この尾が、イカの触手のように見えたため、人々は凧をイカに見立てたのでしょう。

また、凧が空中で安定して飛ぶためには、この尾が重要な役割を果たします。
風に乗って凧が舞う様子は、まるで海中を泳ぐイカのようにも見えます。

時が経ち、凧は「タコ」とも呼ばれるようになりました。
これは、凧の尾がタコの足に似ていることから来ています。

しかし、その原点は「イカ」にあるとされています。
凧の名称が地域によって異なることは、凧が日本の各地でどのように受け入れられ、楽しまれてきたかを物語っています。

凧揚げは、ただの遊びではなく、日本の文化や自然との深いつながりを示す伝統的な活動です。

その語源がイカやタコに関連していることは、凧が長い歴史の中でどのようにして人々の生活に溶け込んでいったかを示していると言えます。

まとめ

凧揚げがお正月の伝統的な遊びになった由来には、3つの説がありました。
どの説が正しいのかはハッキリしてませんが、どても興味深いものですね。

ただ、それ以上にインパクトがあったのは、凧の起源がイカに関係していたことかもしれません。

この事実は、凧揚げが単なる遊びではなく、日本の文化や自然と深く結びついた伝統であることを物語っています。

凧揚げの歴史や語源を知ることで、この伝統的な遊びが持つ意味と魅力をより深く理解することができます。

そして、その理解をもとに、この美しい習慣を次世代にも伝えていきたいものですね。